土曜日は用事が終わって3時間ほど体が空いた。もったいないので近場の里山にでも登ろうかと思った。地図を見ると今いるところから10数キロに女神山という山が目に入った。山名に女神とは何かいわくありげではないか。というわけで山名の由来は知らずに登ったのだが、あとで調べてみると、飛鳥時代の崇峻天皇の妃である小手姫がこの地に養蚕や機織の技を伝授し、亡くなってこの山に葬られたことから女神山と呼ぶようになったのだという。
ナビで適当に女神山方向に向かったところ、民家にあった小さな案内板が目に入り、堀切登山口に到着することができた。登山口の道路向かいに4〜5台分の駐車スペースがあり、登山道案内図と登山届箱が設置してあった。案内に従い右側に柵のある整備された道を登っていくと、やがて柵はなくなり山道となる。ちょうど満開の藤の花があちこちに見える。ヤマツツジの赤い花も見かける。椅子の設置してある展望台を過ぎると、舗装された七ツ森林道を横断して道は続く。
月舘分岐を過ぎ左から椚平登山口からの道を合わせると、やや勾配が増してくる。ベンチのある休憩所を過ぎてひと登りすると、道は左へ回り込み石祠があると山頂だ。山頂には小手姫を祀った岩がある。山頂からは見晴らしが良い。一等三角点も設置してある。西には安達太良山や吾妻連峰が眺められるが今日はだいぶ霞んでいた。山頂から下ってすぐ平場があるが、ここが案内図にもあるカタクリ平だろう。4月上旬には群生するカタクリが一斉に咲くらしい。
月舘分岐で左に折れて杉の植林地の中を歩く。七ツ森林道を横断して向かいの斜面を下ると、桑畑跡と棚田の中にある農道のような道になる。この道で良いのかと思ったが構わず歩いていくと市道入山線に突き当たった。ここが月宮登山口だが、小ぶりの東屋と説明板があり、舗装された駐車場は8台分とずいぶん整備されている。のんびりと市道や県道を経由して堀切登山口へと戻った。久しぶりに単独で気ままに歩いたハイキングだった。(熊)