前日に福島を発ち玉川温泉まで5時間近くかかった。道路の脇にテントを張って仮眠をとるが、朝起きても眠気がとれない。こんな時は歩いて体を目覚めさせるに限る。
国道341号線の叫沢に架かる橋の所から尾根に取り付く。雪に覆われた一段上の道まで登ると緩やかな尾根になる。そう濃くない灌木をしばらく登っていくと焼山のピークが見える。ブナ林に入ると古いツアーコースの丸い標識が出てくる。標識は尾根上に付いている。尾根を忠実に登っていく。
広葉樹林帯にオオシラビソが混在してくると山頂も近い。樹林帯を抜けると焼山のピークが目の前に見える。急坂をひとしきり登り、右の尾根に取り付く。取り付いて見ると尾根は大変広く、早めに右の尾根に上がった方が楽に登れる。すぐに焼山の広い山頂に着く。天気が良いこともあって山頂からの見晴らしは素晴らしい。森吉山も間近に見える。足下の火口湖も美しい。
シールを外して滑降を開始する。東側は素晴らしい大斜面が続く、地形図からすれば標高1000m付近まで滑ってから右の尾根に戻れは行けそうな気もするが、初めての山なので登ってきたコースを戻ることにする。斜面を少し滑ってから右に折れ、登ってきた尾根に戻る。
樹林帯に入るが樹間もほどほど空いているので快適に飛ばす。ブナ林を通り、灌木帯になると傾斜は緩くなる。振り返ると焼山のピークがよく見える。遠くに感じるが登り1時間半、下り30分のショートコースだ。あっという間に国道に降り立つ。車にスキーを積み込み、次の目的地の八幡平に向かう。短いコースだが滑りは楽しめた。(I.I)
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