Fukushima toukoukai Home page
No.4998
表入道沢 蔵王・白石川児捨川流域垂清川支流コガ沢
山行種別 無雪期沢登り
おもてにゅうどうさわ 地形図

トップ沢登り>表入道沢

山行期間 2014年8月9日(土)
コースタイム 白石スキー場(8:31)→コガ沢入渓(9:08)→5mナメ滝(9:32)→権現沢出合(10:03)→10mナメ滝+10m滝(10:19)→表入道沢出合(10:55)→二俣(11:33,11:45)→登山道(12:15)→水引入道(12:21,12:39)→白石スキー場(14:01)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
コガ沢下部はゴーロ歩きが長い 5mナメ滝は右から容易 権現沢出合手前の4m滝

権現沢出合(滝で落ちる左俣が権現沢)
水が冷たいのでへつって越える 3m滝(右の凹を突っ張りで)
10m滝(ロープはここだけ) コガ沢上流には雪渓が残る 表入道沢に入る
水は少ない 3m滝 8mCS滝
8m斜滝 2m滝 3m滝
4m斜滝 細流の5m滝(左岸から巻く) 二俣を右俣へ
南屏風岳の稜線 ヤブを漕いで水引入道直下の岩稜を目指す 岩稜を登るTさん
岩稜頂部 水引入道山頂 天気が崩れないうちに下山

行動記録
 台風11号の接近により今週末の天候はどこも雨マーク。でも土曜日は朝晩降りそうだが、日中は曇りで何とか持ちそうだ。というわけで遠出は避け、地元の蔵王で遊んでみることにした。Tさんの提案もあり、コガ沢の枝沢である表入道沢を登ることにした。この表入道沢は登山大系のコガ沢概念図に記されてはいるが、遡行記録はない。小さい枝沢であり、概念図に滝マークも無いところからすると、スカ沢の可能性も強い。しかし、水引入道(1,656m)に突き上げているので、もしかすると上部は登攀的な沢の可能性もある。地元の山を深く知る機会にもなるので、調査の意味合いも込めて向かうことにした。
 白石スキー場に到着するとシトシト雨模様。とりあえず行ってみようと準備をしてスタート。登山道が沢へ下りたところで入渓する。しばらくはゴーロ歩きが続く。5mナメ滝、4m滝と越えて権現沢出合。右の本流へ進み、次々と現れる滝を登る。ロープを出したのは、上部の滑った岩が嫌らしい10m滝のみ。昨年よりも今回は岩のヌメリを強く感じた。油断すると思わぬ所で滑ってしまうので要注意。滝が一段落すると右から表入道沢が出合う。小沢で水量も少ないので、気を付けていないと見落としそうだ。コガ沢にはまだ雪渓が残っていた。その先には8m滝が見える。
 表入道沢に入ると倒木の枝や幹が多い。水量も少なく既に源頭の雰囲気。スカ沢(ハズレの沢)かもと話しながら登っていく。表入道沢はナメ沢で岩はヌメるが、勾配が思いのほか緩いので登るのは容易だ。3m滝を越えると、○樹さんが昨年単独で来てここで引き返したという8mCS(チョックストーン)滝が現れる。下部は斜滝で容易に登れるが、最上部に大岩がドンと乗っている。ガバホールドがあれば越えられそうだがそれがない。スタンスもないので、ショルダーでまずTさんを上げることにした。自分は下げてもらったシュリンゲをアブミ代わりにし、少々苦労したが上がることが出来た。その後の滝は容易に直登できる。直登が困難な細流の5m滝を左岸から巻くと、二俣になったので一息入れる。
 地形図を見ると二俣の左俣は、水引入道と主稜線のコルにある水引平辺りに出そうだ。水引入道は南側の山頂直下にちょっとした岩稜があり、今日はそこへ突き上げるであろう右俣へ進むことにする。右俣へ入るとすぐに水流が消えヤブが被さってくる。ちょっと早いのではないかと思いながらヤブを漕いでいくと、やがて沢形がハッキリしなくなった。ヤブが低くなって頭が出たので見渡すと、右上方に目指す岩稜が見えたので右に進路を振る。後方には南屏風の稜線と不忘山が見える。ヤブこぎ30分未満で岩稜基部に取り付く。基部を左に回り込みながら登って登山道に出た。水引入道の山頂まで登ると昼食休憩。下界は雲海の下だが、スキー場より上はガスもなく穏やかな天候。低めの気温が動いた体には心地良い。下山は水引入道コースの急登を下る。コガ沢右岸の蒸し暑い登山道を歩き、白石スキー場へと戻った。雨で撤退もあるかと考えていただけに、思いのほか天気が持ってくれた今日は儲けものだった。
 表入道沢は沢登りとして見れば、取りたてて遡行するほどの沢ではないとも言える。コガ沢の枝沢のひとつであり、それ以上でも以下でもない。しかし、その山域を知るという上で、ひとつひとつの沢はやはり登ってみなければ知り得ない部分がある。今回の沢登りでは、水引入道南面の状況がだいぶ掴めたように思う。山スキーのラインのヒントもあった。そういう意味では、我々にとっては価値があったといえるだろう。特に難しいところは無いが、コガ沢本流の岩のヌメリには注意が必要だ。滑落は数mの高さでも行動不能になる可能性がある。水引入道の岩稜基部の岩はもろいので、落石にも注意したい。なお、ロープは30m1本で間に合う。(K.Ku)

国土地理院地図(電子国土web)で見る
トラック

より大きな地図で 2014.08.09_ゴガ沢・表入道沢 を表示
ルート


Copyright(C) 2014 福島登高会 All Rights Reserved.