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No.3590
会津朝日岳 1624.2m三等三角点峰
山行種別 積雪期一般
あいづあさひだけ 地形図 会津朝日岳、高幽山、内川、檜枝岐、会津駒ヶ岳

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■山行期間 2004年4月30日〜5月3日
■コースタイム 4月30日 福島(20:00)→南郷村役場駐車場(22:00)→只見町いわなの里付近幕営(23:30)
5月 1日 只見町・いわなの里出(6:20)→朝日岳登山口東斜面(7:34)→叶の高手(10:02)→朝日岳避難小屋(10:36)→朝日岳山頂(11:47)→1451mピーク(14:14)→1467mピークと大幽朝日岳鞍部(14:45)幕営
5月 2日  1467mピークと大幽朝日岳鞍部(5:05)→大幽朝日岳南斜面(トラバース)終了点(6:35)→1442mピーク手前鞍部(藪こぎ)終了点(7:08)→丸山岳北尾根登り口(7:08)→丸山岳(9:46)→1723mピーク手前鞍部(10:59)→梵天岳(11:39)→1616m手前ピーク(12:03)→13:30高幽山(13:30,14:04)→坪入山手前・1712mピーク過ぎた鞍部(16:44)幕営
5月 3日 坪入山手前・1712mピーク過ぎた鞍部(4:30)→坪入山(5:25)→窓明山(7:05)→三岩岳(9:25)→大戸沢岳(12:25)→会津駒ヶ岳(13:20)→滝沢登山口(15:30)
■写真
会津朝日岳 会津朝日岳山頂からの丸山 1日目テン場からの大幽朝日岳
大幽朝日岳から丸山へ 丸山山頂で 梵天岳と高幽山
梵天岳から高幽山への稜線 高幽山を目指して 2日目テン場から大幽朝日岳を
望む
朝日に輝く丸山と梵天岳 三ツ岩岳 窓明山から会津駒を望む

