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No.4993
烏川左俣 安達太良山系・杉田川支流原瀬川流域
山行種別 無雪期沢登り
からすがわひだりまた 地形図

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山行期間 2014年7月21日(月)
コースタイム 奥岳(6:05)→入渓(6:10,6:20)→烏川橋(6:44)→湯樋(7:10)→二俣・右俣出合(8:13)→左俣大滝(8:30)→二俣・右沢出合(9:35)→登山道(10:11,10:41)→薬師岳展望台(11:11)→奥岳(12:03)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
あだたら渓谷自然遊歩道から入渓する 12mの魚止滝 水量も多く緊張する
なんとか通過 烏川橋の下をくぐる 水流もいくぶん弱くなり緊張が解ける
先に湯樋の橋が見える 奥に斜瀑が見えた 小さなゴーロ帯
2mの小滝、水量は多い 灌木が沢に被さってくる 左俣の大滝は階段状で高度を上げる
次の二俣、カレ沢付近 ハイマツの上を這って登山道を目指す ようやく登山道に出ると安達太良山の稜線が見える

行動記録
 昨日の天気予報では本日は曇り時々晴れの予報。今日はまずまずの天気であろうと思っていたが、朝、出発点に車で向かうと雨が降っていた。心配になり入渓地点で沢を確認。やはり沢は轟轟と暴れており、少なくとも時間通りの入渓は難しいと判断した。そこで上流なら少しはマシだろうと奥岳駐車場の遊歩道付近を確認。上流部は遡行ができそうなので計画を変更し準備をした。
 遊歩道下流の橋から入渓。最初の2mと2段2mと3mの滝はナメ滝ということだが、水量が多く、よくナメの雰囲気が確認できない。シャワーを浴びながら登り、12mの魚止滝を確認する。ここは諸先輩方も遊歩道を巻いているようなので、同様に遊歩道を利用し巻く。よく見ると左岸の上部なら登れそうだが、ロープが必要であろうということと、下部の取り付きのイメージが全くできないため、自分には無理だろうと見た。
 魚止滝の上もナメが続いている。しかしながら水量が多く、自分も同行のW君も初級者であるため油断すると足をすくわれそうになる。気持ちを切らさないようにしながら烏川橋にたどり着き、とりあえず一段落。その後幾つかの滝を越え、7時10分、湯樋が横断している箇所にたどり着く。ここに来てなんとなく水量が減ってきていることに気付いた。
 湯樋からは1m程度の滝が連続して続き、4mの斜瀑にたどり着く。この滝は右岸から登る。しばらく小ゴーロが続き、2mの滝を越えたあたりから灌木が覆ってくる。体力不足と沢登りの慣れ不足からくる疲れが徐々に出てきているようだ。その体に灌木の障害はきつく、前に進もうとしても灌木に押し返され無駄な体力を使ってしまう。灌木歩きの中、左俣と右俣を確認する。
 8時30分、左俣を進み少し灌木が少なくなったと感じ始めたところ突然大滝が現れた。記録では高さ40m長さ80m。灌木の暗がりを徘徊し疲労が蓄積してきたところに不意に青空と巨大な階段上のナメ滝が現れたので、とても色濃く光って見えた。
 小休止後に登り始める。真ん中を登っていったが上段の角度が変わる箇所で左岸側にトラバースし完登する。続くW君は真ん中をまっすぐ完登した。その上に5m程度のナメ滝があり、そこを越えるとまた灌木が張り出してくる。ここからは我慢の連続であった。
 灌木とネマガリダケに苦しめられつつ遡行を進め、登山道へのカレ沢を探す。灌木のトンネルをくぐりながら少し上を見ると、新しいゴミの塊が灌木に引っかかっていた。それから推測すると、ここ数日前の大雨で、今、屈んで進んでいる空間のほとんどが水没していたことがわかる。少々戦慄を感じつつゲリラ雨の気配にも気を付けながら慎重に進む。
 この辺りから2〜3分くらいの休憩を断続的に取り、体力回復に努める。カレ沢を発見し登り始めるが簡単には越せない土壁がいくつか出現し、小さな巻きを繰り返す。登山道付近に来たのか人の声が聞こえるが、ハイマツなどの灌木が密度を増し、視界と行く手を阻んで一向に進まない。そこで灌木の枝に足を掛け、空中を継いでいくと登山道に出た。記録等を見ると場所によっては簡単に登山道に抜けられるようであるが、自分達の詰めのルートはハズレだったようだ。10時11分、登山道に辿り着いた。突然現れた自分たちを見て、登山者から「遭難していたのですか」と聞かれたので、少々の説明と苦笑いで返した。表登山道の分岐付近で大休止。ここでブランチとした。下山路は勝手知ったる、薬師岳、五葉松平経由の登山道である。膝の痛みや疲れを逆に楽しみながら、12時03分、奥岳駐車場に着いた。
 今回の沢は、会に入って初めて自分で計画した企画である。諸先輩方の暖かいアドバイスと天候と同行のW君のおかげにより、一部計画の変更はあったものの無事終えられたことに深く感謝したい。(S.Su)

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ルート

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