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No.4379
鳥海山・百宅コース
七高山 2229.9m一等三角点峰
山行種別 山スキー
ちょうかいさん・ももやけこーす 地形図 鳥海山

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山行期間 2010年5月23日(日)
コースタイム 百宅口登山口・大清水(7:20,7:40)→小松沢トラバース(8:55)→唐獅子平避難小屋(10:20)→七高山(11:45,12:40)→唐獅子平避難小屋(12:57)→小松沢トラバース(13:17)→百宅口登山口・大清水(13:46)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
駐車場手前1kmほどは両脇に雪壁があった 出発点の大清水山荘 ブナの新緑がまぶしい
唐獅子平避難小屋と獅子形岩 大斜面を登るKさん 11時45分外輪稜線に着く
七高山から見た祓川への斜面 七高山のピーク 目線より下を雲が流れていく
いよいよ滑降を開始する まだ水芭蕉が咲いていた 大清水駐車場から見上げる鳥海山

行動記録
天候 薄曇り
 鳥海山は5月8日以来だからほぼ2週間ぶり、この時期雪はどんどん融けていくので、1週間も空けばずいぶんと状況が変わる。2週間ならなおさらだ。今は由利本荘市となった旧鳥海町の百宅地区から、さらに未舗装の林道を13.5kmも登ったところに広い駐車場があり百宅コースの登山口になる。この林道は登山口からすぐの大清水園地を6月上旬から利用できるように除雪を進めるらしい。ちなみに大清水園地には避難小屋、山荘、キャンプ場などがある。過去の記録を見ると、5月23日〜30日あたりにかけて登山口まで開通しているようだ。だが何日が開通と決まった日はないらしく、行ってみないと状況が解らない。心配した除雪の状況だが、幸運なことに除雪は先週辺りに終わっていたようで駐車場まで到着することが出来た。
 7時40分にスタートする。登山口からすぐ雪が出てくるのでスキーで歩ける。少し行くと大清水(おしず)園地で、うっすらとスキーのトレースらしき跡を追いかけ山荘と避難小屋の間から登り始める。登山道のある尾根の辺りは既に雪が無くなっているようだ。なるべくスキーで歩きたいので、尾根の北斜面の雪をつないで歩くことにする。
 しばらくは斜面のトラバースのような歩きが続くが少々枝がうるさく、ルートを探したこともあり思いのほか時間がかかってしまった。ここはもう少し右手に下がって、ブナの樹間の広いところを進んだ方がよかったようだ。標高1000m辺りでブナ林を抜ける。右前方に大倉滝を見ながら、左手の尾根へ登り上げる。雪の下にあるはずの登山道をまたぎ、左手の灌木の林をスキーを履いたままヤブこぎし、尾根の左側の平坦な斜面に出る。少し進むと左に赤沢川の支沢の小松沢が見えてくる。
 小松沢には急斜面をトラバースして入ることになる。地形図で見ると滝があるらしいので急斜面もうなずける。支沢であり深い沢ではないのだが、それでも急斜面から落ちたくはないので慎重にスキーを運ぶ。斜面に雪には既にクラックが入っているので、1週間後だったら登るのは困難になるかもしれない。雪で滝が埋まっている斜面を登ると、あとは普通に沢床を歩くようになる。6月になれば登山道スキーを背負って歩くことになるのだろう。
 沢の源頭の手前、標高1270mの辺りで沢の右斜面を登り尾根のラインと合わさる。地形図では屏風岩という岩がゴロゴロしているらしい地点も、今はまだ雪の斜面でしかない。登山口からずっと山頂を眺めながら歩いているのだが、まだまだ山頂は遠いようだ。それもそのはず、山頂までは標高で700m以上登らなければならない。休憩してもうひと頑張りすると唐獅子平避難小屋が見えてくる。名称の由来となった獅子形岩は小屋の近くにありすぐ分かった。登山道の方は地面が出ているので小屋のすぐ北側を通るが、それでも5mほど雪が切れていて板を脱がなければならなかった。あとは目の前に広がる大斜面をひたすら登るだけだ。
 テレマーカーが1人滑り降りてきて我々の左手を下っていった。彼は百宅コースを登ったとは思えないのだが、また登り返すのだろうか。斜度が増してくると小休止が多くなってくる。Kさんは膝の調子がイマイチのようで遅れがちだが頑張っている。振り返れば眼下に展望が広がっているが、雲のため遠望がきかないのが残念だ。右手に見える人影が多くなり、山頂にもちらほら見えるようになってくる。
 ここは七高山の手前の鞍部になる。スキーをデポし外輪稜線を右へ回り七高山へと向かう。百宅コース側とは違い、七高山には大勢のスキーヤーや登山者がいてにぎわっていることに驚く。下に目をやれば、急斜面を続々と登っている人達がゴマ粒のように見える。祓川コースはアプローチが比較的容易なので人気のコースなのだろう。
 七高山から外輪山の中を見れば、溶岩が盛り上がって出来たドームのような新山が見え、山頂に登っている人達が小さく見えた。新山にも登ってみたいがまた次の機会としよう。しばらく景色を眺めた後、元の場所に戻り行動食を口に入れる。そうしていると何人かがこちら側の斜面から滑るため移動してきたが、いずれも斜面の途中で左にトラバースして祓川コースに戻っていったようだ。雲が目線より下を浮かんで流れている。
  Kさんが斜面へと滑り込んでいく。直下の斜面を少し滑り降りると右へトラバースし、百宅コースへの斜面へ移る。広々とした斜面を好きなように滑り降りるのは爽快だ。雪はザラメ雪で滑りやすく一気に高度を下げていく。登るのに時間のかかった斜面もスキーではあっという間だ。
 唐獅子平避難小屋が近づくと雪面に溝が増えガタついてきた。こうなると板を押さえるのに足に余分な力が入り疲れてしまうので、斜面を適当に刻みながらの滑降となる。避難小屋から下は登ってきた小松沢に間違わず滑り込めるよう注意して下る。登ってきたラインどおりではなかったが小松沢に入ることが出来た。滝のところの急斜面トラバースは、幸い落ちることもなくクリア。少し下って灌木帯に突入し、斜め左方向にスキーを履いたままヤブこぎをする。尾根の北側に出ると大倉滝が見えた。あとは新緑の美しいブナ林の中を大清水園地まで下るだけだ。Kさんが先行して下るが、ラインを左に振りすぎたようで大清水避難小屋から離れてしまった。私は苦労して枝をかいくぐり、斜面の裾を右に回り込んで小屋へと着いた。これで今シーズンの板納めとなるのかどうかわからないが、出来ればもう一度来たいものだと思いながら鳥海山を後にした。(K.K)

概念図



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