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No.5423
鹿打沢 二口山塊 名取川穴戸沢支流
山行種別 無雪期沢登り
ししうちさわ 地形図

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山行期間 2016年10月23日(日)
コースタイム 林道ゲート(8:23)→入渓(9:16)→二俣(9:38)→二俣(9:57)→12m滝(10:16)→休憩(10:50,11:20)→昼食(12:23,12:45)→トラ滝(12:51)→大東岳(14:23)→登山口(16:09)→林道ゲート(16:44)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
林道ゲート 橋の手前を左へ 鹿打沢に出合う
最初の3m滝 ゴーロが続く 二俣を右へ
次の二俣も右へ 12m滝 すぐの二俣の左俣5m滝
右俣2m+4m滝 沢は細くなる 伏流になる
涸れ沢を登る トラ滝が現れる 水流は無い
右から高巻く 傾斜が増す 露岩でお助けロープを出す
登山道に出た 無人の山頂 登山道で下山する

行動記録
 23日は事情により遠出ができないので、二口山塊の沢に行くことにした。鹿打沢は大東岳の東面を突き上げる沢で、ネット検索では遡行記録が少ないが、登山大系には「流域では人気の沢」と記載されている。まずまずの天気という予報を信じて向かうことにした。
 途中でH田さんと落ち合い二口へと向かう。野尻集落を過ぎて橋を渡り、右の穴戸沢林道へと入る。ソバ畑に20〜30匹のサルの群れがいるのを横目に進むと、ゲートが現れ車はここまでとなる。沢支度をして穴戸林道を歩き始める。穴戸沢沿いの林道を45分ほどで穴戸橋があり、その手前の分岐を左へ入る。分岐からは300mほどで鹿打沢に出合う。
  入渓してすぐの小滝を越えるとゴーロが続く。左岸に踏み跡があるようで立木にマーキングがある。20分ほど歩くと二俣に出合い右へと進む。次の二俣も右へ進む。やがて12mほどの滝が見えてくる。高さは12mほどで左壁を登れそうにも見えるが、落ち口付近が嫌らしそうだ。高巻くことにして左岸から登ると容易に落ち口の上に出た。すぐ両方が滝の二俣になる。左は5m滝で右も2段滝になっているが、地形図を見ると右俣のほうが本流である。右の2m+4m滝を登ると細くなった沢を辿る。ナメが続くがゴーロとなり、急ぐこともないのでゆっくり休憩する。今日のパートナーのH田さんは自分からしたら娘のような年齢だが、山を歩き山菜やキノコを見つけるのが楽しいという面白い娘だ。だから話も同年代よりオッサンのほうが合うのだという。
 遡行を再開するとやがてヤブが被るようになってきて伏流となり水流が消える。沢形も不明瞭になり枝分かれすると、幅広いヤブ斜面の中に消えてしまった。山ブドウの蔓が絡まるヤブこぎとなり、迷ったかなと思いながら登っていくと灌木帯になった。やれやれと左手に寄っていくと岩壁が見えたので、トラバースすると涸れ沢に降りることができた。傾斜のある涸れ沢を登っていくとガスが濃くなってきたので、小雨でも降る前にと昼食を取る。山の天気は予報と違って当たり前とは思いながらも、ちょっとガッカリである。さらに登っていくと前方に垂直の岩壁が現れ、岩溝のような黒い滝が見えた。これがトラ滝だろう。滝とはいっても僅かな水が岩を濡らす程度伝い落ちているだけだ。高さは25mほどだが、直登しようとすると濡れて黒光りする岩はかなり悪そうで、自分レベルの手の出る滝ではない。右壁から高巻くことにして弱点を探ると、灌木があり何とか登っていくことができる。ある程度登ってから左へトラバースしていくと沢が見えたので、灌木伝いに下降し沢に戻ることができた。
 沢はさらに細くなり傾斜を増してヤブが被るようになってくる。沢というより岩溝のようになり、かなりの傾斜になってくるが両側の灌木頼りに登っていく。やがて露岩に草付きとなり、ここでH田さんに今日初めてのお助けロープを出した。晴れていればかなりの高度感が味わえるだろうが、あいにくガスっているのでさっぱり分からない。稜線が近づくと再度急斜面のヤブに突入する。腕力頼りに15分ほど漕ぎ、最後は背の高い笹を掻き分けると山頂より80mほど南で登山道に出た。いちおう山頂を踏んだが、ガスで眺めもなく風があるのですぐ下山にかかる。
 登山道を下っていくとガスの下に出たのか陽が当たってくる。平地は予報どおりということのようだ。下山ルートは登山道の途中の鹿打林道分岐から踏み跡をたどり、林道へ降りることを考えていた。しかし、このルートを歩く者は少なく、落ち葉で踏み跡も定かではないので登山道をそのまま下ることにする。登山口からは舗装路を30分ほど歩いて車まで戻った。
 鹿打沢はゲートが無かった頃は林道からのアクセスも良く、それなりに遡行されていたのだろう。しかし、ゲートが設置されて以降は余分な時間を要するようになり、遡行者も減少したのだと思われる。今回の遡行では「流域では最も人気の高い沢」とされる要素は何なのか今ひとつ分からなかったが、晴れていれば大東岳に突き上げるのは爽快であっただろう。二口山塊は比較的近いのだが、近いが故にいつでも遡行できるという感覚があったのか、それほど足を踏み入れてこなかった。しかし、今シーズン二口山塊の沢はこれで6本目である。まだ遡行したことのない沢はあるが、自分としては宿題をひとつ片づけたような気分である。(K.Ku)

ルート
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平28情複、 第162号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。



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