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No6334
温海沢 吾妻山  最上川流域松川支流
山行種別    無雪期沢登り
ぬくみさわ 地形図

トップ沢登り>温海沢

山行期間 2020年7月12日(日)
コースタイム
駐車地点(8:54)→松川入渓(8:57)→温海沢出合(9:44,9:49)→温海橋(9:57)→堰堤(10:05)→堰堤(10:13)→すだれ状8m滝(10:31〜10:41)→6m滝(11:12〜11:32)→12m滝(11:50〜13:35)→石垣・右岸(14:12)→石垣・左岸(14:18)→不忘閣ヒュッテ跡(14:34)=駐車地点(15:30)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
大平集落先の林道から出発する 林道から松川に入渓する しばらくは松川を進む
温海沢出合 林道に架かる温海橋が見えてくる 最初の堰堤
2つ目の堰堤を越える 4m斜瀑 すだれ状に流れる8m滝
シャワークライミングで直登する 下部が広い幅広6m滝は右岸から登る 階段状6m滝はロープを出して練習
5m滝 のっぺり岩の6m滝 4mナメ滝、滝が連続して出てくる
ハングしている12m滝 右岸から巻きに入る 慎重に高巻く
トラバースするが泥と岩が滑る すぐ上にも10m滝がある ナメが連続する
4m滝 穏やかな渓相を進む 右岸に石垣が現れた
ヤブが気になってくる 不忘閣ヒュッテ跡に到着 不忘閣ヒュッテ跡を示す標柱

行動記録
 先週に引き続き熊○さんがトレーニングのための沢登りを企画してくれた。今日遡行する温海沢は最上川流域松川の支流のひとつで、会では1978年の記録があるだけなので遡行するのはそれ以来となる。(※なお、1978年の記録では沢の名前を温海沢ではなく横川としている。)
 沢トレなので、大○さんがリーダーで3人で遡行するという設定とした。車を1台不忘閣ヒュッテ跡にデポし、大平集落先の林道の駐車地点からスタートする。林道を歩いて温海沢に入渓するのではなく、駐車地点からそのまま松川に入渓した。松川は穏やかな渓相で、途中淵をへつったり、少し水流の強い所でスクラム徒渉の練習をしたりと楽しみながら進んだ。松川を50分程遡行するとようやく温海沢出合に着く。松川は笹濁りだったが温海沢の水は澄んでいる。ここからが本番である。
 温海沢に入り10分程進むと温海橋が現れる。更に進むと堰堤が2つ連続する。しばらく滝らしい滝は現れず河原歩きが続くが、出合から45分程のところで水が幾筋もの線状に流れ落ちる8m滝(すだれ滝)が現れる。大○さんが先行し、シャワークライミングで左岸を登る。8m滝を過ぎると今度は下部が広がった幅広の6m滝で、この滝は右岸から登る。更に段状の6m滝。この滝は私がトップでランニングビレーを取りながら登りることに。アンカーを構築することになり、先週のトレーニングの成果を出すつもりが、打ち込んだハーケンが抜けたり、支点を倒木に取ってしてしまうなど問題だらけの結果で大いに反省することとなった。
 その後も直登出来る滝が連続し、快適に進んでいると標高800m付近で下部がオーバーハングした12m滝が現れた。直登は無理と判断し比較的容易と思われる右岸から巻くことになった。大○さんがトップでランニングビレーを取りながら進む。岩が立っていてスタンスも取りにくいため慎重に進む。トラバース気味に計3ピッチで滝の落ち口に出ることができた。12m滝の上には直ぐに10m滝が続く。この滝も直登せずに左岸から慎重に巻く。
 この先は大きな滝も無くナメが連続する。不忘閣ヒュッテ跡が近づいた頃、右岸に苔むした石垣が現れた。しばらく進むと今度は左岸にも石垣が現れた。沢のカーブに沿って積まれており、昔の護岸の跡なのかと思われる。徐々に沢のヤブが濃くなり、やがて右岸側が明るく開けると不忘閣ヒュッテ跡に到着である。温海沢は1978年の記録にあるとおり、「出合の平凡さからは想像できない意外な滝の連続に十分満足する」沢であった。(遠)

※追記:松川支流の温海沢は、昭和51年1月30日発行(明治41年測量、昭和49年編集)の5万分の1地形図に「横川」と記載されていましたが、現在の電子国土webに沢名の記載はありません。米沢市によりますと国土基本図に温海沢とあり、温海林道の橋の名称も温海橋となっています。福島登高会が昭和56(1981)年4月1日に発行した「吾妻山その渓谷美をたずねて」には横川として記録が掲載されています。
 私たちが沢名を特定する場合は、国土地理院地図や市販の各種地図、ガイドブックや郷土資料など各種出版物なども調べます。それでもわからないものも多くあります。そうなると現地の人たちからの聞き取りや林道などに架かる橋の名称などから推察することになります。場合によって森林管理署の地図や小字台帳などで調べたり、特定できずに無名沢として整理する場合もあります。
 沢の名称も調査時の聞き間違いや誤って言い伝えられたりすることもありますし、また時代の流れの中で変遷することもあります。私たちのホームページでは今回の山行記録から国土基本地図にも記載されています「温海沢」の名称を使用することとします。(編集:和)

.遡行図
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