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No5879
末沢川・彦七沢
朝日連峰 三面川流域
山行種別    無雪期沢登り
すえさわがわ・ひこしちさわ 地形図

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山行期間 2018年7月15日(日)〜16日(月)
コースタイム
7月15日
駐車地点(8:21)→尾根(9:22)→下降点(9:41)→柴倉沢(10:50)→末沢川出合(10:58)→大立堀沢出合(12:41)→彦七沢出合(13:06)→テン場(13:13)
7月16日
テン場(6:29)→彦七沢出合(6:35)→5m滝(7:11)→510m二俣(7:29)→530m二俣(8:05)→6m滝(8:09)→枝沢出合(10:10)→尾根(12:11)→針生山(12:58)→704m標高点(13:50)→針生沢(14:22)→駐車地点(15:00)
写真(15日) 写真は拡大して見ることが出来ます
踏み跡を荒川へ 吊り橋を渡る 尾根へと登る
末沢川の深い谷が見える 踏み跡を下降する 6m滝を懸垂下降
柴倉沢に出る 出合のテン場 末沢川出合
穏やかな末沢川を遡行する 右岸のテン場は釣り師パーティ 難しい箇所は無い
2mの小滝 ミニゴルジュを通過 大立堀沢出合
彦七沢出合 涼むおふたりさん 河原にタープを張る
師匠の手ほどきを受ける いざ出撃 イワナ寿司

行動記録
7月15日
 末沢川と彦七沢の沢登りに行かないかと中井○さんから誘いがあった。彼のことだから釣れる沢を選んだのだろうが、自分は聞いたことがない沢だった。小国町は五味沢の針生平から、袖朝日岳から続く県境尾根を新潟側へ越えて入渓するのだという。そう聞いてなんとなく場所はわかった。中井○さんは末沢川にしばらく前に釣りで入ったことがあるというが、2日目に詰め上げて尾根を越す予定の彦七沢は初めてだという。情報も少なく、あるのは末沢川を袖朝日まで遡行したものや、釣り師の記録が散見される程度だ。中井○さんの釣行に付き合わせてもらうような気持で参加することにした。羽○さんも誘い3人となったが、このトリオでの沢登りは昨年の赤石沢以来となる。
 小国町の中心部から五味沢へと向かう。徳網集落の最後の民家を過ぎて200mほど行くと、中井○さんがこの辺りだという。堰堤の下流に踏み跡を見つけ荒川へと降りると吊り橋があった。手作り感あふれる吊り橋で、ワイヤーから丸太を吊っているのは針金1本という心細さだ。吊り橋を渡らずに堰堤の上流で渡渉できそうだが、中井○さんは既に渡り始めている。ひとりずつ対岸に渡ると踏み跡を上流へ辿り、堰堤を越えると斜面を登っていく。この道は杣道なのかゼンマイ道なのか分からないが、とにかく尾根には登っていくようだ。気温もうなぎ上りで汗だくになりフラフラするほどだ。熱中症になりそうだと言いながら1時間ほどで尾根まで登った。
 尾根から右へ踏み跡を辿り柴倉山を過ぎてから、この辺だと中井○さんが当たりを付けた薄い踏み跡を下降する。結構な急斜面を下っていくと、そのうち踏み跡がなくなり沢筋に入ってしまった。6m滝を懸垂下降すると柴倉沢に出た。すぐ脇には赤布があり踏み跡が下ってきていた。我々はどこかで踏み跡を外してしまったらしい。柴倉沢を距離にして200mほど下降すると末沢川に出会う。出合には釣り師の定宿らしいテン場があったが、今日は空室のようだ。穏やかな流れの末沢川で熱った体をクールダウンする。
 ゆっくり遡行していくと右岸にテン場がありブルーシートが張ってあった。おそらく前日から入っている釣り師だろう。単調な沢歩きが続いていたが、やがて淵や小滝が現れる。特に難しいところはないので水線突破を基本に楽しむ。左から大立堀沢が合わせると、やがて3人の釣り師が見えてきた。もう釣ったのでどうぞと快く先を譲ってくれたのでひと安心。右から彦七沢が合わせると、後ろの釣り師達は様子を見ると言って彦七沢へと入っていった。我々はこのまま末沢川を遡行してテン場を探すことにした。
 小滝の手前に河原があったのでテン場とすることにした。増水すればすぐ流されるほど低いが、今日明日はその心配はあまりないだろう。タープを張ると3人で釣りに行く。釣果は中井○さん2匹、羽○さんはビギナーズラックか1匹釣れ、自分はアタリがあったもののバラシてしまいその後全然ダメ。まあ3匹にはなったので良しとしよう。焚火を起こして夕げとする。中井○シェフのイワナ寿司と唐揚げに舌鼓を打つ。いつものことだが本当に美味しい。徐々に辺りは暗くなり焚火を囲んでゆっくりと飲む。飲み物だけでも3キロ担いできたかいがあるというものだ。静かに夜が更けていった。

