Fukushima toukoukai Home page
No.5426
五台山 450mピーク
山行種別 無雪期一般
ごだいさん 地形図

トップハイキング>五台山

山行期間 2016年10月27日(木)
コースタイム 登山口(8:39)→思案の辻(8:52,8:56)→渓路の辻(9:08,9:20)→碧水ノ滝(9:30,10:14)→緑林の辻(10:28)→五台山(10:46,11:01)→緑林の辻→御殿庵跡地(11:20)→望郷の巖(11:32)→白蓮ノ滝(11:48)→洗心の石(11:58)→登山口(12:18)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
五台山の登山口 案内図 沢沿いに進む
思案の辻 渓路の辻(精錬跡地) 登山道は荒れている
碧水ノ滝 緑林の辻 五台山山頂の標柱
御殿庵跡地 五台山の由来 金鶏伝説跡地
望郷の巖 鉄山ダムが見下ろせる 白蓮ノ滝
洗心の石の標柱 送電線巡視路が交差する 日を受けて咲くリンドウ

行動記録
 五台山は南相馬市と浪江町の市町境の近くにある里山である。原発事故の後に放射線量の値が高いことから緩衝地域として立入が禁止されていた区域だが、南相馬市の全面避難解除に伴い、登山口までは車の通行も自由にでき立ち入ることが出来るようになった。今回は登られなくなって5年が経過した里山がどのように変化したかも含め調査してみた。
 南相馬市原町区馬場から横川ダムに向かい鉄人ダムの脇にある五台山の登山口には8時過ぎに着いた。登山口の駐車場には4台ほどの車を止めることができる。この先の原浪トンネルは通行止めになっている。登山口の放射線量は2.156μSv/hなので結構な値である。沢沿いの送電線巡視路を進む。幾度か沢を横切るが巡視路なので歩くに支障はない。まずは思案の辻に着く。ここは白蓮ノ滝と碧水ノ滝へ向かう道との分岐点になる。どちらから登っても良いのだが、まずは碧水ノ滝へと向かうことにした。巡視路を10分ほど進むと渓路の辻の標柱が出てくる。ここでルートミスをする。登山道は渓路の辻から左に折れ沢を渡って支沢に入るのだが、道形がハッキリしている巡視路をそのまま進んでしまった。気づいて戻ったが10分ほど時間をロスしてしまった。気を取り直して渓路の辻から沢を渡り碧水ノ滝がある支沢沿いに登って行く。道形がハッキリしない所もある。最初の滝の手前で道は消えてしまった。沢沿いにあるはずなのだが落葉で覆われていることもあって捜しても見つけられない。情けないことに30分以上も右往左往して、最後は強引に尾根に取り付いて碧水ノ滝の上部に出てしまった。上部の登山道に出てから碧水ノ滝まで戻ってみると左岸側に登山道が確認できた。登る時にもっと注意深く捜せば見つかったかもしれない。それだけコースは荒れてしまったと言える。
 碧水ノ滝から尾根に上がるが、ここでも鉄塔から登ってくる道はハッキリして合わさるのだが、それから先は踏跡か分からなくなってしまった。地形的には間違いないので、少し探し回り緑林の辻の標柱を見つける。ここから沢の源頭を渡って作業道に上がり山頂を目指す。踏跡から外れないように注意しながら登って行くと五台山の山頂標識のところに辿り着く。見晴らしは無く、三角点なども無いなだらかなピークなので標柱がなければ山頂であることすらわからない。
 山頂は福島第一原発側を向いているので放射線量の値は高いと考えられたが、実際に計測すると5.392μSv/hだった。原発事故から5年が過ぎ、避難が解除されても山の放射線量はまだまだ高い状態にある。計算上は5年経過で37%となるようだが、花塚山での追跡調査では20%まで減衰している(流失の少ない平坦地での調査)。山頂部など場所によっては10%程度に減衰しているところもある。ここは事故当時どの程度の放射性物質が降り注ぎ、放射線量は幾らあったのだろうか。いずれにしても五台山の放射線量を見る限り登山に適したエリアで無いことだけは確かなようである。
 以前は山頂から緑林の辻へ直接下りる道があったのだが、道が見つからない。多少進んでみたが不明瞭になり山頂へ戻った。しかたなく登ってきた道を戻ることにした。登ってきた道も注意しないと間違って下りてしまいそうだ。緑林の辻から御殿庵跡地を通り、水芭蕉園を通ってから、鉄山ダムが見下ろせる望郷の巖に寄り道してみた。このコース唯一の展望箇所である。
 戻って白蓮ノ滝へと下る。道形もハッキリしない所もある。五台山で一番滝らしい滝である白蓮ノ滝を写真に収め、沢沿いに下って行く。また道形を見失ったので沢沿いに下り送電線巡視路に出る。振り返ると左に登山道が確認できた。洗心の石まで来ると巡視路を歩いて、登ってきた時の分岐点である思案の辻に出る。後は沢沿いに登山口まで戻れば良い。(I.I)

空間放射線量
観測地点/特徴
時間
空間線量率(単位:μSv/h)
測定位置高さ100cm
緯度/経度
最大値 最小値 平均値
Data1 登山口/草、脇道路
時間 8時38分
2.173 2.138 2.156 北緯 37゜34' 09.49"
東経 140゜52' 36.47"
Data2 思案の辻/広葉樹林
時間 8時52分
4.072 4.000 4.041 北緯 37゜34' 13.80"
東経 140゜52' 22.00"
Data3 緑林の辻/広葉樹林
時間 10時30分
5.576 5.552 5.562 北緯 37゜34' 08.76"
東経 140゜52' 01.75"
Data4 五台山山頂/広葉樹林
時間 10時47分
5.418 5.372 5.392 北緯 37゜34' 09.31"
東経 140゜51' 50.58"
Data5 御殿庵跡地/広葉樹林
時間 11時20分
5.507 5.455 5.485 北緯 37゜34' 08.72"
東経 140゜52' 07.88"
Data6 望郷の巖/アカマツ含む混交林
時間 11時32分
3.374 3.321 3.347 北緯 37゜34' 04.81"
東経 140゜52' 14.87"
Data7 白蓮ノ滝/広葉樹林
時間 11時48分
3.601 3.579 3.594 北緯 37゜34' 07.34"
東経 140゜52' 15.40"
Data8 洗心の石/広葉樹林
時間 11時58分
3.180 3.151 3.162 北緯 37゜34' 09.24"
東経 140゜52' 19.04"
Data9 登山口/アスファルト、脇草
時間 12時18分
1.854 1.782 1.828 北緯 37゜34' 09.36"
東経 140゜52' 36.56"
特記 緯度経度はGPSの性能の関係で多少の誤差があります。
放射線測定器 PA-1100(堀場製作所)

調査時被ばく線量 16.312μSv

概念図
電子国土webで見る
トラック 登り=赤 下り=青

トップ

Copyright(C) 2016 福島登高会 All Rights Reserved.