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No.4609
安達太良山・迷沢
鉄山 1709.3m四等三角点峰
山行種別 山スキー
あだたらやま・まよいさわ 地形図

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山行期間 2012年3月20日(火)
コースタイム 箕輪スキー場(8:40)=Cリフト終点(9:15,9:27)→鉄山避難小屋(10:58,11:41)→コル(11:58)→北斜面(12:13)→迷沢(12:49→国道115号(13:17)=箕輪スキー場(13:30)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
箕輪スキー場のCリフトに乗り込む ガスで霞むAリフト降り場 箕輪山西斜面のトラバース
目印の木を確認する 鉄山避難小屋 しゃくなげの塔
鉄山避難小屋 北斜面を滑る 北斜面を滑る
 迷沢の渡渉点はまだ雪がつながっている 仏沢の橋 国道115号に出る

行動記録
 今年はなかなか春めいた陽気にはならない。20日も気温は上がらないとの予報。しかし、荒れなければ気温が低いのは、かえって山スキーに好都合というもの。ほぼ1ヶ月ぶりに山スキーに復帰するIさんは軽めの1本がいいだろうということで、ショートコースの迷沢に行くことになった。迷沢は昨年2月に初めて滑って以来となる。その時はパウダーを楽しめたのだが、今回は3月も下旬近くになる。雪質はあまり期待できないだろうが、ともかく滑ってみることにした。
 集合場所へ向かう車中から眺めた安達太良連峰は、上の方が雲の中でやはりあまり良くない。国道115号の土湯トンネルを抜けて3kmほど下ると新岩弓橋で、そのすぐ手前左に駐車スペースがある。ここに回送用の車を1台デポし、国道115号を戻って箕輪スキー場の駐車場へ。箕輪の山頂を見るとガスっているので、今日は山頂を踏まずに、直接鉄山避難小屋を目指すことにする。センターハウスに登山届を提出し、動き出したばかりのCリフトに乗り込む。さすがにこの時期になると、ゲレンデを滑っているのはスキー愛好家ばかりでみんな上手い。リフトの上から、あの人はカービングターンが決まっている、などと眺めているとリフト降り場だ。シールを貼っているとスキーヤーが声をかけてきた。見るからに高齢のようだが、スキーをやっているだけあって背筋はしゃんとしている。お一人は80歳だというが、自分もそんな年齢までやり続けてみたいものだと思う。
 山頂を経由しないで鉄山避難小屋を目指す場合、スキー場右側のBリフトとAリフトの2本を利用するのが一番近いのだが、今日はあえてCリフトから連絡コースを歩いて Aリフト上部を目指した。ガスってはいるがある程度の視界はある。Aリフト上部から箕輪山の西斜面を少し登ると、標高1550m辺りを右へトラバースしていくが、この辺りは昔のツアールートであり今も標識が残っているという。やがて昨年沢登りした仏沢の源頭を越え、目印の木(厳冬期はモンスターになっている)を確認する。この木を見たら少し先で進路を仏沢の右俣方向へと振る。帯状疱疹で休んでいたIさんは1ヶ月のブランクどころか、常にトップで我々を先導している。
 ここから鉄山避難小屋までは平坦な緩斜面が続き、視界がない場合は方向を見失いやすい。基本的には仏沢右俣の窪地を追っていけばいいのだが、少し左に外してしまい夏道に沿いに出てしまった。風が当たるがそのまま小屋を目指す。ホワイトアウトの時などすぐ近くまでこないと見えない小屋も、今日は20mほど手前から見えてきた。稜線の強く冷たい風も、小屋の東側に入ると一息つける。小屋に入りゆっくり昼食をとる。
 小屋の周辺は地面が出ているところが多く、雪がつながるところまで歩いてからスキーに切り替える。雪はガリガリのシュカブラ。小屋から真西に進むと、通称プロペラとか兎と呼ばれる石楠花の塔があり、格好の目印になる。しかし、ホワイトアウトの時などはすぐ近くを通っても気づかず、通り過ぎてしまうこともあるという。そのためあまり石楠花の塔を目印にしすぎると、通り過ぎたのにまだ到着していないと思いこんだことによる、道迷いが発生しやすいという。今日は問題なく石楠花の塔を確認し、地面の出ている稜線から右に少し逃げてコルの少し下に降りた。ハイマツが邪魔して歩きにくい。ここが迷沢の源頭になり、昨年10月に沢登りで来たところになる。我々は冬は山スキーで夏は沢登りがメインだが、地形を観察することは相互に役に立つ。沢登りに来ても、山スキーの時をイメージして地形を見ていたりするのだ。
 クラストした上に薄く新雪の乗った緩斜面を、少し左に振り右手に沢を見ながら滑る。滑りやすくはないがそう悪くもない雪だ。もう少し左に振って樹林帯の中を下りると、樹林が切れて雪原が広がる。ここを気持ちよく滑り降りると、さらに急な斜面の上に出る。ここが北斜面と呼ばれている、迷沢ルートに中でも美味しい斜面である。3人とも思い思いに滑る。昨日降った雪がクラストした斜面を覆い、結構滑りやすく感じる。その後は尾根の気持ちよい林間コースが続く。この時期にしては軽い新雪に、思わず顔もほころび声が出る。天気は良くなくても、いや天気が良くないからこその雪質であり、儲けものということだろう。樹間の狭い急斜面を下りると作業道に出たが、ここは手前で左に下り早めに作業道に出た方がいいだろう。
 凍りついたトレースで滑りにくい作業道を下ると、迷沢の渡渉点までは近い。雪がつながっているので沢は容易に渡れる。対岸に渡ると登りがあるので、ここは素直にシールを付けることにした。仏沢の橋は歩く雪の幅が狭狭かったので、スキーを担いで渡る。
 やがて国道115号にでると、デポしたマイカーはすぐだ。箕輪スキー場まで移動すると、今日の山スキーも終了となる。さて今日の迷沢だが、冬の名残のような迷沢を楽しむことが出来た。雪も思ったより良い雪の状態だった。これからは雪がザラメになるので、それはそれで滑りやすいだろう。しかし、さらに雪解けの進む作業道から国道までを考えると、そろそろ迷沢ルートもシーズン終了が近いことを感じる。先日の高湯〜五色沼がハードだったのに比べると、拍子抜けするほど短時間で疲労もない。リフトを使って山頂を踏まなければ、半日コースといわれるのも頷ける。箕輪の山頂を踏まなければ、迷沢を1日2本か、仏沢と迷沢の2本も面白いかもしれない。または、箕輪山の東斜面滑降を組み合わせれば、1日コースとして十分になるだろう。来シーズンはそんなこともやってみたいと思いながら、箕輪スキー場を後にした。(センターハウスに下山報告を失念してしまったが、帰路途中で思い出して電話にて報告。お騒がせしてしまうところだった。危ない危ない。)(K.K)

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