■行動記録
4月30日
 福島を発って、会津朝日岳の登山口である只見を目指す。
5月1日 天気 快晴
 テント周りに明るさを感じて起きる。眠い目を擦り、昨晩の残り酒を頭に感じつつ、日の出の眩しさに体が反応してくる。快晴である。放射冷却の寒さも感じない。朝飯を済ませ、パッキングを開始。本格的な縦走は、久しぶりなのでザックの重さが気になる。いわなの里の敷地手前にちょっとした駐車スペースがあり、そこへ車をデポし、出発。
 夏道を行く。途中、赤倉沢を渡るための仮橋がことごとく壊れており、沢を渡渉することなる。右沢が合流する地点を渡渉するあたりから雪渓となる。沢を渡る際、安定している雪渓を渡るが、ところどころで沢水の音がするためあまり、いい気持ちではない。やっとのことで、山に取り付いたところで一本取る。ブナ林の緑が朝日で眩しい。ここから、急斜面を登る。先行の日帰りパーティーを追い抜きたいが、荷物が重くその余裕がない。雪は、安定しており、凍ってもいないので歩きやすい。30分歩いては、30分休むペースでようやく叶の高手に到着。浅草岳をはじめ会越国境の山々が眼前に広がる。1382mピークは、登らず、南斜面をトラバースし、避難小屋に向かう。避難小屋に着くと天候のよさと昨晩の寝不足のせいか、眠気が襲ってきたので大休止をとる。山頂向けて出発。この急斜面の雪面が凍っていないかと出発前に心配であったが、杞憂に終わった。サクサクしてキックステップで安心して登って行く。山頂到着。目前に浅草岳。遠くは、燧ケ岳、至仏山、越後三山等々をはじめ、これから歩く南会津の山々が連なっている。その大きさに圧倒される。行けるのか?!
日帰りの先行パーティーとここで別れ、稜線を行く。幸か不幸か先行のトレースがある。雪庇を左手に気にかけながら歩いて行く。廃道と言っても、人の踏み跡は、けっこう残っていて外れないように歩く。しかし、藪が深く、踏み跡も見当たらないところもあり、体力的にも精神的にも負担を強いられる。1451mピークまで来るとようやく比較的広い尾根線に出る。
 大幽朝日が眼前にそびえる。昨日、今日の疲れがどっと襲う。瀬戸が1467mピークを過ぎたところで行動終了を提案。幕営となる。今晩は、早く寝て、明朝、早出しよう。14:45行動終了。テント設営後に飲んだビールが美味かった。19:00ころ消灯。
5月2日(日)天気 快晴
 あたりが、まだ暗いうちに起床。朝食の準備。次第に明るくなってくる。今日も晴天らしい。放射冷却で寒くなるかと心配したが、そんなことも無い。テント撤収。日の出を拝みながら出発準備。雪も凍ること無くサクサクとして歩きやすい。が、念のためアイゼンを着用。大幽朝日岳の残雪の尾根を登る。頂上までは、行かず、雪が切れたあたりから北斜面をトラバースする。西側尾根に取り付き、アイゼンを外す。尾根線は、しばらく薮こぎだ。なるべく、踏み跡からはずれないように歩くが、木々が覆い被さり、行く手を阻む。30分程格闘し、1442mピーク手前の鞍部で終了となる。疲れた。荷物が重いのでこたえる。大休止を取る。雪に覆われた丸山岳の尾根を登る。稜線に出ると、はるかに会津駒、燧ケ岳、至仏山等々が見える。まだまだ遠い。でも、その景色は、雄大で美しい。丸山岳山頂到達。これから、歩く雪を被った白い稜線が果てしも無く続くように感じる。それぐらいスケールの大きい景だ。
あまりのんびりもしていられないと気を引き締めなおして歩き始める。雪庇を気遣いながらも、藪こぎよりは、ずっと楽だ。鞍部とピークに達するごとに休みを取る。瀬戸は、眠気が来るたび、昼寝の時間を要求する。高幽山山頂でも昼寝をした。歩き始めてから8時間がたっているのだ。無理もないと自己弁護する。天候も暖かく風もほとんど無い。景色もいい。
 20分くらい寝ると起きてまた、歩き始める。 何度かそのようなことを繰り返した後、16:44坪入山ピーク手前(1754mピーク手前の鞍部)で足が動かなくなる。今日の目標の坪入山まで達することが出来なかったが、ここで幕営することとなる。1本のビールを二人で分け飲み干す。もう堪らなく美味い。この晩も夕飯後午後7時で消灯。少しばかり雲が出てきたのを気にしつつ、眠りについた。    
5月3日(月) 天気 曇り後晴れ
 4時を少し過ぎるとまずカケスが一声鳴き、ホーホケキョ、フィフィ、チチチと他の鳥が続き賑やかになる。今日は天気が崩れそうなので、今日中の下山を目指し、早めに崩れたら窓明山か三岩岳下山と相談して出発する。1750mpで坪入山から朝日が昇ってくる。出発するときは雲っていた天気も快晴となり、朝日に輝く山々がとても美しい。
 疲れているのでピッチは上がらないが周りの美しい山並みに助けられゆっくり進む。縦走のいいところは歩いただけ目的の山が大きくなっていくことでこれも励みになる。
窓明山を登っている先行パーティが見えたがこのパーティがつけたトレースに随分と助けられてしまった。感謝。彼らは窓明の登りにかかるところにテントを張ったようだ。
 坪入山まではセッピの張り出しが狭くてシュルンドがいたるところに口を空けているので注意深く樹林帯の縁を進んできたが、窓明からはセッピの張り出しも大きくて歩行も楽になる。ここからはスキーに最適な斜面がいたるところにある。安越又川の東沢が窓明山に突き上げる斜面はほんとにそそられる。三岩岳から北西面がミチドノ沢に降りる斜面などもなかなか。三岩岳、大戸沢岳の東面ももちろん。いつか滑ってみたいものだ。
三岩岳への、高度差250mの長い登りで風が強くなってきたので天気の崩れを心配したが大戸沢岳をすぎるとまた穏やかになる。3日間で会ったのは単独行の人二人だけだったが会津駒ヶ岳につくと急に賑やかになった。当初天気がよければ会津駒泊の予定だったが明日は確実に天気が崩れるので、疲れた体に鞭打って下山するが、この頃になると雲ってきて登山口近くでは雨が一瞬ではあるがパラついた。11時間を越す行動を終え、山口行きのバスに乗ったときは疲れも忘れ、今まで巡ってきた山々を思い出して二人でニコニコ頬がゆるみっぱなしでとっても幸せな気分にひたることができた。(M.M)

 
■概念図