夏合宿の二日目。昨晩の酒精の名残を体に感じる気だるい朝だが、天気は今日も容赦なく暑くなりそうだ。涼しい沢であることを期待しつつ、西栗子トンネル出口脇より入渓。
最初はナメ床が続く。2、3メートルの小滝をいくつか越えると新助川に出合う。ここからはゴーロとなる。多くなってきた蜘蛛の巣を払いながら進む。ほどなく山梨沢との分岐点に出る。左右とも沢幅が細くなり、行く手を阻むように薮が鬱蒼と覆いかぶさっている。納涼気分は消えていく。
時に四つん這いになって薮を抜けると再びナメになる。3段5mの滝を越える。小さな岩魚の影に気持ちが和んだのも束の間、熊の引っ掻き跡があり周囲の薮が不気味に映る。笛を吹き吹き、右岸のスラブ壁、右からの涸れ沢を過ぎてしばらくすると二俣に出る。この付近はいよいよ薮が濃く、危うく分岐を見逃しかける。水量の少ない左俣を行くと、三方を10メートル以上の壁に囲まれたガレ場に行き当たる。ここが源頭の直ぐ下だ。左手のちょろちょろ水が落ちてくる方向(北東)に進路をとるが、脆い粘土質なので、右側の薮を急登、一気に稜線に出る。尾根からは南のピークに反射板が見える。北方向に薮へ突入し、山梨沢の源頭を目指す。(J.M)
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