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Fukushimatoukoukai HomePage
No.3690
吾妻山・高山
山行種別 山スキー
あづまやま・たかやま 地形図 板谷、吾妻山、土湯温泉


■山行期間 2005年2月26日〜27日
■コースタイム 2月26日 福島(7:30)=あづまスキー場(8:30)→リフト終点(9:25)→吾妻慶応山荘分岐(10:35)→五色沼(11:40)→1928mピーク付近(13:00)→吾妻小屋(14:20)小屋泊
2月27日 吾妻小屋(7:15)→東吾妻山(9:10)→鳥小平(9:55)→高山(10:40)→林道出合(13:00)→林道終点不動湯分岐(13:30)=土湯温泉=福島
■写真
あづまスキー場終点から登り
始める
慶応山荘分岐手前の登り 五色沼手前、強風の中を登る
五色沼脇・通称玄界灘をスキ
ーを外して歩く
五色沼はいつも風が強い ようやくスキーを履き、1928m
ピークを目指す
一切経をバックにまだまだ元
気なメンバー
1928mピークからの滑りは、視
界が良くなかった
酢ヶ平避難小屋
蓬莱山の東斜面の滑り 正面は桶沼、吾妻小屋はこの
裏側になる
東吾妻山に向かう前に、吾妻
小屋で記念写真
姥ヶ原付近を快調に登る 東吾妻の登りは樹林が濃くな
ると傾斜もきつくなる
東吾妻山頂は風が強く雪が付
いていない
東吾妻のハイライト・新雪の大
斜面を滑り出す
鳥子平から東吾妻方面を望む 登りももうすぐ終わり、目の前
は高山の反射板
新雪もモナカ状態だと滑りにく
緩斜面の樹林帯も快適に滑れ
南側の雪庇に注意しながら細
い稜線を歩く

■行動記録
2月26日
 厳冬期のパウダースノーを存分に味わえることを期待して、山小屋泊で東吾妻山と高山に登りそして滑る計画だ。県外からの駆けつけたメンバーも含めて総勢10名が集まった。集合場所から見上げる吾妻山には雲がかかっている。寒気が入っているとのことで、冬型の厳しい天候が予想される。運転開始とともにリフトに乗れるよう高湯へと車を走らせる。
 ガスっぽかったが山スキーヤーのために運行してくれたリフトを乗り継いでスキー場上部に一番乗り。シールを装着して平坦な針葉樹林帯に分け入る。慶応山荘の緑布が短い間隔で付けられていて道がわかりやすかった。予想外に天候は穏やかで時折晴れ間も覗き、樹林帯の中は風もない。ラッセルは深くても膝下で、ほどよく新雪が積もっている。人数が多いためペースはやや遅いが、ラッセルの負担は小さく、実に快適な登り出し。
 慶応山荘への分岐点を過ぎて間もなく大根森の尾根に取り付く。小休止を入れつつ大根森南の鞍部に突き上げ、稜線上を五色沼に向かうが、さすがに風が冷たい。五色沼の周囲は吹き付ける強風で雪が着いていない部分があり2回スキーを担いだが、今日は人を張り倒すような風ではない。
 一切経山の西にある1928mピーク付近まで登ったらシールを外し、いざ滑降。酸ヶ平小屋までの斜面はクラストと新雪が混じっていてコントロールしづらい。せっかく汗水たらして登ってきたのに思うように滑れずフラストレーションの溜まったメンバーもいたようだ。登高後の滑降の一回性とそれがゆえの気持ちの昂ぶり、山スキーの醍醐味の一つだと思う。小屋を過ぎて南東方向にもうひと滑りし、浄土平に出る。桶沼は北側から巻いたが、斜面を登るのに苦労した。最後に一汗かいて吾妻小屋に到着。
 最初は小屋に管理人の遠藤さんしかいなかったが、すぐにどんどんと来客し、二十数名が宿泊した。埼玉県のパーティーからラッセルのお礼にとお好み焼きをいただくなど楽しい交流もあり、賑やかに夜が更けていく。担ぎ上げた甲斐あってお腹いっぱいの夕飯を食らい、ストーブと布団でぬくぬくの寝床にもぐりこんで、心地よい眠りに就いた。

2月27日
 まだ明けやらぬうちに起床。眠り足りない顔をした人もいるが、早めに朝食と出発の準備をする。遠藤さんに写真を撮ってもらってから出発。昨日と同じように陽の射すこともあるまずまずの天気だった。高気圧が接近してきているはずで、大きく崩れる心配はなさそうだ。
 まずは東吾妻山に登る。右手に沢を見ながら北東斜面に向かう。先に山小屋を発ったパーティーを、一番乗りは譲れないとばかりに途中で追い越す。東吾妻山頂は風が強く、気温は氷点下10度以下で風が当たる指先がかじかむ。滑る準備を終えた頃に先程のパーティーが登頂してきたので、慌て気味にまだトレースのついていない南東の大斜面へ移動する。雪はふかふかで軽く最高の状態だった。素直にフォールラインに落ちていける斜面で滑り応えがある。それぞれにシュプールを描きながら皆一様に笑顔で鳥小平に降りる。
 高山は、吾妻小屋から直接向かったパーティーのトレースを辿り、快調に登る。南の尾根を右手にして滑る開けた斜面だが、片斜面のためか東吾妻山のほうが面白かった。1500mあたりから北東に進路をとり、顕著な尾根を探す。夏道の看板も参考にするとよい。尾根に乗ってからはひたすらその上を東に進む。左右に狭いものの所々滑りを楽しむことができ、最後まで飽きないコースだ。今年の冬は雪が多いようで、出ている薮が少なく滑りやすかった。小さな鞍部を超えて間もなくルートは左に曲がり、最後のひと滑りを楽しむと右に折れ、程なく林道に出る。この時期林道はまだ圧雪されておらず、最後の林道歩きは長く感じた。舗装路まで下ると高山から連絡をしておいたYさんが車で迎えに来ていてくれた。
 余裕のある計画で2日間とも無理のない山行でパウダースノーの大斜面を味わうことができた。天候や雪質に恵まれたおかげだが、冬山の縦走と滑降を初心者も楽しめるなかなかのコースだった。(J.M)

 
■概念図


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