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No4734.
安達太良山・迷沢ルート
鉄山 1709.3m四等三角点峰
山行種別 山スキー
あだたらやま・まよいさわるーと 地形図

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山行期間 2013年2月11日(月)
コースタイム 箕輪スキー場(8:00)=Cリフト降り場(8:39,8:48)→Aリフト降り場手前(9:08)→鉄山避難小屋(10:28,11:26)→迷沢渡渉点(13:17,13:34)→国道115号(13:46)→箕輪スキー場(14:34)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
Cリフト乗り場へ向かう Aリフトへ連絡路を登る 箕輪山の斜面を直上する
今も残る古いツアー標識 目印の樹林 鉄山避難小屋を目指して歩く
小屋が見えてきた 小屋で休憩にする 8人もいると賑やかだ
福島県山岳連盟のパーティーが到着 しゃくなげの塔 迷沢源頭部
緩斜面は下りラッセル 急斜面でパウダーを滑る 1300m台地へ滑り降りる
雪質は最高 ブナ林に雪が降りしきる 雪原とブナの林
迷沢渡渉点 仏沢に架かる橋 国道115号を歩いて戻る

行動記録
 安達太良山の迷沢は箕輪スキー場のリフトを利用すれば、あまり登りの苦労をしないで楽しめるルートだ。このルートは安達太良の迷沢と教えられたが、鉄山西尾根の迷沢あるいは四段山あるいは五段山と言う人も多い。朝から天気も良く風もない。しかし国道115号を登るにしたがい雪が舞うようになり、土湯トンネルを抜けると景色が変わりさらに雪深くなる。箕輪スキー場の駐車場はまだガラガラで、一番奥に車を止める。レストハウスで登山届を提出し、リフト1回分(600円)を購入した。
 8時30分から動き始めたCリフトには、我々が一番乗りだ。まだスキーヤーのいないゲレンデを見ながら登っていく。箕輪山の西斜面にあるこのスキー場は、雪質が良いとの評判だ。リフトを降りると、今日もシールの剥がれ防止にビニルテープ巻きをする。なかなかシールの糊を塗り替える時間が無いが、もう何とかせねばとは思う。Aリフト降り場まで連絡路を登る。Aリフトは9時運転開始なので、スキーヤーはまだ誰もいない。
 Aリフト降り場の少し手前、GPSで標高1474mから左手の箕輪山への斜面を登り始める。標高で300mほど直上してからトラバース気味に斜上し、標高1560〜1570m辺りを水平トラバースしていく(後で地形図を見ると、1550mの水平トラバースが一番効率が良いように思える)。黄色の古いツアー標識がひとつだけ残っている。箕輪山の西斜面を巻くこのルートは、鉄山を目指すときの最短経路であり、箕輪山頂を経由する夏道沿いではよくある強風を避けることも出来る。先週Yさん達が箕輪山頂を踏んで鉄山を目指そうとしたが、あまりの強風に倒される者続出で山頂から撤退したほどだ。ふと下を見ると単独で登ってくる人がいる。何となくピンときて、もしかすると「あの人」ではないかと思った。目的地が同じならいずれわかるだろう。
 視界があるので、進路に悩むこともなく歩いていける。やがて仏沢の源頭部を横断するときの目印になる樹林が見えてきたので、それを目指して歩いていく。雪面はうねりがあったり、柔らかいところ締まったところと色々だが、それほど歩きにくいわけではない。後ろを見ると、我々のトレースをたどり何人か歩いてくるのが見える。仏沢の源頭部を登っていくと、ドンピシャリと鉄山避難小屋に着くことが出来た。今日は視界もあったのですんなり到着したが、この辺りの地形は平坦で目印に乏しく、ホワイトアウトになると非常に迷いやすい。ホワイトアウトになれば、地図にコンパスかGPSに頼らなければ小屋を探し出すのは困難なので注意したい。
