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No5501
吾妻山県境尾根縦走
山行種別 山スキー
あづまやまけんきょうおねじゅうそう 地形図

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山行期間 2017年3月18日(土)~19日(日)
コースタイム
3月18日 天元台湯元駅(9:20,9:40)=リフト終点(10:34,10:43)→人形石(11:28)→藤十郎(11:58)→昼食(12:08,12:24)→東大巓(13:00)→兜山(13:27)→雪洞設営地(13:43
3月 19日 雪洞(7:10)→昭元山・烏帽子山コル(7:38)→烏帽子山・ニセ烏帽子山コル(8:30)→家形山(10:23,10:40)→慶応吾妻山荘(11:15,12:02)→山鳥山(12:35)→高湯温泉(13:25)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
中大巓の斜面を登る 人形石へ向かう 人形石
縦走ルートが一望できる 弥兵衛平へ 古いツアー標識
吾妻の山々
東大巓を巻く 兜山トラバースルートのプレート 雪洞を掘る
雪洞での食事 2日目の出発 烏帽子山
尾根を辿る 家形山に着くと一切経山が正面に見える 一切経山と五色沼
家形山東斜面 五色沼コルには雪が付かない 大岩下より福島市街を望む
雪に埋もれた慶応吾妻山荘 吾妻スキー場跡を滑る 高湯温泉に到着

行動記録
3月18日 晴れ
 3月は会恒例の縦走合宿だ。吾妻連峰を雪洞泊りで、天元台から高湯温泉まで縦走するのが定番になっている。今年は5人パーティーだが、雪洞未経験の若者2人(O島・K澤)の訓練が主目的の合宿となった。軽量テントの普及などもあり、雪洞利用を前提とした縦走は少なくなっているようだ。しかし、積雪期は山スキーを主な活動としている我々にとって、雪洞技術は身につけておかなければならない重要な技術のひとつである。やむを得ずビバークしなければならなくなった時に、雪洞を掘ってしのげるか否かが命を左右することにもなる。そんな状況に至らないのが最善ではあるが、雪山を歩く者は当然にして備えておくべきだろう。そんなわけで自分としては4回目の吾妻連峰雪洞縦走へと向かった。
 天元台のロープウェイ湯元駅で福島発の本体と合流する。連係ミスもあって少々もたつきながらもゲレンデトップに到着。今回の縦走では風が強いとの予報だったので少々心配していた。しかし、快晴の上に風も殆どないという好条件で嬉しくなる。シールを貼って登り中大巓の山頂をかすめて人形石へ。これから辿る縦走ルートの稜線が一望できる素晴らしい景観だが、これも晴れていればこそだ。ガスれば平坦な尾根はコンパスとGPSに頼りきりの行程となる。今日はそんな心配はないが、ある意味で訓練の機会がなくなったとも言える。藤十郎を過ぎて弥兵衛平へ進み途中で昼食を取る。古いツアー標識があるのでルートの目印となるが、ガスっていれば見つけるのは困難だ。
 左に小さく避難小屋の明月荘を見ながら東大巓山頂の北側を巻く。東大巓からいったん下って兜山のピーク南側をトラバースして巻く。なぜかこのトラバースルートには目印となる黄色のプレートがある。コルへ降りて昭元山の北斜面へ入りかけると見覚えのある地形が現れた。ここが雪洞予定地だが予定より早めに到着することができた。濡れ防止にゴム手袋とカッパズボンを装着して掘り始める。中の方の雪もそれほど固くないので順調に掘り進む。作成時間2時間10分で中のスペースが1.8m×3mくらいの雪洞が完成。小物やロウソクの棚も作り5人とザックが十分納まる大きさだ。ガソリンストーブで温かい食事を作り酒を飲む。雪洞内の温度は外がどんなに寒くてもほぼ0℃を維持する。厳冬期はテントよりずっと温かいのだが、その代わりいくらストーブを焚いても数度にしか上がらない。雪が溶けて熱を吸収してしまうからだ。自分はなんとマットを忘れてしまったので上半身の下にザックを敷くことにした。しかもシュラフはスリーシーズン用なので、マットなしは少々厳しいかと思ったが仕方ない。ホッカイロを2枚貼って寝ることにした。
3月19日 晴れ
 夜中に風で入り口のシートが捲れたのを1度直した程度で、天井が下がってくることもなく朝を迎えた。結局それほど寒いとも感じずに朝までぐっすり寝ることができた。朝食を済ませて出発する。うす曇りだが風もなく穏やかなツアー日和だ。斜面には夜の間に20センチほどの新雪が積もっている。昭元山の北斜面をトラバースして烏帽子山とのコルに出る。少し登って今度は烏帽子山の南斜面をトラバースして尾根に出る。次のニセ烏帽子山は山頂部に雪庇が発達しているので、南斜面を少しトラバースした方が良い。しばらく尾根を辿って家形山の斜面へ取り付く。登っていくとやがて斜度が緩み、進路を南東に取ると家形山の山頂近くに出る。天気が良く眼前の一切経山と五色沼が眩しいほどだ。シールを剝がして家形山の急斜面を五色沼まで滑り降り、コルから大岩までは雪が付いていないのでスキーを担いで歩く。
 大岩から滑り始めると地元のM崎さんが単独で登ってきたので挨拶をする。大根森の手前から沢を滑り降りて慶応吾妻山荘に到着。豊富な雪に小屋の1階部分は埋もれている。ちょうどいい時間なので、管理人の大柿さんに挨拶がてら昼食を取らせてもらうことにした。大柿さんによると今年の吾妻山は15年ぶりくらいの大雪なのだという。大柿さんが言うのだから間違いないだろう。帰路は山鳥山から吾妻スキー場跡に入って滑った。重くなってきた雪にスキー板が走らないのにちょっとがっかり。終着点の高湯温泉まできっちり滑り降りることができたが、この時期としてはこれまでで初めてのことだ。やはり今年は雪が多いのだ。1時間ほど待って14時30分のバスに乗り福島市街へ下りる。帰宅するO島に便乗して寄り道してもらい、天元台の車を回収すると温泉で汗を流してから帰宅した。(K.Ku)

概念図
トラック 1日目=赤 2日目=青
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平28情複、 第162号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。

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