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No5286
吾妻山・五色温泉
山行種別 山スキー
あづまやま・ごしきおんせん 地形図

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山行期間 2016年3月12日(土)
コースタイム 五色温泉(9:37)→コル(10:17)→四郎右ェ門沢(11:28)→蟹ヶ沢右俣(12:37,13:12)→四郎右ェ門沢(15:09)→コル(16:43)→五色温泉(16:55)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
五色温泉がツアー起点 米沢市のツアー標識 これは夏道の標識
ルートを確認しながら歩く この丸いのもツアー標識だ 右手には高倉山
ニッポンビールのツアー標識 鉄板で作られた「沼−五」 のツアー標識 蟹ヶ沢右俣は穴が開いていた
家形山避難小屋を目指す単独男性 最後に少し滑ることが出来る 五色スキー場跡

行動記録
 現在でも吾妻山にはスキーツアールートがいくつもあるが、昔はさらに多くのルートが存在し、盛んに歩かれていたようだ。五色温泉から沼尻温泉までのルートもそのひとつで、全国的にも有名であったという。奥羽本線峠駅から五色温泉を起点として、青木小屋(現在の東海大緑樹山荘)〜家形山(五色沼)〜浄土平〜幕川温泉〜沼尻というようなルートであったようだ。あの百名山の深田久弥も昭和14年の1月に五色〜沼尻間を歩いているという。しかし、今は時代も変わって歩く人もまれになり、ほとんど忘れ去られたルートであると言っていいだろう。しかし、埋もれさせてしまうのは惜しいということもあり、福島登高会では今でも時折歩いている。とはいえ五色から沼尻まで通して歩くのは長距離になるので、ルートの一部である五色温泉から家形山の間を主に歩いている。今回は五色温泉から家形山の手前にある東海大緑樹山荘を目指した。
 五色温泉手前の駐車スペースに車を置く。隣に単独男性がいてスキー縦走らしい準備をしている。準備が出来た我々は4人は先に歩き出す。五色温泉を右から回り込むように登っていく。珍しいことに2人くらいと思われる先行者のトレースがある。そのトレースはコルまで続いていたが、そこから先は左へと逸れていった。ルート上には所々に古いツアー標識が残っている。それらを確認しながら歩いていくのも今日の調査山行の目的だ。このツアー標識は米沢市が設置したものや、サッポロビールの前身であるニッポンビールと表記されているものがある。いずれもかなり古いものだが、ニッポンビールのものはサッポロビールへ社名を変更したのが昭和39年1月であることから、少なくとも52年以上前のものであることがわかる。
 東海大緑樹山荘までは何本か沢を越えることになる。例年なら埋まっていて楽に越せる沢も、今年は雪が少なく口を開けていたりして勝手が違うところもあった。概ね当時のルートと思われるところをなぞって歩くと、会長が2年前に付けた赤布もしっかり残っていた。今日の予定は東海大緑樹山荘までなので、蟹ヶ沢右俣の沢を渡ることになる。しかし、沢は大きく口を開けていて、いつもの斜面を降りて渡ることが出来ない。偵察すると上流から回り込めば渡れそうだが、もう昼も過ぎたし帰路の登り返しもあるので、今日はここまでにすることにした。休憩しているとほどなく単独男性が大きなザックで追いついてきた。聞くと家形山避難小屋泊のピストンなのだという。よくこんなルートを歩こうと思ったねと問うと、前から気になっていて今回やっと実行したのだという。男性は壮年というにはまだ早い年齢のように見え、その風体は今流行りのバックカントリー風ではなく、いかにも山屋という感じである。山スキーの金具もジルブレッタで地図とコンパスを首からぶら下げている。こんなルートを歩く人がいることに嬉しくなってしまった。東海大緑樹山荘は近いということと沢の渡り方をアドバイスして彼を見送ると、しっかりとした足取りで斜面の下へ消えていった。さて我々は引き返すとしよう。復路はシールを剥がす。往路と復路では見える標識も違うので、復路も標識を確認しながら歩く。五色温泉〜東海大緑樹山荘間はほとんどが歩きだが、コルから五色温泉までは滑ることが出来る。尾根から急斜面を五色スキー場跡へと滑り降り、今日の調査山行を終了した。(K.Ku)

概念図


ルート

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