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No.4401
小阿寺沢
白石川松川流域・澄川支流
山行種別 無雪期沢登り
こあてらさわ 地形図 蔵王山

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山行期間 2010年7月12日(月)
コースタイム 登山口(10:21)→F1(10:49)→F2(11:11)→F3(11:20)→F4(11:59)→F5(12:50)→F6(12:55)→支沢分岐(13:03)→管理道(13:37)→スキー場ゲレンデ(13:49)→登山口(14:47)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
F1(8m) 小阿寺沢は長いナメが続く 倒木のあるF2(6m)
F3を登るIさん F3を上部から見る F4(6m)
F4の上部はシャワーで抜ける 上部がハングしているF5(5m) F6(6m)
スキー場へ引かれている黒いパイプ 支沢へ入り岩をよじ登りながら進む スキー場を降りていくとカモシカと出会った

行動記録
 小阿寺沢は昨年、単独で登った。今年はIさんと2人で行ってみることにした。昨年の印象では小振りな沢だが変化があって面白いと感じた。さて1年ぶりの小阿寺沢はどんな顔を見せてくれるだろうか。 今日は曇りでそれほど暑くはなく沢登りにはまずまずの天気だ。小阿寺沢は初めてと言うIさんに先行してもらう。
 滝の数え方は人それぞれだが、昨年は小さい滝は数えずにF6までとした。歩き始めて30分弱で見覚えのあるF1が見えてきた。昨年は高さ10mとしたが、今年の印象は8mくらいに感じた。この滝は斜瀑でもあり、水流の中でも脇でも好きなところを登れる。Iさんは水流の右脇を、自分は水流の中を直登した。
 F1の上からはしばらくナメが続くが、ぴたぴたと沢床を歩くのは癒やされる。小阿寺沢のナメは結構長い。長いナメ歩きのF2(6m)が現れたが、滝にかかる倒木の具合が昨年とまったく同じだ。昨年は左岸の草付きから登ったのだが、滝を眺めていると今年は右岸からのラインが見えてきた。Iさんも同意見なので倒木も利用して登る。その時の状況によって見えるラインが変わる、それが沢登りの面白いところでもある。
 F2を登るとまたナメが続くがそれほど長くはない。ほどなく釜が見えてくるとF3だ。ここは細かく滝をカウントすれば3つに数えられるだろう。しかし昨年は、釜に落ちる滝の高さがあまり無いのでカウントせず、その先の2つの滝をまとめてF3(15m)としていた。Iさんはどうも違うカウントをしたようだ。同じ日に同じ滝を見ても記録は主観で行うものなので、人によりかなり違う場合が多い。誰かの遡行記録を見たとしても、そこからは自分の主観で読みとるのであり、実際に沢に来るとかなり印象が異なる場合があるのだ。
 F3をIさんは左岸の草付き近くを登っていく。自分は少し水流の中に入って登ってみた。小阿寺沢は幅の狭い沢で、上に木が被さっていて日陰のところも多い。そのせいか石には苔や藻が付いていて沢靴でも結構滑る。滝の登りで滑ってはかなわないので慎重に歩くがそれでも少しは滑る。かえって水流の中の方が滑らない事が多いので、あえて水流を登る場合も多い。
 岩を乗り越え流木をまたぎひたすら無心に沢を遡る。沢登りの楽しみのひとつだ。次に現れるF4(6m)は否応なしにシャワーを浴びることになる。右を登り途中から左に水流を横切ってトラバースする。水流で見えづらいがしっかりしたホールドとスタンスがあるので落ち着いて渡れば大丈夫。しかし気温の高くない日に全身ずぶ濡れになると震えるくらい水が冷たい。
 沢は変化に富んでいていろんな表情を見せてくれる。同じ沢に来てもまったく飽きるということが無い。F5(5m)は水流の上部がハングしているので右岸から小さく巻く。F6(6m)は斜瀑という感じで水流でもどこでも直登できる。えぼしスキー場に水を引いているのであろう黒いパイプが現れたら間もなく右手の支沢に入る。
 支沢に入ってすぐ、えぼしスキー場への管理道が支沢を横切っている。この支沢は水が流れていないときもあるらしいが、今日は細いながらも水流があった。ここをしばらく登り途中から20分ほどヤブこぎして登山道に出る予定だ。この支沢の上部にある涸れ沢というか岩場がちょっと面白いのだ。大きな岩が積み重なったように沢を埋めているので岩をよじ登りながら進む。岩には苔が付いていて滑りやすかった。
 Iさんがあっと声を上げたので振り返ると右手を押さえている。岩で滑って手をついたときに右手の指を痛めてしまったらしい。この上にある岩場はロープ確保も考えていたのだが、指を痛めてしまっては無理だ。テープと割り箸の簡易ギブスで指を固定する。ここで遡行を中止し、えぼしスキー場への管理道を下ることにする。管理道路をしばらく下ると石子ゲレンデに出る。そのままゲレンデ脇を下っていると、カモシカがきょとんとこちらを見ていた。また来るよ〜と挨拶して駐車場所まで戻った。Iさんは車の運転ができる程度だったのでひと安心。(K.K)

 ご迷惑をおかけしました。ケガをした右手人差し指は脱臼し、じん帯が切れており全治3ヶ月と診断されました。....が、5日後には次の山に予定通り出かけましたのでご心配なく。(I.I)

溯行図



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