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No.3758
笹木沢 船形山
山行種別 無雪期沢登り
ささきさわ 地形図 船形山、関山峠


■山行期間 2005年9月3日
■コースタイム 柳沢小屋(5:40)→観音寺コース登山口に車デポ→定義林道矢尽沢橋付近に車デポ・大倉川へ下降開始(7:45)→大倉川(8:15)→笹木沢出合(8:30)→登山道(13:00)→観音寺コース登山口(13:55)
■写真
大倉川に入る枝沢にも滝がかか
っている
大倉川と笹木沢の出合 出合から入ってすぐに滝が出てく
きれいなナメ滝が現れる 釜をもったナメ滝が連続して出て
くる
天気が良いのでほとんどの滝を
水流の中、シャワーで登る
ナメと釜のへつりが続く ブナの林とナメを気持ちよく歩く 日差しを浴びて白く光る滝、なる
べく水線通しに登る


釜の水が透明できれいだった


2段の滝は直登できる
10mの滝は右岸を巻く


2段目をシャワークライムで滝を
登っているところ


10m滝は右岸を直登する
10m滝の右岸を直登しているM
さん(左上)


10m滝を若手のM君が簡単に登
ってくるところ
鎧の滝は3段目のみロープを出し
て確保する
鎧の滝の右岸をリードして登るT君
鎧の滝の落ち口から下を見る ナメF20mは右岸を登る 夏の日差しの中快適に登るM君


しかしながら、源頭もまだまだナ
メが続く.


二俣で現在地を確認するメンバ
ー、まもなく遡行も終了
水量も減って源頭の様相を呈し
てくる.

■行動記録
 笹木沢の遡行終了してから定義林道に戻るには、登山道を船形山経由で下りるにしても大倉川を途中まで下降するにしてもかなりの時間がかかる。そこで山形側の登山口に車をデポしておくことにして、前日夜は柳沢小屋に泊まった。古い建物だが、林道脇にあって車で直接乗り付けることができ、すぐ目の前を豊富に水が流れているので使い勝手のよい小屋だ。その夜は蛾と蝿と多少の蚊を除けば貸し切り状態だった。
朝早くに車両をデポし、国道48号を通って宮城県側に移動。定義林道は今後いつまで走行可能か危ぶまれる悪路でかつ長い。登山道をやり過ごし、矢尽沢橋を越えた後、東から西へヘアピン状に向きを変えるカーブに3台ほど駐車できるスペースがある。そこに車を停めておくことにする。大倉川に釣りに入るという二人組みの話では、その先の支流に架かる橋は崩落しているらしい。
 装備を整え歩き始める。大倉川への下降は、林道を少しだけ先に進み、最初の沢状のところから斜面に入る。20mほど薮だったがすぐに水跡に出る。途中4mの滝が2ヶ所あり、ひとつはクライムダウン、ひとつは右岸を巻いて降りた。難なく大倉川に出た。
 最初は川幅が広く、徐々に右岸が立ってくる。まもなく笹木沢と出合う。川幅もある程度あって険相ではないがゴルジュとなり、5m、2m、8mと滝が続く。すべて右側を直登する。階段状の簡単な滝を2つ登るとナメ床が多くなる。4mのナメ滝を越え、標高1049mピークの東側に突き上げるはっきりした枝沢が入ったところで小休止をとる。天気は秋雨前線の南下で午後から大きく崩れるとの予報だが、いまのところ晴れている。開けた沢なので暖かくて気持ちがいい。
遡行再開。標高1049mピークの西側に突き上げる沢に出合うまでいくつか滝を越える。その後しばらくは滝がないが、左からすぐ上部で二つに分かれる沢が 入ってから再び両岸が立ち始め、この沢のハイライトに突入する。ちょっとしたゴルジュの出口にある10mの滝は、昨年Mさんたちが来たときはもっと水量が少なくて直登できたとのことだが、今回は右岸を巻く。トラバース途中で足場が脆くしっかりした枝もない部分がある。高巻きではないが、沢への下降もいやらしく、太い枝には懸垂に使ったと思われるスリングが残されていた。3mに続く10mの滝ではシャワークライミングをする。右から枝沢を合わせると再び両岸が立つ。10m滝を直登すると、いよいよ3段40mの鎧滝だ。ここでも沢は明るく、大滝は青空に抜けるようにそびえている。下部の2段を登ってから最後は高度があるのでザイルを出す。Tさんがトップで左側を登る。途中にハーケンと左の立ち木でそれぞれ1ヶ所ずつランニングビレーをとる。最上部はホールドもスタンスも細かくて慎重な体重移動を要する。Tさんの度胸に感謝しつつ、後続もスムーズに登る。
 鎧滝を過ぎてからは、20m斜瀑、いくつかの小滝が続き、標高850mくらいから平坦で穏やかな渓相になる。ブナ林に囲まれて一息つく。水量の多いほうを進むと、薮漕ぎなしで予定通り仙台カゴの南よりやや東で登山道に出た。登山道を東へ1分進むとチョロチョロとした流れのある水場で、ベンチもあった。靴を履き替え、登山道を西に30分強歩き、早朝に車をデポした観音寺コース登山口に戻った。全般的に明るく開けていて、源流部はブナ林で急峻なつめがなく、穏やかな印象を与える。その一方で、いくつも滝を直登できてしっかりと手応えのある沢だった。(J.M)

 
■遡行図


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