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No.4564
叶道沢
栗子山系・摺上川支流
山行種別 無雪期沢登り
かのうどうさわ 地形図

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山行期間 2011年10月30日(日)
コースタイム 林道駐車地点(8:53)→地神沢入渓(9:30)→ユノムラ沢出合(12:00,12:16)→クロノ沢出合(12:22)→林道(13:34,13:42)→駐車地点(14:06)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
舗装道路と見まごうほどのナメ床 数少ない滝 さらに続くナメ
どこまでも続く ユノムラ沢出合 クロノ沢出合
クロノ沢を登る クロノ沢もナメ 2段6m滝(左端にトラロープあり)
陽が差してきた林道を戻る シロノハイイロシメジ 手前がムキタケ向こうはナメコ

行動記録
 叶道沢(以前の地形図には観音堂沢と表記)は宮城県の七ヶ宿町にある峠田岳(1,081.7m)南斜面を源頭として、県境を越えて福島県福島市の摺上川ダム湖へ入る沢だ。この沢のかなりの部分が私有地の山にあるらしく、福島側から登ろうとすると事前に断っておかないとややこしいことになるらしい。実際そうなった記録がネット上でも散見される。しかし、上流部は国有林のようで、入山をとがめられることもない。そんなわけで、上流部から地神沢を下降し、二俣で折り返しクロノ沢を登ることにする。
 天気は曇りだが、徐々に回復するするようだ。七ヶ宿スキー場を過ぎ、さらに先へと林道を進む。途中で林道が崩れて車は通れないということで、適当なところで車を止め歩くことになる。30分以上歩いたところで、ようやく崩れた箇所にさしかかる。入渓点はそこからほんの数分の所だった。沢を林道が横断しているところから地神沢に下りる。上流部なので流れは細い。早くも目はキョロキョロとキノコの姿を探している。この沢が数度目のNさんも、キノコ採りに来るのは初めてだという。キノコの姿が見えずハズレ沢かなと言い始めたところで、Nさんがナメコを見つけた。少量だがキノコが見つかると嬉しいもので、これからの期待が高まる。しかし、その後もナメコは少量しか見つからなかった。その代わりムキタケはある程度の収穫があった。なんとナラタケも見つかったが、この時期にまだナラタケが採れるのは珍しい。シロノハイイロシメジと思われるキノコも見つかった。これは食用になるが結構美味しい。
 それにしても地神沢はナメが凄い。キノコのナメコはあまり無いが舗装道路かと言いたくなるほどの平滑なナメが続く。こんなナメは今まで出会ったことがなかった。沢の中に石があまり無かったのは、沢があまりにも滑らかなので石は止まることができずに、すべて下へと落ちてしまったのではないかとさえ思われる。しかも沢の傾斜は緩やかで厳しいところが無い。入渓点からユノムラ沢出合までの間に、数mのナメ滝が何箇所かあった程度だった。両岸の木々が葉を落としたせいで、すっかり明るくなった沢をひたひたと歩いていくと、何か山の中の別世界に足を踏み入れているような感覚になる。逍遙とはこのことかと思う。二俣のユノムラ沢出合まで下りて休憩とする。キノコを探しながらゆっくりと歩いてきたので、入渓から2時間半が過ぎていた。
 下降はユノムラ沢出合までで、ここから引き返すことになる。少し歩くと左から沢が合流するクロノ沢出合だ。帰路はこのクロノ沢を登る。始めクロノ沢は右岸に杉の植林地があり、倒木などでちょっと荒れた印象だったが、やがてナメが続くようになる。しかし地神沢よりも岩のヌメリが強く、非常に滑りやすい。ヌラ沢とでも呼びたくなるほどだ。途中でムキタケがあったので採りながら遡行する。やがてナメが消え、徐々に細くなる流れを辿ると林道に着いた。いつしか晴れて陽が差した林道を歩き車へと戻った。お目当てのナメコは今ひとつだったが、異境で自在に伸びやかに遊んだ1日となった。(K.K)

溯行図

トラック コース


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