 小屋には我々が一番乗りのようで、中に入って早めの昼食とする。少しすると3人パーティーが入ってきた。よく見るとtekutekuさんご一行ではないか。スノーシューの女性2人を連れて登ってきたのだという。また少しすると「あの人」が入ってきた。「Aさん」と呼びかけると、ハイと返事が返ってきた。やはり登り始めた時に見かけたのはちさん(超有名人)だったのだ。ブログではお馴染みだったが、実際に合うのは初めてで色々話をさせていただいた。小屋で8人が賑やかに食事をする。それにしてもちさんが焼き肉を始めたのにはちょっと驚いた。食事も終わってそろそろという頃、小屋に到着したパーティーがあった。福島県山岳連盟の30名以上にもなる大パーティーで、スキーとスノーシューの混成パーティーだ。入れ替わるように我々はスタートする。休んでいる間に外は、ホワイトアウトに近い状態になっていた。今日は鉄山西尾根の迷沢沿いを下るのだが、このルートに詳しいAさんと行動を共にすることにした。
 小屋から西に進むと、やがてプロペラの碑を確認する。tekutekuパーティーはここから戻るという。後からぞろぞろと10人以上のパーティーが歩いてきた。福島岳連パーティーのうちのスキー部隊のようだ。今日のルートは彼らも迷沢のようだ。我々は小屋でシールを外していたが、彼らはプロペラの碑(しゃくなげの塔)でシールを外すようなので、今日の一番雪をいただくためにも先行することにする。Aさんの取るルートは、プロペラの碑からいったん南斜面に下ってトラバースし、回り込むように沢の源頭であるコルに出るというもの。ほぼホワイトアウトで雪面の状況もわからないほどだが、右手斜面上にある岩が少し見えるので何となく感覚がつかめる。さすが慣れたもので、上手い具合にコルに出ることができた。
 しばらく緩斜面が続くが、深雪のためスキーが走らず下りラッセルとなる。せっかくの軽い上質のパウダーなのだが、こう深くては緩斜面ではどうにもならない。迷沢に入ってしまわないように注意しながら進む。ちなみに迷沢は山スキーだけでなく、2年前に沢登りにも来ている。しばらく下りラッセルで標高を下げていくと、徐々に視界が良くなってきた。勾配も出てきてやっとスキーが走るようになる。このルートで一番美味しい北斜面まで来た。下から登ってこの斜面から滑り降りる人もいるらしいが、今日は幸いまだトレースが付いていない。さっそくパウダーをいただき、何ともいえない浮遊感に身をまかせる。セミファットの板(ビンディングが壊れて使えない)ならもっと浮力があるだろうが、今日のこの普通の板でもそこそこ浮いてくれる。肝心なのは、板をフォールラインに向けてスピードに乗せることだろう。この斜面下部からは美しいブナ林が続く。またしばらく緩斜面が続くのだが、下から登ってきた人のトレースがあったので、これ幸いと利用させてもらうことにする。おかげでスキーが走り助かる。下りラッセルでは時間も体力も消耗してしまっただろう。
 迷沢の渡渉点まで降りて沢を渡り、スキーにシールを貼る。この先は国道115号まで微妙な登りがあるので、シールを付けた方が楽なのだ。シールを付けていると、福島岳連のパーティーが追いつき追い越していった。お世話になったAさんとはここで別れる。国道115号に出ると、スキーをザックに付け駐車場まで歩くことにする。スキーでショートカットして駐車場に戻れるのだが、またラッセルするのはしんどいと国道の歩きを選択したのだ。国道歩きは約2.7キロで40分ほどかかった。ショートカットすればラッセルはあるが約1.3キロ。国道歩きは車が危ないし、やはりスキーでショートカットの方が良かったような気がする。
 今日は下りラッセルもあったが、パフパフのパウダーを楽しめたので良しとしよう。Aさんのおかげもあり、ルートもこれまでで一番無駄のないルートになったと思う。今度は国道から迷沢をピストンもやってみたい、などと考えながらスキー場を後にした。(K.K)

概念図

トラック 登り=赤 下り=青


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