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No4745.
蔵王・南屏風岳
1810mピーク
山行種別 山スキー
ざおう・みなみびょうぶだけ 地形図

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山行期間 2013年3月16日(土)
コースタイム 白石スキー場(6:17)→ゲレンデトップ(6:50)→不忘山トラバース(8:43,9:07)→1700m地点(9:22,9:57)→トラバース開始(10:02)→1680m地点より滑降開始(10:37)→権現沢出合(10:57)→白石スキー場(11:28)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
朝焼けに染まる南蔵王 ゲレンデはあちこち地面が見えてい 不忘山もご機嫌な様子
徐々に斜度が増してくる 東尾根を登る 太平洋まで見えている
どっしりとした姿の南屏風 コルを目指して点線ラインでトラバースする 左から安達太良・吾妻・飯豊の素晴らしい眺め
トラバース地点へと向かう 遅れてKさんが登ってきた ここからコガ沢へと滑り込む
南屏風の壁にシュプールを刻む Kさんも調子が上がってきた 自分の滑り
Yさんは華麗に滑る 振り返り見る南屏風 コガ沢へと滑り込む
 ハーフパイプのようだ 沢の大穴をトラバースでクリアする 第3リフトの前に出た

行動記録
 条件が良ければ南屏風か北屏風かと思っていたところ、ちょうどYさんが南屏風に行くのを聞きつけて便乗することにした。南屏風は昨年4月に滑っているが、その時より1ヶ月早い時期なので、昨年と比較し斜面や沢の状況など興味深いところである。
 白石スキー場のゲレンデはあちこち土が見えていて、この週末で営業終了という感じ。まだ朝早いのでカリカリに凍っているゲレンデを登る。歩みは早く33分でAコースゲレンデトップ脇からブッシュに突っ込む。枝をかわしながら徐々に開けた斜面へと。今日は視界がクリアーで、左手には安達太良と吾妻の山々がよく見える。特に吾妻は先週縦走したばかりであり感慨深い。斜度が出てくると凍った斜面は滑るようになる。Yさん・kaさんはスキーアイゼンを装着。こちらもと言いたいところだが、明日は必要だねとKさんと話していたにもかかわらず2人とも忘れるという失態。それでも何とかジグを切りながら東尾根まで登り上げた。Kさんは途中で諦めてスキーを担いでツボ足で登ってくるが、だいぶ遅れているのでスキーアイゼン組には先行してもらう。東尾根でKさんと合流する。ここからはKさんもスキーで登る。
 尾根に出ると風がかなり強い。先行した2人を見ると、風でkaさんが倒され、その先ではYさんが10mほど落とされた。今日は風との闘いになるようだと気を引き締める。南屏風へは不忘山頂を経由せず、標高1660mの水平トラバースで、直接不忘山とアイハギの峰のコルを目指す。効率的なルートだがこれがかなりしょっぱい。不忘山の北斜面はカリカリのアイスバーンで、斜度35度の急斜面が300m下まで一気に落ちている。東尾根を登りながら見ると、先行する2人が今まさにトラバースしていて、やがて回り込んで消えた。10分ほど遅れてこちらもトラバースを始める。エッジを外せばかなり落ちる(要するに滑落だ)だろうから、一歩一歩慎重に歩く。この状況では、スキーアイゼンがあったとしても少しましな程度。スキーのエッジが命だ。手のひらに汗がじわっと出てくる。Kさんも続いてくるが、さほど進まないうちに進めなくなったようだ。ツボ足で尾根を来るように伝え、こちらはまた進み始める。集中を切らさないようにすることが肝心だ。やっとコルに到着しホッと一息をつく。
 このトラバースは直接コルに出るので効率的だが滑落のリスクもあるので、安易に踏み込まないようにしたい。進退窮まる可能性もある。
 先行していた2人がアイハギの峰から降りてくる。稜線を南屏風岳へ向かおうとしたが、風が強く飛ばされそうになり撤退してきたのだという。今日は南屏風岳からの滑降は諦めることとなった。壁をトラバースしてコガ沢源頭へ向かうという2人が先行するのを見送る。こちらは不忘山頂を越えて登ってくるKさんを待ち、ゆっくり行くことにする。1700m地点でKさんを待って合流。少し登ってから壁のトラバース開始。
 回り込んだ風が背中を押すので、水平なのにスキーが走るのには驚いた。途中の尾根でKさんを待つが、少しバテ気味なのかKさんがなかなか来ない。立っていると風で飛ばされそうで寒いので、斜面に寝て南屏風の壁など見ていると、自分が今、数年前は考えもしなかったような場所にいることが不思議に思えてくる。Kさんが追いついてきてトラバースを続ける。先行の2人のトレースも、ガリガリのバーンには浅くしか付かず途切れがちだ。痺れるトラバースを続け、南屏風岳直下の斜面まで来た。1680m地点より滑降を開始することにした。
 ずっと下まで見えるのでかなり急に感じるが、おそらく30数度だろう斜面を滑り始める。初めはガリガリで、やがてウインドパックとガリガリのミックスバーンに変わる。斜面の変化に合わせて無事壁の下部まで滑りきる。Kさんも滑降となると息を吹き返したかのように滑り降りてきた。壁を見上げると、途中からだったとはいえ滑ることのできた満足感に浸る。ここからはコガ沢を忠実に滑ることになる。狭い沢はまるでハーフパイプのようだ。所々にある滝も埋まっていて、まるでジェットコースターのアトラクション。権現沢の出合いも難なく通過。しかしコガ沢の滑降には注意しなければならない。1130m辺りで先が見えない右カーブを回り込むと、沢に大穴が開いていた。漫然と滑っていると穴に落ちることもあり得る。そこから下はあちこち穴が開き始める。先行する2人のトレースも、右岸の斜面に上がって続いている。雪も緩んできてシャーベットになってきた。
 斜面をトラバースして下降中に携帯に連絡が入る。仕事の呼び出しだ。1時間後に着くと応えて先を急ぐ。標高950m辺りで右岸斜面の斜度が緩むので、スキー場へと向けてトラバースする。緩斜面なのでシールを付けずに階段登高で登りスキー場に出た。薄くなったゲレンデの雪を惜しむかのように、それなりにスキー客がいる。ひと滑りでセンターハウスに着くとスキーを外した。昨年は時期的に遅かったと感じた南屏風滑降だが、それより1ヶ月早い今年もあまり印象としては変わらなかった。やはり今年は雪が少ないことも影響しているのだろうか。寒気が戻り、雪がもうひと降りしてくれればまた滑りたいものだ。先行した2人は10:20頃にスキー場に到着したという。いやはやなんとも、蔵王を知り尽くした2人ならではだ。
 ところで、コガ沢滑降中に雪のブロックに引っかけ転倒した。結構勢いよく転倒して、イタタタと起きあがったのだが、何やら左のビンディングのスキーブレーキが変な形になっているのに気付いた。よく見るとプラスチック部分が割れて欠けているではないか。試してみるとブーツの固定には支障がないようで、その後の滑降にも問題は無かった。しかしこのままで使用することは、山スキーの場合特に危険だろう。ということで、1月の破損に続き、短期間で2つの山スキービンディング(ディアミール)が壊れるという、世にも珍しい人になってしまった。もうこれでまともなスキーは無くなった、急いで何とかせねばならない。使い方が激しいのではという人もいるが、自分としてはそうも思わない。壊したのか壊れたのかは別としても、手痛い出費になりそうだ。(K.K)

概念図

トラック 登り=赤 下り=青


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