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No6059
飯豊・本社ノ沢
飯豊本山 2105.2m一等三角点峰
山行種別    山スキー
いいで・おむろのさわ 地形図

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山行期間 2019年4月29日(月)
コースタイム
大日杉登山口(4:32)→御田(5:40)→地蔵岳(6:50,7:10)→大又沢(7:22)→本社ノ沢出合(7:34,7:40)→左岸尾根取り付き(8:20)→東尾根(9:00→9:10)→本山小屋(10:07)→飯豊本山(10:23)→本山小屋(10:35,11:00)→左俣滑降(11:08)→二俣(11:23)→本社ノ沢出合(11:30,11:41)→地蔵岳肩(13:00,13:10)→ザンゲ坂(13:54)→大日杉登山口(14:07)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
大日杉小屋を出発する 地蔵岳にあがると主稜線が見える これから大又沢へと下る
大又沢は一部口を開けている 本社ノ沢を登る 左岸の尾根へ向かって枝沢に入って高度を上げる
上部のオープンバーン 尾根に乗った 本山小屋が見えてきた
最後の登りを頑張る 本山小屋に着く 飯豊山の山頂
本山小屋へと戻る 大又沢と本社ノ沢の間の尾根から滑り出す 本社ノ沢左俣へと滑り込む
滑り出しは最高のザラメ雪 あっと言う間に高度を下げる シュプールを振り返って見た
大きなブロックが転がっている ここまで来ると大又沢との出合は近い シール装着し大又沢の開いたとこは右岸を巻いた
思ったよりも雪は豊富で危険は感じなかった 地蔵岳への登り返し途中で本山と滑った本社ノ沢を振り返る 地蔵岳はトラバースする
何とか雪を繋いで標高900mまで滑った ザンゲ坂もスキーで下った 行動時間9時間30分を費やし大日杉小屋へ戻る

