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No.4411
大沢
摺上川流域・中津川支流
山行種別 無雪期沢登り
おおさわ 地形図 稲子、栗子山

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山行期間 2010年7月31日(土)
コースタイム 七ツ森三角点(12:44)→下降開始(12:51)→二俣(13:48)→8m滝(14:08)→ 15m斜瀑(14:26)→6m滝(14:49)→8m滝(15:05)→第16号橋(16:44)→第11号橋(17:22)=テン場(18:13)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
左からの沢と合わさる 8m滝は懸垂下降 6m滝も懸垂下降
次の8m滝は倒木を支点に懸垂下降する 4〜5mの滝が続く ブッシュがすっぽ抜けた
なだらかに降りていくと中津川林道に出た 出たところは第16号橋だった バイクデポ地まで3.5km40分ほどかかった

行動記録
 七ツ森の三角点を踏んでから大沢に向けて下降を開始する。1981年の遡行記録では大沢で熊と出会ったとあったが今日は会いたくないものだ。
 北斜面を下っていると、ここが沢の始まり源頭だと思える場所があった。そこを辿るとたちまち沢らしくなり水流も現れてくる。ここは大沢の支沢のひとつだろうから、このまま下降を続ければいいのだ。山は登ることにより山頂の1点に集まる、沢は下ることにより本流の1本に集まる。しかし、沢は下降するのが難しい。下から見れば岩の状況もわかりやすく、登るラインも自然に見えてくる。しかし、上から見下ろすとこれが見えないのだ。いきおい慎重にならざるを得ない。直登できた滝であっても下降は困難なので懸垂下降に頼る場合が多い。巻き道を下るのも要注意だ。
 沢を下降していくと定時連絡の無線が通じにくくなってきた。ついには交信を諦めざるをえなくなる。サンカヨウの実を見つけ口に入れると自然な甘さで美味しい。
 山頂から下降開始してから1時間弱で左からの沢と合わさる(13:48)。1:2で左の沢の水量が多い。日蔭沢より磨かれて角のおちたた岩が多いような感じだ。しかも滑りやすい。3m滝を下ると間もなく8m滝が現れた。これは木の枝に支点を取っての懸垂下降とした(14:08)。この滝の下すぐに2つの小滝があるようだが、Yさんはまとめて懸垂下降してしまった。自分も同じようにしたがザイルの長さ目一杯使っての懸垂下降となった。
 次に現れたナメ状の15m斜瀑は滑りやすそうで、ここも懸垂下降かと思われたがYさんがラインを見つけたようでこのまま下るという(14:26)。濡れていない岩を選び慎重に下ると無事降りることができた。
 左から支沢を合わせさらに下ると6m滝がある。直瀑なので左右の巻きを考えるが、どちらも立っていて悪そうだ。手頃な立木は無かったが、見ると右岸の岩にザイルを掛けることができそうだ。この岩を支点に懸垂下降する(14:49)。次の8m滝も同じ状況なので懸垂下降だ(15:05)。ここは動きそうもない大きな流木があったので支点とする。下降してからザイルが上手く抜けてきてくれるか心配だったが無事抜けてくれホッとする。
 6m滝は左岸から巻く。その次の4m滝で不用意に滑りやすい岩に足を置いてしまった。体重が乗った瞬間ズルッと前方に滑り込むように転倒。投げ出した左足が水中の岩にはさまりグキッと捻れ痛みが走る。いやはや何という失敗だ。心配そうなYさんには大したこと無いと答え立ち上がるが足首が痛む。何とか歩けるがガクンとペースダウン。それ以降はYさんになかなか付いていけない。
 さらに4→5mの滝をそろそろと5本下降するが、その5本目でYさんが掴んだブッシュを続いて掴んだら引っこ抜けた。そのブッシュに体重を移し始めていたので落ちそうになり、たまらず自分から滝の釜に飛び降りた。幸い1.5mくらいの低い場所だったので大丈夫だったが、もっと高い場所だったらと考えるとゾッとする。3点確保の基本がおろそかになっていたことも原因だ。
 その後は小滝程度しかなく、やがてなだらかな沢歩きとなる。突然木々の間から中津川林道の橋が現れた(16:44)。後半のペースダウンがあったとはいえ山頂から4時間弱もかかった。結局七ッ森山頂までの登りも下りもほぼ同じ時間かかったことになる。足の負傷というアクシデントが無かったとしても、おそらく15分程度しか違わないだろう。
 沢から橋に上がりプレートを確認すると第16号橋とあった。日蔭沢入渓点である第11号橋まではここから2km近く林道を戻ることになる。バイクのデポ地点までなら約3.5kmの林道歩きだ。痛む足が辛かったがそれでもひたすら歩く。第11号橋に到着(17:22)。無線連絡を試みるが雑音が多くて聞き取ることができない。
 帰りの徒歩とバイクが随分と長く感じられた。図上計測でも大沢出合からテン場までは約7kmあるのだ。テン場に到着するとIさん達が出迎えてくれた(18:13)。Oさんのパーティーは既に近くの温泉に入浴に行っていた。遅くなったので入浴は諦め、体を川の水で拭こうと上半身裸になったらメジロアブの大群に襲われた。タオルを振り回しほうほうの体で逃げたが、ちょっとの間にあちこち刺されてしまった(後日1週間ほど痒みに悩まされた)。
 31日は夕方合流したメンバーも合わせて8人でのテント泊。飲んで語るほどに愉快な夜が更けていく。今日の沢登りは反省点はあるものの、初めての山域、初めての沢でルートファインディングしながらヤブこぎして三角点を踏み、下降点を誤らず下れたことは良い経験となった。

※1日はカンカネ沢を登る予定だったが、朝起きると左足首が前日より痛み、状態が良くない。無理をして歩いて迷惑をかけてしまうのは申し訳ないので、カンカネ沢と山ノ神沢を登るメンバーを見送ることにした。(K.K)

溯行図



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