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No4726.
一切経山・冬合宿
1948.8m一等三角点峰
山行種別 山スキー
いっさいきょうさん 地形図

トップ山スキー>一切経山

山行期間 2013年1月12日(土)〜13日(日)
コースタイム 1月12日  観光協会駐車場(8:43)→除雪終了点(9:04)→磐梯吾妻スカイライン横断(10:26)→山鳥山(12:37)→テン場・湯ノ平付近(12:58)
1月13日  テン場・湯ノ平(7:49)→井戸溝(8:05)→慶応山荘分岐(8:32)→大根森(9:14)→五色沼大岩(9:52)→スキーデポ(11:08)→一切経山(11:20,11:27)→五色沼大岩(12:54)→不動沢右俣上部(13:05)→慶応吾妻山荘(13:46)→慶応山荘分岐(13:58)→井戸溝(14:04)→テン場(14:17,15:13)→山鳥山(15:22)→旧吾妻スキー場トップ(15:44)→バニーハット跡(16:43)→観光協会駐車場(17:22)
1月12日写真 写真は拡大して見ることが出来ます
スカイライン除雪終了点から夏道の登山口へ 夏道沿いに快晴の下で疎林を登る スカイライン横断地点suさんは半袖Tシャツ1枚
水飲み場の小沢を渡る バテないようゆっくり登る テン場での整地作業
テント設営完了 近くにトイレも設置 雪をとかして水をつくる
夕食は煮込みラーメン 贅沢なキャンドルサービス 夜半に雪が降り始めてきた

行動記録
1月12日
 福島登高会では毎年1月に、冬季のテント設営と生活訓練を主目的とした訓練合宿を実施している。基本的にハードな山行は行っていない会だが、山スキーをやるうえで冬山訓練は欠かせない。今年も12日〜14日で2泊3日の計画であったが、会員数が元々少ないうえに、社会人山岳会にありがちな各人の都合でさらに参加者が減ると、たちまち見直しを余儀なくされた。自分も昨年は都合により参加できなかった。それでも何とか12日13日の2日間での実施となった。参加者は5名で、その中では自分が一番経験が少ない。計画自体は昨年とほぼ同じで、12日は高湯温泉〜山鳥山〜テン場、13日はテン場〜五色沼〜一切経山〜五色沼〜慶応吾妻山荘である。昨年は一切経山へ向かったものの中退しているので、今年は再チャレンジというわけだ。
 集合場所は高湯温泉の観光協会駐車場。食事の下ごしらえなど、準備に手間取りあまり睡眠時間の取れなかった自分は、5分ほど遅刻して到着した。既に他の皆さんは準備中なので、自分も急ぎ準備する。山スキーは装備が多いうえ、テントなど共同装備を分担してザックに詰め込んでいるので、自分のザック重量は20キロにもなっている。今回食事担当を志願した自分は、1泊なので食事を楽しみたい(実は酒も)と少々量を多めに準備したのも影響している。駐車場の西側から登り始める。白樺荘の前を通り磐梯吾妻スカイラインに出る。除雪終了点には既に車が1台あった。夏道に取り付くが、前日までのトレースが残っている上に、今朝の先行者が踏んでいるので楽ちんである。とはいえザックはずっしりと重く、快晴で風のない状況では汗が噴き出てくるので、ジャケットも中間着も脱いで体温調節。先月29日に来た時からは、30〜40センチほど積雪が増えている印象。気温が低くサラサラした軽い雪が気持ちいい。
 久しぶりの山行のうえ、昨年腰を痛めているOさんはマイペースで1人遅れて登ってくる。要所要所で休憩がてらOさんを待つが、意外と時間が開かないのはゆっくりとはいえ休まないで登ってくるからだ。水飲み場の小沢も埋まってないので、渡るのに注意したがKさんが失敗し雪まみれになったのはご愛敬。じっくりゆっくり登っていくと、なおさら距離が長く感じられる。賽ノ河原を通り過ぎ山鳥山まで来たが、ここまで来ればテン場はもう少しだ。ここから見える今日の家形山は、雲をバックにしているがハッキリ見えている。山鳥山からはほぼ平坦になり、20分ほど歩くとテン場に到着。この辺りは湯ノ平ということを、自分は後で知った。
 テン場に到着して行動食を食べると、さっそく整地作業だ。ふかふかの雪を繰り返し踏んで固めていく。乾いた雪は固まりにくく、何度も何度も踏んで少しずつ固めていく。これをしっかりやらないと、居心地のいいテントにはならないから手抜きは出来ない。1時間以上かけて整地作業終了。今回は5人なので、エスパースのジャンボ(6〜7人用)テントを一張りだ。このテントには内張も付けるので断熱性が良く、ストーブを焚くと暖かく過ごせる。テントの周囲には雪のブロックを積んで設営完了。一晩だけとはいえ、楽しい我が家の完成だ。
 もう15時30分過ぎなので、テントに入って落ち着くことにした。さっそく水を作る。周囲のきれいな雪を集め、鍋で暖めて水にする。ガソリンストーブは火力は十分だ。しかし弱火が苦手なのが弱点といえば弱点。さて自分の担当の夕食だが、煮込みラーメンにした。出来るまでのつなぎに、スライス玉ねぎ+かつお節にピーマン+塩昆布の2種類のつまみを作り、各自の酒で乾杯だ。煮込みラーメンのひと鍋目は豚肉で、ふた鍋目は鶏団子で作ったが、こんなに食べるのかというほどの量もほぼ完食。酒も進み会話が弾み、晩酌とはいえないほどの量を飲んでしまった。特にKさんには酒の肴になってもらった。感謝である。4時間に及ぶ宴会も終わりを告げ、午後9時過ぎに就寝。風もなく静寂な山の中で眠りにつく。