写真(16日) 写真は拡大して見ることが出来ます
彦七沢へ入る 沢は小ぶりになる 5m滝は左岸から巻いた
小滝を越えるのが楽しい 泳いで取り付く お助けひもが大活躍
6m滝は右岸を高巻いた オッサンには辛いつっぱり チームだから越えられる滝がある
枝沢を登る 高度を上げる 雪渓が現れる
雪渓が下になった 急な沢筋を登る 尾根に出た
南東には祝瓶山 分岐目印のキリツケ 針生平の林道で戻る

行動記録
7月16日
 朝はすっきりと目が覚めた。シュラフカバーのみの中井○さんは寒かったようだが、シュラフの2人はぬくぬくと安眠できた。蚊にもほとんど刺されず昨年とは大違いだ。朝食をすませて撤収すると、彦七沢出合まで沢を下降する。彦七沢へ入ると沢幅が狭くなる。小滝や淵が続くが大半は水線突破で越えることができる。ただし両足ツッパリは体の固いオッサンにはちょっと厳しい。やがて直登が難しそうな釜のある5m滝が現れたが、左岸から高巻くと灌木を利用して沢に戻ることができた。二俣になり本流と思われる左へと入る。両岸が迫り沢幅が廊下のように狭い。
 また二俣となり今度は右へと進むとすぐ、登れない6m滝が現れた。高巻くにしても両岸は立っている。二俣まで戻り右岸から高巻くことにした。かなり斜度のある右岸にロープを2ピッチ伸ばしてトラバース。沢に戻るのに懸垂下降かと思ったが、上手い具合に灌木伝いに降りることができた。見れば滝の落ち口の少し上で、ここしかないと思われるジャストポイントだった。この高巻きに約1時間ほど要した。その後も突っ張りにお助けひもにシャワークライミングと、ちょっと小難しいところも3人いれば何とかなったりするものだ。
 計画では彦七沢の途中から枝沢で県境尾根に登る予定だが、どの枝沢を登るかは現地判断だという。枯れた枝沢が出てきたので、地形図も見てここを登ってみようということになった。尾根までは標高で300mちょっとあるが、順調なら1時間強と踏んだ。登っていくと640mで雪渓が現れた。その上の滝は直登が難しく、ズルズル滑る左壁を手こずりながら登ったが、さらに上にも滝が続いている。沢に戻っても厄介だろうということで、小さい沢筋があったのでそこを尾根まで登ることにした。結構な急斜面で灌木を頼りに登る。浮石も多いので注意していたが、トップの自分が踏んだ石が落ちてしまい中井○さんにぶつかった。握りこぶし2つほどの石だったが、ヘルメットで守られホッと胸をなでおろす。いやはや冷や汗をかいた。暑さもあり注意力が低下しているのかもしれない。こんなところ今まで誰も登っていないだろうと話していたら、茶碗のかけらとスプレーのプラスチック部分が落ちていて驚いた。その後も急斜面の登りが続き、彦七沢から2時間弱を要してやっと尾根に出ることができた。
 尾根の杣道を辿ると分岐があり右へと降りる踏み跡がある。少し降りてみたが小尾根を辿っており、おそらく彦七沢まで降りているのではないかと思われた。この踏み跡を知っていればもう少し楽に尾根に登れたのかもしれない。戻って尾根を針生山へと向かう。計画では針生山の手前から南斜面を下降し、針生沢に入ってそのまま沢を下るというものだ。しかし、予定より遅れていることと下降の時間が読めないことから、協議の結果このまま尾根通しに歩くことに変更した。今度は左へ分岐する踏み跡があり最近刈り払いされたようだ。針生山の三角点を確認しさらに進んで眺めの良いところで昼食とした。うす曇りだが蒸し暑くてかなわない。各自の水も乏しくなってきたので先を急ぐことにした。
 左手前方下に針生平が見えてきた。なぜか焚火跡のある704mピークから、左に折れて小尾根の踏み跡を下る。灌木に掴まらなければとても下れない急斜面を下り、少し緩くなると今度は松の枯葉でフェルトが滑りまくり(中井○さんのラバーソールは大丈夫)参った。高い気温にハアハア言いながら下り針生沢の渡渉点に出た。助かったとばかりに沢に入り頭から冷たい水を被る。まさに生き返るとはこのことだ。ひとしきり涼んでから針生平の林道に出て駐車地点へと戻った。
 今回は思ったより内容が濃かった。中井○さんは想像より厳しかったと言っていたが、情報が少ない沢ということもあり自分としては結構面白かった。2回の尾根越えは暑くて参ったが、盛夏なのでこればかりは仕方がない。末沢川は今回より上流に滝があるようだが、機会があれば稜線まで詰め上げてみたいものだ。(熊)

.ルート図 登り=赤 下り=青
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平30情複、 第400号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。

トラック 登り=赤 下り=青

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