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No.4128
烏川左俣
安達太良山系・杉田川支流原瀬川流域
山行種別 無雪期沢登り
からすがわひだりまた 地形図 安達太良山

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山行期間 2008年9月23日
コースタイム 奥岳駐車場(7:57)→烏川(8:06)→烏川橋(8:38)→湯樋(8:57,9:06)→右俣出合(9:52)→左俣大滝(9:57,10:05)→右沢出合(11:11)→カレ沢(11:20,11:24)→登山道(11:50)→薬師岳(12:27)→奥岳駐車場(13:16)
写真
奥岳の登山口 あだたら渓谷自然遊歩道の案内板 遊歩道の入口
遊歩道最初の橋 溯行はナメから始まる 魚止滝(12m)
魚止滝の上部もナメが続く 左岸の柱状節理 どこまでも続くナメ
馬車道の烏川橋 2m滝 2m滝を上部から見る
次に3m滝 湯樋まできて小休止 取水堰から引いた水は枡からあふれ出ている
ナメの中の4m斜瀑 階段状の左俣の大滝 大滝の上部から覗き込む
3mの斜瀑(ナメ滝) 灌木の下をくぐりながら溯行を続ける ヤブ漕ぎで出たところは表登山道との分岐点
ゴンドラの山頂駅 薬師岳のピーク 五葉松平の標柱

行動記録
 9月13日に烏川右俣を遡行した際に、10月になったら今度は左俣を登ってみようと話したことが、朝日連峰の山行が中止になったことで10月を待たずに実現してしまった。
 7時に集合し奥岳を目指す。あだたら高原スキー場の奥岳駐車場に着いたのが7時30分過ぎ、沢登りの準備をして歩き始める。
 スキー場の中の馬車道を少し歩くと、スキー場の右手に「あだたら渓谷自然遊歩道」の案内板が出てくる。今日は遊歩道から沢に入り烏川の連瀑帯を楽しんでから左俣の遡行をする計画を立てた。
 遊歩道案内板から右に折れ、ホテルの裏から標識に導かれて烏川へ下る登山道に入る。樹林帯の中をトラバースするように徐々に下って行くと烏川に着く。遊歩道の歩道橋のところから溯行を開始する。
 烏川に入ってすぐにナメと滝が連続し、飽きることがない。烏川の核心部は、そのまま遊歩道になってしまっている。軽装でも滝を楽しむことはできるが、ウェディングシューズを履いて水に浸かりながら遡行したほうが数倍その魅力に接することができる。最初からナメ滝が続く。2mの滝を越えるとそのままナメになり、次に釜を持った3mの滝が続く。次は10mほどの落差を持った「魚止滝」が現れる。上部には遊歩道の橋が架かっている。ここは右の遊歩道にあがって捲いた。過去の記録を確認すると12mと記されていた。先人の記録を尊重し12mとして溯行図を整理した。魚止滝の上もナメになっている。まるで舗装路を歩いているようだ。沢の左岸は柱状節理になっている。
 あだたら渓谷自然遊歩道も造られてから久しい。橋もだいぶ傷んでいるし、歩道の状態も所々ぬかるみになっている。遊歩道を歩けるのも今日までで、明日9月24日からは歩道橋改良工事のため年内通行止めになる予定である。そんなこともあり今日は普段は遡行しない「遊歩道」部分も歩いてみた。ナメはさらに続き、私たちを感激させてくれる。8時38分、遡行を開始して30分ほどで馬車道に架かる烏川橋に着いた。
 烏川橋を8時38分に通過する。少し河原歩きをすると次に2mの小滝が出てくる。上部はナメになっていて右岸を簡単に登れる。次に岳温泉へ引いている湯樋が横切る。ここまで溯行を開始して50分ほどかかった。小休止をして暖かいコーヒーで体を温める。Tシャツ1枚で歩いていた10日前と違って気温は低く、山はすでに秋の様相だ。湯樋の先には取水堰がある。中継の桝からは水があふれていた。
 遡行を続けると、またナメが出てくる。途中、勾配がある箇所を斜瀑4mとして記録した。ナメを10分ほど歩くと河原歩きに変わる。
 河原歩きをしばらく続けると、右から2本小沢を合わせ、9時52分に右俣と出合う。二俣の水量は1:1で、渇水期に入り10日前の水量とはまるで違っていた。左俣に入り少し行くと、前回右俣から流入していた流れは渇水し、左俣の大滝が目の前に現れた。見事な階段状の大滝で高さ40mもあるだろうか。今まで見たこともない光景に感激する。勾配はさほど無いので簡単に登れる。
 溯行を続けると、次に3mのナメ滝(斜瀑)が出てくる。沢幅も狭くなり、灌木が頭上を覆うので屈むようにして溯行するようになる。今日は風が強いようだ。沢の中にいても風が通り抜ける。
 右俣がヤブ漕ぎ無しで登山道に出たのに対して、左俣は沢に灌木がかぶさり歩きづらい。階段状の大滝から15分ほどで標高1400m地点に達する。沢は大きな岩で一段高くなっていて、右岸からカレ沢が入る場所だ。地形図では右岸が窪のように表記されている。灌木もうるさいので、カレ沢を登り登山道に出ることにした。
 カレ沢は最初は比較的歩きやすい。不明瞭になった地点で登山道に直角にぶつかるように南を目指してヤブ漕ぎを開始した。歩きやすい所を見つけながら15分ほどで登山道に出た。そこはちょうど仙女平から合わさる表登山口との分岐点だった。
 この登山道は奥岳からゴンドラで簡単に標高を上げ、安達太良の本山まで短時間で登ってこれるため、たくさんの人が登ってくる。今日も連休最後とあって尾根には登山者が多くいた。私たちも今日は楽をしてゴンドラで降りる計画だったので、薬師岳に行かないで直接ゴンドラの山頂駅に向かった。振り返ると本山はガスのため見えず大斜面だけが見えた。
 12時15分過ぎにゴンドラの山頂駅に着いて、ウエディングシューズを洗ってゴンドラに乗ろうとしたところ強風のため運転を中止しているとのこと。運転する見込みは無いので、奥岳まで歩くことにした。
 薬師岳まで戻り、五葉松平を経由してスキー場を通って奥岳に降りた。このコースは粘土質のため泥んこで滑りやすい。特にウエディングシューズを履いたままなので気を抜くとお尻を着いてしまう。スキー場の中はさらにひどく、ハイカーの人たちも苦労してゆっくり降りていた。
 ゴンドラの山頂駅から約1時間で奥岳に戻り、冷えた体を岳温泉の「岳の湯」で暖めた。ちなみに「岳の湯」は入浴一人300円、石鹸は着いているがシャンプーは無い。シャワーはあるのでフロントでシャンプーを購入すると良い。(I.I)


概念図



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