1月13日写真 写真は拡大して見ることが出来ます
朝を迎えたテン場 身軽なザックで出発 井戸溝の橋はまだ埋まっていない
慶応吾妻山荘への分岐 大根森への急斜面 大根森から一切経山方向
五色沼の大岩でスキーを外す 一瞬陽の差した家形山 家形山の斜面をトラバースする
氷結した五色沼 雪が飛ばされた夏道を辿る 一切経への登りにかかる
後方は家形山から東大巓へ連なる吾妻連峰の稜線 スキーを脱いで一切経山斜面を登る 一切経山の山頂
吾妻小富士と東吾妻山 一切経山頂より下山  ピットチェックの後に滑降開始
慶応山荘を目指して不動沢右俣の源頭を滑る ウインドパックの斜面は滑りづらい 斜面をふり返る
慶応山荘が眼下に見える 慶応吾妻山荘 テントを撤収して下山する
酷いモナカ雪に苦しむ 旧白樺ゲレンデ バニーハット跡からスカイラインへ

行動記録
1月13日
 予定より少し遅れ小雪のちらつく中、7時49分にテントを出発。昨日のザックの重さに比べれば、必要装備しか入っていない今日のザックは、まるで背負ってないかのように軽く感じる。昨夜は新雪が10センチ以上降ったようで、前日までのトレースを軽いラッセルで進んでいく。今日は我々が一番乗りだ。風の通るところではトレースも無くなり、板が沈んで深いラッセルとなる。まだ1月なので井戸溝のパイプ橋は隠れていないが、スキーで渡ることは出来た。慶応吾妻山荘分岐まで来ると、一切経山や家形山は見えているものの、時折雲に覆われその雲の流れが速い。やはり風はいつもどおり吹いているようだ。分岐から先にトレースは付いていない。いやあったのだが、風雪ですっかり隠れてしまったのだろう。20センチくらいのラッセルを交代しながら登っていく。
 いつも風が強く、雪が付いていない大根森に到着。ここは吹きさらしなので、家形山方向に平坦部を進み、風を避けられる斜面の取り付きで小休止。脱いでいた中間着とジャケットを着込む。急登を一頑張りして尾根に出ると、眼前に家形山が現れる。ほどなく五色沼の大岩に着くが、この時期としては穏やかにさえ感じる程度の風だ。大岩でスキーを外し、家形山とのコルへとツボ足で下る。コルからは再度スキーに乗り、向こう側に見える五色沼の西側縁の、一切経山と家形山のコルへ向かって斜面をトラバースする。木立の無い斜面のトラバースは、あまり気持ちの良いものではない。氷結した五色沼を渡ることもできるいうが、今回は見送った。無事トラバースすると、風の通り道になる五色沼の西側縁は雪が付いていない。再びスキーを外して夏道沿いに歩き、一切経山の斜面取り付きまで来るとまたスキーに乗るというふうに忙しい。
 このまま斜面を夏道どおりに登ると、風に吹かれっぱなしになるのを嫌い、右手の樹林帯の中に入って歩くことにする。ところが、風もなく穏やかなのはいいのだが、うねりがあったりヤブに行く手を遮られたりして右往左往してしまった。この選択はあまり得策ではなかったかもしれない。何とか樹林帯を抜けると、一切経山から前大巓に緩やかに繋がる平坦地に出る。まともに風の当たる一切経山の斜面にはほとんど雪が付いておらず、ゴツゴツした岩が露出している。岩の陰にスキー板をデポすると、最後の登りだ。急斜面だが岩が出ているので、スリップの危険性は少ない。10分ほどで山頂の三角点に到着。平らな山頂からは、近くの吾妻小富士や東吾妻山が見えるが、それ以遠は雲で見えない。強風に耐え立っていることはできるが、しっかり足を踏ん張っていないと体が流されそうだ。以前、蔵王名号峰の山頂で、あまりの強風に這って移動したことを思えばなんということもない。しかし、ゴアのジャケットを着ているとはいえ、吹きさらしでは体温がどんどん奪われるので長居は無用だ。記念に写真を撮るとさっさと下りる。
