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No.4669
三階滝沢
蔵王・白石川松川流域澄川支流
山行種別 無雪期沢登り
さんがいたきさわ 地形図

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山行期間 2012年8月18日(土)
コースタイム 遊歩道駐車場(9:47)→澄川(9:51)→三階滝沢出合(10:39)→60m滝(10:45)→巻き(10:56〜11:23)→25m滝(11:42)→巻き(11:50〜12:05)→白龍の滝(12:26,12:39)→登山道(12:48)→遊歩道駐車場(13:22)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
ホオジロコースの途中にある駐車スペース 澄川にかかる木橋 澄川を遡行する
三階滝沢出合 60m滝は2段になっている 左岸の巻き途中から見えた滝
巻き終わって恐る恐る落ち口から下を見る 5m滝は左から楽に登る 4m滝はシャワーでも登れそう
5m滝は微妙だが右の水流をシャワーで登れた 25m滝 25m滝の落ち口に出る
階段状の6m斜め滝 ナメが長く続く 二俣の右俣が白龍の滝
流心を登ってみる 登山道脇にはスキー場への導水パイプ 石コ沢はほとんど流れていない

行動記録
 蔵王の三階の滝は、澄川の支沢である三階滝沢にある滝だ。多段に落ちる滝を、三段三階に見立てて三階の滝と呼んでいる。高さは181mとされているが、エコーラインにある滝見台からでなければ、その全体を眺めることは出来ない。このところ3週間も沢から離れていたので、沢登りに行きたくて仕方がなかったが、この週末も所用がありあまり時間が取れない。ならば近くの短い沢ということで、いつか登ろうと思っていた三階の滝へ行くことにした。
 土曜日は8時に相方のYさんと待ち合わせをしたが、事故なのか渋滞で車が動かないという。結局予定より1時間以上遅れて合流した。今日は自宅に2時半には帰らなければならない。そんな制約の中でも沢登りをしたいと思い選んだのがこの三階の滝だった。上部のカットして遡行を打ち切れば、時間的にはなんとか大丈夫だろう。曇り空で雨の心配もあるが、とにかく現地に向かうことにした。
 えぼしスキー場へ登る道路の途中で、右手の温泉宿「ゆと森倶楽部」の方に入り、宿を横目にそのまま細い道を上がっていく。しばらく行くと、野鳥の森の遊歩道ホオジロコースの途中にある駐車スペースに着く。澄川へはここからが近い。歩き始めると5分とかからずに澄川へ着く。毎年流される遊歩道の橋(先月上旬の時点では流出して渡れないとの記録あり)は架けなおされ、対岸へと渡れるようになっていた。対岸には遊歩道が左岸沿いに続いているのだが、もちろん我々は澄川本流を遡行する。川といっても今日は水量が少な目なので、遡行するのも楽に出来る。泳ぐようなところもなく、せいぜい股下あたりまでで歩ける。小1時間の遡行で左から沢が合わせる。これが三階滝沢だ。さっそく登り始める。
 勾配の急な沢を登ると、沢の幅からは意外に思えるほど大きな滝が現れる。三階の滝の一番下部の滝で、下半分が直瀑で高さが60mほどある。三階の滝としては一階部分になる。直接落水に打たれてみるが、水量が少ないせいか水は思ったほど冷たくはない。直登は無理なので巻くことになるが、右岸も左岸もかなりの急斜面だが、左岸から登ることにする。少し回り込んで登ってみたが上部に岩壁が立っているので、さらに右へ大きく回り込んで高巻く。岩がもろく浮き石も多いので、手がかりとした岩が落ちてこないか注意しながら登る。ルートを探りながら登っていくと、所々に踏み跡らしきものがある。こんなところを登る人には心当たりがある。
 30分近くかかって結構キツイ巻きを終え、落ち口のすぐ上に出た。登山大系には右岸から登り上部は左岸から巻くとあるが、どちらにしてもそう楽ではないだろう。一階の滝の上には、すぐ5m、4m、5mと直登できる滝が続く。このあたりが二階部分だろう。3つ目の5mはシャワーで登ったが、ホールドが細かくちょっと微妙。積み重なる岩を登り高度を上げると、三階部分となる25m滝が現れた。
 この滝は左岸から小さく巻けそうに見えたので、Yさんに取り付いてもらうが岩が滑りやすく難しいという。無理せず右から回り込むことにする。しかしこれがかなりの急斜面、もろい岩に浮き石、泥壁と悪かった。15分ほどで巻いて落ち口に降りる。すぐ上には階段状の6m斜め滝がある。この滝も含めて三階部分ということか。落ち口から対岸を見ると、滝見台がほぼ目線の高さに見える。さて一番下の滝からここまでをひっくるめ、三階の滝と言われる部分だ。三階の滝は高さが181mとされているが、どうもこれは澄川から最上段の落ち口までの高さのようだ。滝見台からも見える一階から三階までの部分の総落差は、登山大系にもあるように120mというところだろう。
 6m斜め滝から上はナメが続き、一転癒しの沢という感じだ。しばらくナメをひたひた歩く。釜のある小滝を2つ過ぎると二俣になる。水量の少ない左俣は石コ沢で、詰めると源頭部はえぼしスキー場のゲレンデとなる。水量の多い右俣は12m斜め滝で合わさり、これは白龍の滝と呼ばれている。この二俣で休憩としたが、ここまでは水を冷たいと感じなかったが水が、なぜか白龍の滝から流れ落ちる水は冷たく感じる。そのせいか休憩しているうちに体が冷えてきた。
 白龍の滝は両脇を登るのが普通と思うが、あえて水流中央突破をねらう。斜め滝とはいえ磨かれた岩は滑りやすく、あと少しというところで右に逃げて登り切る。すぐ脇が登山道で、単独男性が休憩中だった。計画ではさらに遡行を続け、倉石ヒュッテ近くで登山道が沢を横切るところまで行くつもりだった。しかし、時間的に厳しいので今日はここから下山することにする。スキー場への送水パイプが併走する登山道を下り始める。すぐ石コ沢を横切ると、あとは小走りに駆け下っていく。右手にゲレンデが林を透かして見え、やがて野鳥の森の遊歩道に合わせると、ほどなく駐車場所に到着した。
 三階滝沢は直登できる滝が少なく距離も短いので、沢登りの対象としては少々物足りない。しかし、高巻くとはいえ三階の滝を登ることに意義があるといえるだろう。エコーラインにある滝見台からは三階の滝が一望できる。ライブカメラが設置してあるので、ネットで見ることができる。もしかすると、物好きな沢屋が落ち口に立っているのが見えるかもしれない。(K.K)

溯行図

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