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山行データ No.3212
マンダノ沢 和賀山系・堀内沢
山行種別 無雪期・沢登り
まんだのさわ


■山行期間 2001年8月24日N〜26日
■コースタイム 8月24日 福島(20:00)=夏瀬温泉駐車場(24:20)
8月25日 駐車場(7:00)→堀内沢出合(7:18)→林道分岐・標識(7:30)→取水口(堀内沢とクタノ沢出合)(7:45)→朝日沢出合(9:00)→マンダノ沢出合(11:38)→10mの滝(12:28)→蛇体淵(14:23)
8月26日 蛇体淵(5:30)→沢合流点(6:25)→上部二俣(8:02)→朝日岳(9:55/10:30)→降り口(10:47)  →駐車場(堰堤下)(13:06)=分岐→夏瀬温泉駐車場(14:30)
■写真
マンダノ沢下部 10m滝 二条の滝


■行動記録
8月24日
 20時に福島を出発、間違って抱返渓谷方面に入ってしまいSさんより遅れて夏瀬温泉の駐車場に到着。ここは公衆トイレもあり快適な幕営地であるが温泉の主人の対応はいまいちであった。
8月25日 晴れ
 朝食を済ませ7時に玉川に架かる吊り橋を渡って出発する。遊歩道をしばらく歩くと道は広くなり堀内沢と玉川の出合のコンクリートの橋を渡る。増水すれば水没してしまい渡れなくなる橋である。林道を歩いていくと堂田バス停、夏瀬温泉、堀内沢と書かれた標識があり、堀内沢方向へ進む。林道が2つに別れる地点に都職山の会の軽自動車が駐車してあり、そこから沢の方向へ下り、地図上の取水口とクタノ沢を 渡り堀内沢へ入る。
 樹林の中の平凡な河原を歩いていくと、釣りをしていた都職山の会のメンバーと合流する。渡渉と河原歩きを繰り返して行くと両岸にブナの木が目立つようになり50分ほどで朝日沢出合となる。小休止の後更に進み「イワイ沢」「シャチアシ沢」を越すと雑誌で紹介されている「三角錘岩」があり記念写真を撮る。明るくてゆったりと時間が流れる気がする沢である。「オイノ沢」付近は平らなブナ林となっておりどこでもテントが張れそうである。小休止の時間を含め2時間ぐらいでマンダノ沢の出合となる。水量比はほぼ1対1である。
 出合からしばらく進むと大岩の間を滝のように水が流れる地帯となり滝も何本か出てくるが特に困難な滝も無く快適に進んで行く。10mの滝は右岸に顕著な巻道が付いており、5mの二条の滝は右岸を登る。この後も小さな滝を超えて歩いていくが、沢の両岸はブナの林となっており湧水がところどころ湧きだしており、冷たい水を味わう。
蛇体淵

 傾斜のある岩がごろごろしたところを登ると突然平坦な河原となり、蛇行した沢を少し進むと滝が青緑色の淵に落ちて何とも言えない雰囲気を醸し出している蛇体淵となる。淵の手前の右岸に先に到着していた都職山の会のツェルトが3張既に張ってあり、その脇に我々のツェルトを2つ張る。流木も豊富で、情報どおりの絶好の幕営適地であった。夜は都職山の会と4月の月山の肘折コース以来の交流を深める。
8月26日 曇り一時晴れ
 今日のコースも長いので4時起きとし、朝食を済ませ5時半に出発する。蛇体淵は左岸に明白な巻道があり上の滝も併せて巻く。この上も大きな岩の間を縫うようにしてへつったり、岩を乗り越えて進む。上天狗沢沢は8mの滝をかけて1対3の水量比で下天狗沢と合流する。(地元ではこう呼ばないそうであるが)
 この先は支沢が左右から数本入ると両岸が迫ってゴルジュのような形状となる。4m滝は登れず、都職山の会は左岸の岩場、我々は左岸の藪を高巻くが、我々は上に追い上げられてしまう。都職のルートが正しかったようである。1カ所安全のため懸垂下降で降りる。上部の二俣は水量比1対1。
 8mの滝はトップにお助けロープを出してもらい右岸から乗り越える。この後は特に何もなく両岸が段々低くなり稜線が見えてきて、高度をどんどん稼いでいく。沢の水量も少なくなり、最後の支沢で水を汲むと一旦水が消えるが少し行くとまた水が出てくるがすぐに水が枯れ、急な溝状の草付きを登って行く。膝ぐらいのブッシュを漕いで行くと、頂上に出る手前の5分ぐらいは背丈より上の藪となるが、そこを過ぎると草に覆われた頂上に出る。
 頂上は高曇りで、遠く岩手山や和賀岳が見え、2月に滑った朝日岳の斜面が良かった話などをしながらコーヒータイムとする。
 ここからは、稜線の登山道(踏み跡)を辿り、15分ぐらい歩いたところから部名垂沢へ直線的に降りていく道となる。急斜面を一直線に下降するが先頭のSさんは先月の生保内沢の下山にもこのコースを使ったということで、みんなを置いてすごい早さで降りていく。しばらく落石に注意しながら降り、最初の滝の右岸を巻いて降りると真っ赤な土が出てくる。ここからは沢の中と滝についた巻道を降りていくが、沢の中の石がほとんど浮いており落石が起きやすく非常に歩きにくい。
 この道はハイキング的な山の紹介の本にも出ているが、歩いてみた感じでは滝などには巻道がついて、ところどころにはトラロープも張ってあるもののとてもハイカーが登るコースではないと思った。 
 下山に疲れ、歩くのも厭になった頃、堰堤の下に駐車してある車が見えた。この都職の車で途中の分岐まで送ってもらい、20分程歩くと夏瀬温泉に到着し、山行終了。この駐車場で、荷物をザックから出していたところいきなり宿の主人と思われる人から荷物をトイレの洗面台で洗わないように大声で怒鳴られる。以前洗面台を詰まらせた沢屋か釣り師がいたのかもしれないが非常に印象が悪かった。
 この沢は、特に険しい滝の登攀やゴルジュの突破といったものはないが、静かなブナ林の中をゆっくりと歩く感じが大変すばらしかった。ただ、今回は都職のIさんに送って貰えたが、車を回す方法を考えないとあと2時間の林道歩きは辛いものがあると思う。
 追:下山後、乳頭温泉郷の黒湯の自炊棟に泊まったが、お風呂は少々小さいものの雰囲気といい部屋、温泉共申し分なくお勧めの宿である。(食器、寝具はないがガスコンロあり:入湯税、ガス代込みで2500円) 

■遡行図  マンダノ沢遡行図へリンク(14KB)


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