およそ20年ぶりのJR峠駅はスイッチバック廃止に伴い、ホームの位置が変わっていた。駅はずれのツアーコース入り口はフェンスで囲われ、手前の法面から入ってゆく。歩きやすい右岸の杉林を進み、沢が深くなる頃から尾根近くまで登ると、ツアーコースが現れる。気温は低いが風もなくツアーには最高のコンデションだ。登ってゆくと、右手の沢が消えて、杉林に入る。ここを登りつめるとダケカンバなどの疎林の尾根になる。登るにしたがい尾根がやせてきて、雪庇が張り出してくる。樹木と雪庇の境の狭い尾根筋をつめてゆく。天気もだんだんよくなり、栗子の山々が連なって見える。目的の栂森もだんだん近づいてくる。左には滑川温泉も見える。2人のパーティが追いつき、追い越してゆく。かなりはやいペースで登っていった。1150m位の2つ目のピークからの斜面は雪が切れていて、シールで押さえるようにして通過し、滑り降りる。このコルで小休止。このあたりから天気が良くなり、青空に霧氷が映える。やがて左からの尾根に合流して、右に折れるように登ってゆく。今度は大滝の氷爆が見えた。青空の下、平坦な尾根で小休止。急斜面を登りつめると小栂森で、コルで再び小休止。天気がよくて、のんびりと写真を撮ったり、20年前より体力が落ちているためか1時間ほどペースが遅れている。ここからトラバースして栂森の山頂に向かう。途中無立木の斜面があり、少し緊張したが、間隔をとりながら無事通過してトラバースを終える。このあたりから青空が消え、雪がちらつく。最後の登りは緩やかだが、思ったよりも長い。
13時、ようやく栂森に到着、記念写真を撮り、シールをはずし、下山にかかる。山頂からの尾根の北側に沿って滑ってゆく。最初は藪が濃くて躊躇したが、下るにしたがい快適な滑りを楽しめた。少し下ると標識が現れる。滑りやすい沢を滑り、砂盛りの東を通過して、右岸の台地に上がる。天元台からの大沢下りの人たちも合流してくる。米沢山の会のメンバーは、10数人いるようだ。昨日は若女平、今日が大沢、そして明日が栂森だという。雪質がいいので、思い思いに滑る。大小屋川の橋を渡り、植林地に入ったところから左に折れると牧場にでる。広い雪原を楽しんで、再び林道へ。雪は充分にあるので、最後まで楽しむことができた。林道から右に折れ、電車の時間があるので大沢スキー場にでてみる。大沢駅に到着し、楽しみの酒を買いにでてみたが、以前あった酒屋はなくなっていた。自販機もなく、重い足を引きずるように駅に戻る。 5時7分、電車に乗り込み、福島へ。20年ぶりの栂森は変わってはいなかったが、確実に遠くなっていた。でも・・・・やっぱりよかった。(K.K) |