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No.4469
安達太良山・迷沢
箕輪山 1718.4m三等三角点峰
山行種別 山スキー
あだたらやま・まよいさわ 地形図 安達太良山、中ノ沢

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山行期間 2011年2月11日(金)
コースタイム 箕輪スキー場(9:00)=Cリフト終点(9:30,9:44)→箕輪山(10:55,11:05)→コル(11:35→鉄山避難小屋(12:14,12:50)→迷沢(14:18)→国道115号(14:44)→箕輪スキー場(15:19)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
リフト沿いの霧氷が美しい まだうっすらと山頂が見える 手前に鬼面山、向こうに高山が見える
ハイマツとシュカブラで歩きにくい 南東斜面を滑る 一面真っ白で酔いそうだ
鉄山避難小屋 しゃくなげの塔 ルートを探りながら下る
やっと開けた斜面に出た Kさんもノリノリ ひゃっほ〜という感じ
こんな美味しい斜面が続く 迷沢の渡渉点 仏沢の橋を渡る

行動記録

 

 箕輪山は昨年山スキーに行きたいと思いながら結局実行出来なかった山だ。特にこの頃は迷沢ルートが気になっていたのだが、やっと11日にいつものKさんと行くことが出来た。
 箕輪山〜鉄山周辺は風が強いこと、ガスがかかると迷いやすいことでも知られていて、ホワイトアウトで下山方向を見失うことも多い。今年は1月16日に箕輪山に向かった山スキーヤー2名が、行動不能になり2晩ビバークして救出されるということもあった。表面には出ないが遭難もどきも結構あるのかもしれない。今日のリーダーKさんは何度か迷沢ルートに来ている。私としては百人力の気分で箕輪山へと向かった。
 箕輪スキー場は土日休日でも駐車場無料なのが嬉しい。Cリフト券(600円)を購入し登山届を提出する。何時に下山予定ですかとわざわざ聞いてくるのは、先日の遭難騒ぎがあってのことだろうか。受付のおねーさんに午後3時半頃ですと告げる。山スキーヤーはスキー場の駐車場を丸一日利用しながら、リフトは登りの1回しか使わず、遭難なんてしようものなら大変な迷惑をかけてしまうことになるのだから、スキー場の言うことには協力的にしなければと思う。今日乗るCリフトは箕輪スキー場の一番左側のリフトになる。さらにJバーのDリフトでもう少し上まで登れる。
 駐車場からシャトルバスでホテル側に移動し、Bリフト・Aリフトを乗り継ぐと標高1,500m近くまで運んでくれ、位置的にも600mは箕輪山に近くなる。しかし我々には1,379mまで登れるCリフトで十分。リフトに乗り周囲の樹木を見ると霧氷がキラキラと美しい。風はほとんど無く、気温も低いようで雪質に期待出来そうだ。
 Cリフトを降りてスキーにシールを貼り準備をする。Kさんをトップに斜面に取り付く。左手には先月登った高山が見えていて、山頂の反射板も確認出来る。風の当たる西斜面は樹木の間にうねりがあり歩きにくい。しばらく我慢したがどうにも歩きづらいので、左に回り込りこむと幾分良くなった。
 高度を上げるとハイマツとシュカブラでこれまた歩きにくい。右に左に登りやすい場所を探しながらの登高となった。Kさんはテレマークだがスキーアイゼンを付けているせいかサクサク登っていく。こちらは山スキーだが、シールだけではズリズリと後退することもあり今日はちょっと分が悪い。鬼面山がちょうど真北に見える位置まで回り込む。直下に見えるオープンバーンは、美味しそうだが雪崩れやすそうでもある。
 登るにつれ徐々にガスがかかってきた。山頂に近づく頃にはほとんどホワイトアウトになった。エビのしっぽの固まりになった夏道の案内板が現れたので、ここを山頂として一息入れる。幸いなことに風が弱いので、立ち休憩していても寒くはない。2年前はあまりの強風と寒さに、鉄山避難小屋を目指したもののコルの手前で引き返したことを思い出す。
 出来れば箕輪山の南東斜面のオープンバーンも偵察しようと思ってきた。しかし、ホワイトアウトで山頂からの滑り出しが見えないため、南に少し下りてから回り込んでみることにした。シールを付けたままハイマツとシュカブラに難儀しながら回り込むと、オープンバーンの中腹に出た。視界が少し利くのでシールを外して滑降することにした。勿体ないので少し登り返して滑ることにした。いざ滑り出すとシュカブラの上に薄く雪がのっているような感じで、凸凹もありなんとも滑りにくい。下りすぎないように右へトラバースして鉄山とのコルを目指す。視界も良くないのでKさんはコルを乗っ越し、手慣れた迷沢から鉄山避難小屋へのルートを取ることを選択した(次回は夏道ルートも試してみたい)。シュカブラに苦労しながら乗っ越しすとやれやれだ(後から確認するとここまでで、Aリフトから素直にコルまで来る距離の3倍以上移動していた)。再度シールを付けて鉄山避難小屋を目指す。GPSをあてにすることもなく登っていくと、白一色の中からおぼろげに小屋らしきものが見えてきた。ドンピシャ避難小屋に到着。ホワイトアウトの場合は小屋を探せないこともあると聞くが、我々はラッキーだったのかKさんのカンが冴えているのか。
 避難小屋には誰もいなかった。パンとカップラーメンの昼食で暖まる。小屋を出てプロペラと呼ばれる石楠花の塔を目指す。視界が良くなってきたこともあり難なくプロペラを見つけることが出来た。しかしエビのしっぽで太ったその形は動物の顔のようでもあった。Kさんが少し右手に向かって下り出す。さてこれからが迷沢ルートになる。何度か右に左に修正しながら下っていく。樹木の間のうねりがわずらわしいところに入り込んでしまったようで滑りにくい。そのうちKさんが、障子岩がこんなに近く見えるので左に寄りすぎたようだと言いだした。そこから右に方向修正をしていくと、標高1500m近くになってやっと樹木の少ないバーンに出ることができホッとする。ここにきてやっと自分たち以外のトレースも見つけることが出来た。ここからは快適な滑降が続く。
 雪は軽いパウダーで浮游感がすこぶる気持ちが良い。山スキーをやって良かったと思える瞬間だ。先行するトレースが何本かあり、時には追いかけ時には外れてノントレースの斜面を滑ったりと、自在な滑降を楽しむ。斜面から作業道に滑り込むとほどなく迷沢に出た。2人パーティーが沢の手前でシールを付けていた。我々はシールを付けるのを面倒がって沢を渡り、その後の作業道にあるちょっとした登りも力任せに歩いていく。
 すぐ仏沢の橋が現れ渡ったが、対岸の手前で危なっかしいのでスキーを脱いでツボ足に。結局その先でシールを付けることとなり、こんな事なら迷沢でシールを付けた方が楽だったと思う。そこから国道115号はすぐだ。
 国道115号に出たところで右手の斜面を登り、旧道をショートカットしながら送電線の脇を歩いてスキー場の駐車場を目指す。国道下をくぐり駐車場に着いたのは15:19だった。スキーを片づけレストハウスに下山報告したのは、予定どおりのほぼ15:30分だった。いろいろあったが足並みのそろった2人なので、何とか計画通りの時刻に下山出来た。雪質の良い箕輪の味を占めてしまった私は、ルートを覚えるためにもまた来ようと思いながら帰路についた。(K.K)


概念図

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