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No.6355
杉田川 安達太良山  阿武隈川支流
山行種別  無雪期沢登り
すぎたがわ 地形図

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山行期間 2020年8月21日(金)
コースタイム 遠藤ヶ滝駐車場(8:10)→F4・8m滝(9:36)→F7二段8m滝(10:19)→作業道跡出合(10:34,10:53)→登山道。仙女平(11:10)→遠藤ヶ滝駐車場(12:23)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます

 
最初に出てくるナメ滝
F1(5m滝) F2(7m滝)

 
F4(8m階段状滝)

 
二俣(水量1:1)
F5(2条8m滝)

 
最後のF7(2段8m滝) 

 
遡行終了点(作業道跡出合)には赤デーブ
登山道の仙女平に出る

行動記録
 久しぶりの「杉田川」。杉田川は初級の沢だが、1年以上も沢登りの現場から離れていたので、初級でも沢はやっぱり緊張している。練習が少ないと、どうしても登攀成功よりも失敗をイメージしてしまう。これを解消するには・・・とにかく登るしかないのだ。
 この日はリーダーは○島さん。誘われて自分がのせてもらった。会員外から初心者の友人〇部さんも参加することになり、計3名で遡行することになった。
 杉田川は安達太良山東側が源流、二本松市杉田地区を通り阿武隈川に流れている。上流部には「安達太良温泉」や「大玉温泉」、「県民の森」や景勝地「遠藤ヶ滝」もあって、マイナーながら地元や県外からのお客が訪れる場所である。現在はコロナ禍でお客は少なくなっているが、それでもお客はそれなりに入っているように見える。
 いものように遠藤ヶ滝遊歩道の駐車場に車を止め歩き出すことに。久しぶりの沢の準備は少々手間取りもどかしく感じた。ここの駐車場の標高は669m、ゴールの仙女平は1180mなので、沢を登りながら約500mほど標高をかせぐ計算になる。駐車場からしばらく遊歩道を歩き、不動明王のまつられた「遠藤ヶ滝不動尊」に到着する。境内の中を通らせてもらい、そこから少し進むと「遠藤ヶ滝」に到着である。ここで今日の無事を祈ってから、滝の裏を回るように進む。遊歩道は現在もここから先は通行止めになっている。理由は先の橋がボロボロになっていて危険ということのようだ。橋はところどころ木の板が腐っていて、載ると落とし穴のように板が抜けてしまう。ここを注意して突破し、その先から入渓する。この日は自分の都合で終了時間が決まっているので、時間短縮でなるべく上流部から沢に入ることにしてもらった。
 今日が初めての沢登りという〇部さんは、飯豊縦走をこなしているくらいなので体力もあり、遡行はあやういようには感じない。登攀以外は慣れれば問題ないように見える。最初のナメの小滝を越え最初のF1( 5m滝)でロープを出す。F1のリードは〇島さんにお願いする。○島さんがフリーで登ってから8ミリロープ落としてもらい安全のために〇部さんを確保する。〇部さんも問題なく登り、自分も上に上がる。F1で〇部さんの様子を見ると心配ないように見えたので、ここからはちょっとスピードを上げて遡行することにした。
 F2(7m滝)も〇島さんのリード。自分は本日はかなり久しぶりなので、〇島さんに全部リードをお願いするつもりだ。F2は右岸から登るが、ちょっと初心者には高度感がある滝になっている。ここも〇部さんはスルスルと問題なく登っていく。逆に久しぶりの自分がちょっと緊張してしまった。
 次のF3(7m滝)は通常は左岸から岩場を巻くのだが、かなり崩壊が進んでいて上段の岩が崩れて落ちて登りやすくなっていたので直登。それでも核心のショートスラブは今までと同じくちょっと注意が必要で、スラブと岩の境目を登っていく。ここは〇部さんも少し苦労しているようだ。それでも自分が最初に訪れたときと比べるとレベルが高い登り方で、初心者には見えない。
 次は古いはしごがあるF4(8m滝)、ここは右岸上部に古い鉄のはしごがあって、それを頼ってしまうと、外れる可能性があるので危ない。〇部さんにはリードの〇島さんの登り方を良く見て、それをまねて登ってもらうようにした。ロープを降ろしてもらって〇部さんがトライする。登りを見ると〇島さんの動きをコピーし器用に登っていくので安心だ。
 次にF5(2条8m滝)が出てくる。ここは左岸が階段状になっているので楽に登ることができる。ここは安全なので〇島さんに失礼して、ここは自分がリードし、全員ロープなしで登ってみる。
 後は小滝が連続し、ヘツるも良し、ドボンも良しで、初心者でも楽しく遡行ができる区間である。ただ、危なげない登攀をしていた〇部さんは、逆に平らな場所で滑ったり、危なげないヘツりでドボンしている。フリクションを利かして遡行するのにまだなれないようだ。緊張しているときとしていないときで、結構差があるらしい。
 F6(トイ状V5m滝)は右岸の草付き泥壁をロープなしで登る。ここは以前、金〇くんが苦労してロープを出して登ったところだ。もう何年になるだろうか、あれから杉田川には全く訪れていなかった。再び訪れることができて感慨深いものを感じた。
 水量1:1の二俣を右に入って少し進むと、最後のF7(2段8m滝)にたどりつく。右岸側のスラブに以前にはなかった穴が2つほど空いていて、登りやすくなっていた。年月の変遷を感じた瞬間だった。ここは〇島さんのリード。〇部さんもノーロープで危なげなく登る。左岸から1段目をクリア、水線を横断し2段目は安全な右岸から登る。ここをクリアすれば、あとは作業道跡の出合まで水線を登るだけである。
 しばらく登っていくと左岸に目印の赤テープがある。いままで赤テープを見逃し通り越したことはないが、吾妻の大滝沢で巻道の赤テープを見逃して失敗したことがあった。ここは注意深く探しながら進む。見逃しても今はGPSがあるので現在地確認は楽になった。
 ようやく赤テープを見つけて、ここで多めに休憩をとった。ここまでほとんど休憩らしい休憩はしなかったが、体力ある〇部さんはまったく問題ないようだ。15分程度休憩をしたのちに、登山道を仙女平まで平行移動する。いつもはヤブをかき分けて登山道・・・・というか道なき道をGPSと経験を頼りに進んでいたが、今回は刈り払いがされていて、すこぶるラクチンだった。話は聞いていたが、どなたがやってくれたのだろうか。感謝しかない。
 20分くらい歩くと仙女平に到着。ここからは安達太良山の表登山道を高速で下山する。最後まで下ると再び舗装道を戻るようになるので登山道の途中で遠藤ヶ滝駐車場側にショートカットで下ることにする。道がない山の中を進むことになるが、比較的疎林なのでこれで15分は違うと思う。最近の登高会の杉田川遡行では、完全に定番になってしまっているラインでもある。
 道のない樹林帯を突破し駐車場に着くと予定していた時間より30分以上早かった。自分のわがままを聞いてくれた仲間に感謝である。今回沢登りが初めての〇部さんに感想を聞くと、「とても楽しかった・・」と言っていただいた。機会があればまたご一緒していただきたいものである。(秀)

GPSログ 往路=赤 復路=青
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Googleマップ 往路=赤 復路=青

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