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No.5371
矢尽沢左俣 船形連峰 大倉川流域
山行種別 無雪期沢登り
やつくす(やつくし)さわひだりまた 地形図

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山行期間 2016年7月24日(日)
コースタイム 定義山駐車場(8:30)=4k地点・車デポ=矢尽橋(9:08,9:15)→二俣より入渓(9:16)→10m滝(11:06)→二俣・1180m(12:17)→後白髪山頂(13:14,13:45)→4k地点(15:02)=駐車場(16:00)
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定義林道へ 矢尽橋 二俣より左俣へ
5m滝 6m滝 すぐ上の4m滝
釜のある5m滝 2段7m滝 滝の合間のゴーロ歩き
小滝の大きな釜 ここだけロープで引いた 小滝が続く
釜のある7m滝 ここはお助けロープ
6m滝
倒木利用で登る 10m滝 5m滝
12m滝 8m滝 上部のハングが難しい
二俣(1180m)を右へ 後白髪山頂 4k地点に戻る

行動記録
 矢尽沢は船形連峰の後白髪山(うしろしらひげやま)の南西面を流れ、大倉川に合わせる沢である。登山大系では遡行時間6〜7時間とされ、左俣は直登可能な滝が連続して充実した沢登りが楽しめるとある。東北地方はまだ梅雨明けしておらず、はっきりした天気ではないが向かうことにした。
 定義山駐車場から舗装路を2キロほど走り、右手の定義林道へと進む。未舗装でかなりの悪路なので、車高の高い4駆でなければ厳しい。今日は千◯さんがパジェロミニで、自分は軽トラと万全を期した。林道と登山道が交差する「4k地点」に1台デポし、もう1台で矢尽橋(矢盡橋)へ到着。橋から上流へ向かうとすぐに二俣で左俣に入渓する。集水面積が大きくないこともあり小ぶりな沢という印象。入渓して数分で最初の滝が現れる。この黒い5m滝は容易に直登できる。次の6m滝の右壁を登ると、左に曲がってすぐの4m滝は水流脇を直登。
 釜のある5m滝は釜に入って取り付き直登する。巻いたりへつったりするより手っ取り早いが、気温の高くない今日は少し冷たい。次の2段7m滝は左壁を直登する。その後はしばらくゴーロと釜のある小滝が続く。泳ぎの苦手な羽◯さんだが、10mほど泳ぐところがあったので先行する千◯さんにロープで引いてもらう。
 さらに小滝を楽しく越えてゆくと、釜のある7m滝が現れる。直登できるが羽◯さんにお助けロープを出す。6m滝は倒木利用で登り、ここも羽◯さんにはお助けを出す。次の10m滝がこの沢の核心だろう。千◯さんは右壁にある2箇所の残置ハーケンを利用してするすると登り、ロープを降ろしてくれた。自分が登り始めるがスタンスホールドが細かく緊張した。羽◯さんも無事登ってひと息つく。その後も滝は続く。5m滝を登る千◯さんは、あえて難しいラインを取っている。もちろん我々は無難なラインだ。
 12m滝は階段状だが、黒い岩がヌメり高さもあるので慎重に。状況によってはロープを出したい。次の8m滝は上部2mがハングしている。そのハングを千◯さんはクリアしたが、我々はそこだけ右に逃げた。なお、この滝は右岸から容易に巻けるようだが、それでは面白くないだろう。最後の4m滝を越えると二俣(1180m)を右に入った。右俣は涸れていて、しばらく登ると沢形が消えてヤブに突入。思ったより濃いヤブと30分ほど格闘すると、ほぼ山頂の登山道に出た。我々しかいない山頂で遅い昼食をゆっくり食べる。下山は登山道を辿り、4k地点のデポ車に到着。もう1台を回収すると林道を定義山へ下り、三角あぶらあげ(130円)を食べて帰途についた。
 矢尽沢左俣は小滝を除いても、4m以上の滝が13箇所を数える。いずれも直登可能であり、夏に積極的に水に入って遡行すれば面白い沢だろう。今回の詰めは山頂ダイレクトを狙って二俣(1180m)を右に入った。しかし、水流を追って後白髪山の北側P1360mとの鞍部に出た方が、ヤブこぎはずっと楽だろう。下山途中の登山道から南沢に下降し、矢尽橋に戻ればかなりショートカットになり車も1台ですむと思われる。機会があれば試してみたい。(K.Ku)

※矢尽沢は「やつくしさわ」か「やつくすさわ」か、どちらが正しい名称なのかはわからない。橋の銘板には「やつくすさわ」と記載されているので「やつくすさわ」として整理した。なお沢の名称や地名などは地元の方によっても異なることもあり、一概にどちらが正しくて、どちらが間違いとも言えない。林道の橋の銘板も聞き取りによって付けられた名称であると推察されるが定かではない。(会)

ルート
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平28情複、 第162号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。



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