行動記録
 念願だった本社ノ沢に今回ようやく行くことができた。雪を纏う飯豊山は自宅からいつも見ているが近くて遠い山だ。熊○さんや他の方々の記録を読んでずっと行きたいと思っていたが、今まで日程が合わず行けずにいた。連れて行ってもらうのを待つだけではいつまでも行けないままだ。しかし自分だけで行けるだろうか、不安は大きかった。昨シーズン辺りから自分で計画を立てて山スキーに行くことが増えた。先輩方の今までの指導のお陰で自分的には満足の出来る山行を行えていた。その積み重ねと、先輩達の後押しを受けて本社ノ沢を計画してみることにした。行くならもちろん天候が安定している日、アプローチも含めこのルートを行くならば例年ゴールデンウィーク辺りが最適だ。シフト制の私にはもちろんゴールデンウィークの連休などはないので、やるとすれば通常の仕事の隙間に行くしかないのだ。これまでも夜勤前に山に行くこともあったが、何かあれば周りに迷惑をかけてしまうし、たまに出勤ギリギリでひやひやする時もある。今日も仕事の合間を縫って、誘いに乗ってくれた西○さんと本社ノ沢を滑ることにした。
 2日前に大日杉登山口まで下見に来て、ゲートはあるものの車を乗り入れることが可能なのは確認しておいた。仕事を終え2時間程仮眠を取ってから駐車場へ向かった。大日杉までは夜ならば自宅から2時間もかからず比較的近い距離にある。同行の西○さんは私の伝達不足で道を間違えたようだ。喜多方側からは道路は除雪されていないので迂回する必要がある。幸い待ち合わせを早めていたので準備を整え4時半過ぎには行動開始できた。周りは出発する頃には明るくなり駐車場には私たちの車を含めて10台程あった。
 登山口から雪はあったがスキーを背負ってザンゲ坂を登り、尾根に雪が出てきてシール登高出来るまではシートラで行く。尾根上の残雪が多いと聞いていたので兼用靴のままで登るとこにした。ザンゲ坂の上部の雪はカチカチでブーツを蹴り込みながら直登した。まだ雲は多いが日中は快晴予報で、動いてると暑い。御田手前からシール登高へ切り替える。だまし地蔵は左側から巻いた。早くからシールに切り替えられたので体力を削らずに済んだ。地蔵岳ピークで大休憩。これから大又沢へ向かって400m高度を落とす。
 地蔵岳から少し滑ってから枝沢を滑降する。バーンは日影になっていて硬いが縦溝がなくフラットだ。とはいえ滑るとガリガリとなかなかいい音を立ててくれる。大又沢へ着くとすぐ沢が開いている場所になる。両岸にトレースが見えたがセオリー通り?に右岸をトラバースした。落ちたら嫌なので初めからシール+クトーで安全に行った。本社ノ沢出合で泊まり装備のパーティと合った。昨日は地蔵岳辺りでテント泊とのこと。本社ノ沢の沢床は僅かにうねりがあるように感じたが安定している。少し休憩して登りにかかる。
 山頂から延びる東尾根に上がるために枝沢を登る、無風快晴で気温はぐんぐん上昇し、グサグサ雪だ。左端からは小さなブロックが落ちてゴロゴロと雪を巻き込んで大きくなって転がってくる。こちらに向かってくるときもありなんだか嫌な感じだった。ここは立ち止まらず一気に尾根へ上がった。斜度が出てきても重雪のため快適にあがることが出来た。
 ここでまた大休憩、尾根上はフィルムクラストしていてかなり良さげな感じ。ここから尾根上を登るが、本社ノ沢の右俣が見える。一昨日の降雪のためだろう真っ白なバーンだ。あとは本山小屋まで標高差400m、尾根をゆるゆると登っていく。本山小屋には10時07分に到着、時間もあるので空身になってスキーを履いたまま山頂往復をする。山頂に立てる山スキーの行程は最高に楽しい。持ってきたコーラで乾杯した。本山小屋へ戻ると加○○さんたちがいたので長めの休憩をとった。加○○さんたちは正月山行の食糧などが沢山残ってるとかで切合小屋ベースで滑っているらしい。
 本山小屋で11時まで休み、いよいよ本社ノ沢の滑降に移る。下りは左俣を選択、滑り初めは最高のザラメだったがしばらくして重雪となった。それでも素晴らしい景色でテンションが上がり多少の滑りにくさは気にならなかった。右俣との出合まで下がってくると大きいブロックが転がってるのが目立つようになる。いやらしいので止まらず大又沢の出合まで滑りきった。
 ここから再びシール装着し大又沢の開いたとこは右岸を巻いて通過した。地蔵岳への登り返しは往路を辿る。ここが無風でとにかく暑かった。西○さんは途中暑さにやられたようだったが、何とか地蔵岳手前で息を吹き替えした。振り返ると自分達のシュプールが見えた。これは確かに感動だった。本山を振り返ると切合小屋までのトラバース道がはっきり見えた。
 次に地蔵岳のピークは登らずに斜面をトラバースし尾根を下ることにした。途中、クラックはあったが素早く通過で問題なし。そのまま尾根を標高900mより下まで快適に滑ることが出来た。
 ザンゲ坂まで20分程度は板を担いだ。ザンゲ坂の上部は一部鎖が出ていたが、雪は繋がっているのでザンゲ坂を滑り降り、雪は登山口まで十分残っているので、ここも滑ってしまうことにした。14時07分、大日杉登山口に到着。沢で板とブーツを洗って山行を終了した。帰りに白川荘で温泉に入り、仮眠を取ってから仕事へ向かった。
 今回の本社ノ沢は、自分が予想していたより条件が良かった。今回の山行では慎重に行動したこともあってペースをあげられなかったが、標高差が大きいルートはペースを押さえればそれほど疲れなことがわかった。余力を残せたことで色々考えながら行動できたし、初めての本社ノ沢を楽しいものにできた。やはり実際に行ってみなければわからない。シーズン中に何度も訪れたいほどに楽なコースではないが、これからもその時その時の状況を冷静に判断できるように経験を積みながらまた訪れてみたい。(理)

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傾斜量区分図(雪崩)

トラック 往路=赤 復路=青

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