 登った樹林帯を滑るのは無理なので、もう少し西側へとルートを探してみる。樹木の無い滑り降りられそうな沢状の斜面があり、雪崩のピットチェックをすると15センチ下に弱層がある。表層雪崩の可能性があるので、樹林帯脇にラインを変えて、ひとりずつ滑ることにする。無事下部まで降りて樹林を抜け、緩斜面を進んで平坦地に出て小休止。ここからはシールを付けなおして歩き、徐々に五色沼の縁に向けて右前方へ進む。斜面のトラバースは往路より高い位置となった。あまり気持ちの良い斜面ではないので、先行が渡りきるのを見てから後続がトラバースした。大岩まで戻ると登ってきた時よりも風が強くなっていて、スキーを抱えているとあおられ飛ばされそうだ。下降点まで移動してシールを外す。滑り始めるとウインドパックの雪が意外に重く、早くも転倒してしまう。途中から先行者のトレースに乗って滑っていくと、これまでとは違うルートながら、慶応吾妻山荘には向かっているようだ。結果的にはほぼ最短ルートで、登り返しなどもなく慶応吾妻山荘の裏に出ることができた。管理人の大柿さんにテントを撤収することを伝え、Oさんの待つテン場へと戻る。
 テントをたたみ重いザックを担ぐと、一晩お世話になったテン場を後にする。安全に下れば合宿も終了と思ったが、そう簡単にはいかなかった。まずは山スキー2年ぶりのOさんが何度も転倒。重いザックと痛い腰で、スピードコントロールが上手くいかないようだ。帰路は旧あづまスキー場のゲレンデ跡を滑るのも楽しみだったのだが、ゲレンデトップに出るとモナカ雪になっている。天気が良すぎてモナカになってしまったようだ。とにかくスキーが曲がらない。疲れた体に重いザックを背負い、挙げ句の果てはモナカ雪では降参である。奮闘むなしくあっちでもこっちでも転倒者続出。ザックが重くて簡単には起きあがれず、残り少ない体力を消耗するばかり。しかも、下るほどモナカが酷くなってくる。スキーの達人のsuさんでさえ歯が立たない。こんな極悪モナカ雪は、自分もほとんど滑った記憶がないほどだ。最後には斜滑降+キックターンで下るしかなくなった。それでも何とか全員無事バニーハットまでたどり着き、ここからは磐梯吾妻スカイラインを下ることにした。先行者のトレースを借りてモサモサと進む。薄暗くなり高湯温泉の灯りが見えてきた。除雪終了点までのショートカットは状況から見て難しいので、距離は長くなるがスカイラインを下ることにした。途中から自分だけ先行し、17時22分に駐車場に到着。車で除雪終了点までとって返し、待っていたOさんとMさんと各人のザックを回収。Kさんとsuさんはヘッデンを点け、空身で駐車場まで戻った。いろいろあったが無事合宿を終了することができ、各自現地解散となった。
 昨年は中退となった一切経山へ登ることが出来たのは良かったが、五色沼から一切経山へのルート取りには不満が残った。もっと西から回り込むほうが距離は長くなっても結果的に素直で楽なように思われる。次の機会があれば是非試してみたいと思う。(K.K)

※食材分量記録(5人分)
<夕食> 煮込みラーメン8食 白菜1/4玉 ネギ2本 豚バラ肉350グラム 鶏団子15個 カット餅5枚
<つまみ> ピーマン5個 玉ねぎ1個 かつお節 塩昆布 醤油
<朝食> アルファ米5食 カット餅5枚 卵スープ5個 塩昆布 梅干し
<残った食材> アルファ米1食

概念図

トラック 登り=赤 下り=青


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