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Fukushimatoukoukai HomePage
No.3827
東吾妻山 1974.7m三等三角点峰
山行種別 山スキー
ひがしあづまやま 地形図 中ノ沢、吾妻山、土湯温泉


■山行期間 2006年3月18日〜19日
■コースタイム 3月18日 蒲谷地(8:50)→林道ゲート(9:20)→井戸尻川林道(11:12)→東吾妻山(15:02,15:10)→雪洞(15:20)
3月19日 雪洞(8:05)→鳥子平(9:22,9:30)→高山(10:20,10:45)→林道(13:45)→不動湯分岐(14:15)
■写真
蒲谷地の簡易水道施設 カラマツ林の中の林道を登る 東吾妻山頂を目指す
山腹から見た磐梯山 東吾妻山頂から見た吾妻小富
バックは中吾妻山頂
東吾妻山での記念撮影 山頂下部に雪洞を掘る 翌朝、東吾妻山からの滑降は
快適な滑り
ツアーコースの標識 傾斜が緩くなってくると磐梯吾
妻スカイラインも近い
鳥子平でシールをつけなおす
高山のコースも標識はしっかり
ついている
高山への登り 反射板が見えれば高山の山頂
は、すぐそこ
高山の山頂で太陽が顔を出す 山の天気は変わりやすい 尾根伝いに適度な斜面が続く
最後の斜面を滑り降りる 林道に出たら雪を拾いながら
滑って行く
悪戦苦闘をしながら、ようやく
不動湯分岐に到着する

■行動記録
3月18日(土) 天候 晴れ後雪
 今年の春山合宿は蒲谷地から東吾妻を登って、高山越えのコースを企画した。18日朝、福島県庁の駐車場に集合してOくんの車に乗せてもらい蒲谷地の集落へと向かう。天気図からして好天は今日だけ、明日は雨を覚悟しての出発となった。
 国道115号線木地小屋から林道市沢線を通って大倉川を渡りレークラインに出たら右に折れたら再び大倉川の橋を渡り、次に左に折れて蒲谷地に入る。井戸尻川を渡ると、まもなく林道の分岐に着く。除雪は最後の人家があるここまで、車を駐めておくところはないので運転手役のOくんに感謝して車を福島に戻してもらう。
 シールをつけて登り始める。林道の入口には水場がある。歩き始めてすぐに蒲谷地の簡易水道の施設になっている。林道をしばらく登って行くと車の回転場所があり、地図上で道の切れる所にゲートがある。例年ならばすべて雪の中だろうが今年は確認することができる。林道はこの先も続いている。広い林道は小倉川に沿って登って行き、もう一本の林道は1137mピークの下を巻くように付いている。1137mピークの右の尾根から左にトラバースするように登っていき、1260m標高点のやせ尾根を右手下に見て現在地を確認する。
 井戸尻川から伸びている林道が横切る辺りは広い緩やかな尾根になっている。悪天時は注意したい。登りにかかる前に小休止を取る。ここらが、ちょうど東吾妻山への中間点となる。
 栂の林の中を登っていく。1605m標高点と1538m標高点を結ぶ緩やかな尾根に乗ったら左に折れる。1605mの尾根に乗って、後はひたすら東吾妻を目指して登っていく。14時50分、雪洞構築地点にザックをデポし、山頂を往復する。山頂からの眺めは最高で360度の大パノラマを満喫できる。吾妻小富士も一切経山も、すぐ目の前だ。予定の時間も過ぎているので、急いで雪洞構築地点へと戻る。適当な斜度を見つけて掘り始めるが、このところの暖気の影響か雪は硬く、中に氷板とざらめ雪が混在する相手の悪い雪質だった。2本のスノーソーを使っても雪洞構築に2時間を費やしてしまった。湿った細かい雪が降り出した。気温は低くなく、夜は快適に休めた。

3月19日(日) 天候 雪時々晴れ
 翌朝、雨に降られる覚悟をしていたが、表は雪が降っていた。低圧帯が夜半に通過してしまったのか、それとも東北南部をそれているのか、確かめようもないままに出発準備をする。寝坊をしてしまったこともあって出発が8時を回ってしまった。雪の中を滑り始める。クラストした斜面にうっすらと雪が積もり快適な滑りがはじまった。快調だったのも最初の斜面だけ、林間に入ると5cmほどのクラストした雪面の下は重たい湿雪で、スキーは思うに任せない。初心者もいるのでゆっくりと下る。悪戦苦闘しながらスカイラインに到着する。出た場所は鳥子平の入口で計算通りに降りることができた。
 鳥子平で吾妻小屋に泊まったパーティと出合う。顔なじみのメンバーなので話しも弾み小休止とする。ここから高山まではシールをつけて登り返しとなる。荷が重いこともあって途中で立ち休止して50分ほどで反射板のある高山山頂に到着する。風は強い。冬型の気圧配置になったようだ。東斜面に降りて小休止を取りワックスを塗って滑降の準備にかかる。一瞬晴れ間が見え、安達太良山が綺麗に顔を出す。しかし積雲がどっかりと目の前に鎮座する。
 山頂から左斜面をトラバースしながら滑り降りる。少し林に入って高度を下げてから再び1624mの尾根に戻り麦平を目指す。先行パーティが麦平には降りずにトラバースして1458mの尾根に取り付いているので、私たちもそのコースに入った。確かに麦平に降りてから平坦地への登り返しをしない分、楽なようである。後は的場川へは誤って降りなければ迷うところも無い。ツアーコースは尾根伝で、標識もしっかり付いているので心配ない。ふんどしの下りを横滑りで下降し、今年は藪も苦にならなかったので左の斜面をトラバースせずに、尾根通しに標識に導かれて快適に滑ることができた。最後の1024.7m三角点峰に登り返し小休止、暖かいコーヒーでのんびりした後、最後の斜面を一滑りする。直角に折れて登山道を林道まで進み今日の滑りは終わりになる。
 林道は何カ所か雪が切れてスキーを担いだが、ざらめ雪のため苦労しないで不動湯分岐まで滑ることができた。14時15分、メンバーと雪質の割には、あまり遅くならないうちに降りることができた。それにしても、スキーを履いて歩くこともままならなかったメンバーが2年も経たないうちに重い荷を背負って滑ってくるのだから、本当に感心してしまう。参考までに、このコースは雪質が良くてメンバーの足並みがそろっていれば、時間は、この半分もかからないで降りることができると思う。(I.I)

 
■概念図


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