また山スキーの仲間が増えた。山スキー本格デビューのNさんと一緒に安達太良の迷沢のコースを滑ってみることにした。雪の量はもう少しほしいところだが、1月のこの時期としては贅沢は言えない。パフパフの新雪と思わぬ好天に思わずニンマリ。気持ちよく滑ることが出来た。
福島市内の天気は良いのだが安達太良の稜線には雪雲がかかっている。土湯トンネルを抜けると猪苗代側は雪だった。迷沢コースの雪はどのくらい積もったろう。わくわくしながら新岩弓橋の待避所を目指す。Nさんの車をデポし箕輪スキー場へ向かった。
駐車場へ車を駐め、Bリフトを使用するのでレストハウスからシャトルバスでホテルへと移動する。ここではインフォメーションへ登山計画書の提出し下山報告もスキー場(ホテルまたはレストハウスのインフォメーション、スキーパトロールのいずれか)へ行うことになっている。
リフト料金はBリフト350円、Aリフトが600円で標高1470mのゲレンデトップまで運んでもらえる。Aリフトの途中から雪雲に覆われホワイトアウトになった。
それでも天気は回復基調で時々ガスが薄くなる。シールをつけ、好天を期待して登り始めた。標高1570mまで上がると箕輪山をトラバースするツアーコースの標識が出てくる。ここから仏沢の源頭に向かってトラバースする。計画では箕輪山を登って東斜面をひと滑りするつもりだったが、ガスが切れてくれない。ホワイトアウトの中を滑っても面白くないので今日は箕輪山東斜面の滑降はあきらめることにした。
仏沢に降り立ち鉄山避難小屋を目指す。進むにつれて自分たちが歩いている所だけガスが切れてくれる。雪雲に覆われていた鉄山避難小屋も私たちが到着すると同時にガスが切れて見晴らしが利いた。箕輪山は残念ながらまだガスの中だ。
シールをはがし、ワックスを塗って滑降準備をすませてから、小屋に入って昼食をとった。のんびりした時間を過ごしてから滑降を開始する。最初は鉄山避難小屋から胎内へ延びる尾根を下降する。シュカブラで滑りにくいこと甚だしい。いつものことなので気にしないで滑っていく。5分ほどで「しゃくなげの塔」まで来る。私が小学生の時に墜落した飛行機の慰霊碑で、プロペラで作られたこの塔は、冬はまるでウサギの耳のように見える。
もう少し降ると迷沢源頭のコルになる。ここから迷沢を下降する。いつもはべったりと着いている雪が、樹木の間は風で飛ばされ風の弱い樹木の南東側には大量の雪が堆積されている。勝手が違って滑りにくい。
源頭部から左の尾根に乗ると雪質も安定してくる。素直に1500m標高点から1192m標高点まで滑り降りる。パフパフの新雪を気分良く滑り降りる。写真を撮ろうと振り返ると、すぐ後ろにNさんが離れないでついてくる。山スキーは2度目と言うが、飛ばすし上手いし、とんでも無い初心者である。写真にならないので、もう少しゆっくり滑ってくるようにお願いする。
通称、五段山とも呼ばれているこの尾根は、快適なバーンと緩やかなバーンが交互に出てくる。1月なので少し笹が顔を出しているが滑るに支障はない。
1070m台地まで降りて小休止をとった。振り返ると箕輪山がその全容を現した。仮に箕輪山に登ったとしてもガスが切れるまで2時間も待たなければならず。いずれにしてもそんな余裕は無かったのだから悔しがっても仕方がない。こんなに天気が良くなってくれただけ儲けものである。
少し休んでから作業歩道に降り立った。テレマークの人たちは尾根をさらに進んで滑り降りるようだが、灌木の間を滑らなければならないので、どちらが良いとも言い切れない。好みだと思う。
作業歩道は国土地理院の5万分の1地形図とは違っている。尾根を跨ぎ迷沢の作業道の徒渉点近くで合流する。沢はを徒渉するので注意すること。上部に楽に徒渉できる場所があるようだが、面倒なのでスキーを杖代わりに強引に渡ってしまう。
次の仏沢には細い橋が架かっている。スキーを履いたままでは微妙なバランスを要求されるが、脱いで渡れば怖いことはない。ここまで来ると国道115号線の新岩弓橋はすぐである。(I.I)
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