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No.4970
宮之浦岳 1935.0m一等三角点峰
山行種別 無雪期一般
みやのうらだけ 地形図

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山行期間 2014年5月27日(火)〜29日(木)
コースタイム 5月27日
紀元杉バス停(14:32)→淀川登山口(15:06)→淀川小屋(15:46)
5月28(日)
淀川小屋(4:52)→小花之江河(6:16)→花之江河(6:27,6:50)→栗生岳(9:00,9:05)→宮之浦岳(9:25,10:03)→焼野三差路(10:21,10:26)→永田岳(11:32,11:38)→焼野三差路(12:40,12:54)→平石(13:14)→第二展望台(14:24,14:28)→新高塚小屋(15:04)
5月29(日)
新高塚小屋(4:53)→高塚小屋(5:54)→縄文杉(6:02,6:58)→夫婦杉(7:25)→大王杉(7:29,7:32)→ウィルソン株(8:12,8:32)→翁杉(8:40)→トロッコ道・大株林道分岐(9:00,9:10)→仁王杉(9:30)→三代杉(10:15,10:29)→荒川登山口(11:48)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
淀川登山口 淀川小屋 淀川小屋脇の清流
花之江河 スケールが大きい シャクナゲがたくさん咲いている
巨岩(奇岩)が目立つ(勝手にサイボーグ岩と命名) 栗生岳山頂は大岩 宮之浦岳の山頂が見えてきた
宮之浦岳の一等三角点 永田岳を望む 右が永田岳
永田岳山頂の大岩 ヤクシカ 新高塚小屋

 
縄文杉をバックに記念撮影
高塚小屋 大迫力の縄文杉

 
ウィルソン株

 
ハート型はパワースポット
大王杉
内部には祠が トロッコ道 荒川登山口に到着

行動記録
  「旅行登山」に憧れ、屋久島・宮之浦岳を計画した。朝自宅を出発し、夕方には九州の離島の山小屋に到着する・・・・・はずだった。
 屋久島空港で登山口まで入りたいとタクシーに乗り込んだところ、大雨で通行止めになっているとのこと。仕方なく、宿を手配し順延する。
5月27日
 午前中、ヤクスギランドを見学(整備された山道を散策)してから、紀元杉行きのバスに乗り込む。ここから淀川登山口まで約30分歩くことになる。タクシーや一般車両は登山口まで入ることができる。バスを降りたのは、紀元杉をわずか過ぎたところだっだので、紀元杉を見そびれてしまった。
 15時06分、淀川(よどごう)登山口に到着し山道に入る。アップダウンの少ない道を歩き、今夜の宿となる淀川小屋に到着する。小屋は2段の棚となっていて40人ほど入ることができる。外でテントを張っていた人もいたが、それほど混んではいなかった。GWや夏休み期間には入ることもできないほど混雑するという。小屋脇の荒川は青く澄んで気持ちがよい。5時過ぎには食事を済ませ、7時前には眠りについた。小屋にはネズミが出没するので、食糧の管理に注意が必要。
5月28日
 3時過ぎには出発準備する人たちが多く、人の声や足音で眠気が飛んでしまう。食欲もないのでのんびりとパッキングをすませ、ヘッドランプを点けて歩き出す。予報通り天気が良く、星が出ている。登山道はきれいに整備されており、傾斜のある部分は木道の階段が設置されていて歩きやすい。東北の山とは異なり、地面に咲く草花がほとんど見られないが、花をつける樹木は多くあった。地面の草花はヤクシカに食い荒らされてしまったのか、それともこの島の特徴なのかは分からない。樹木は杉はもちろん、アセビや巨大なシャラ(ナツツバキ)などが目に付いた。東北には見あたらないハイノキ(エゴノキに似ているが、花が上向きに咲く。)が特に目についた。そしてヤクシマシャクナゲが登るに連れて多くなる。
 やがて、小花之江河、花之江河と二つの高層湿原が現れる。規模は小さく、我々の目からは物足りないが、貴重な南限の高層湿原とのことである。花之江河で朝食のため大休止。ここから登るにつれ見晴らしが良くなってくる。樹木の背が低くなり、大岩が点在し、シャクナゲがたくさん咲いている。今年は30年ぶりのシャクナゲの当たり年とのこと。時期も天気にも恵まれて言うことなし。写真撮りに忙しく、なかなか前に進まない。さらに登るとヤクザサに被われ、巨岩(奇岩?)とシャクナゲだけが目立ってくる。大きな岩のある栗生岳に到着する。ここまで来れば、山頂まであとわずか。少し下って登り返せば山頂に立つ人の姿が見えてくる。
 9時25分、宮之浦岳の山頂に到着、長年の夢が叶う。到着する人、下山する人はいるが、10人ほどの人数なので、のんびりすることができた。天気は良いのだが、黄砂のため霞んで遠望はきかない。記念写真を撮り、早めに昼食を取る。名残は尽きないが、下山にかかる。ここからは長い登りがないので気は楽だ。
 10時21分、焼野の三差路に到着。ここは永田岳〜鹿之沢小屋方面の分岐となる。最低限の物だけを持って永田岳に向かう。黄砂が去ったのか青空がまぶしい。青空と緑の山、白い岩、シャクナゲが一段と映える。またまた写真撮りに忙しく、足が進まない。鹿之沢分岐の右側が山頂だが、最後のルートがわかりにくい。ようやく見つけ、ロープをたどると永田岳の山頂だ。途中2〜3人とすれ違っただけで、山頂には誰もいない。静かな一時を過ごす。写真を撮り、一息入れて三差路に戻る。途中からは、宮之浦岳が立派な姿を見せてくれる。
 12時54分、荷物をまとめて新高塚小屋に向けて出発する。出発が予定より早かったのと、標準のコースタイムに余裕があるので、この調子だと小屋には早く着きそうだ。見頃のシャクナゲを堪能しながら下って行くとヤクシカに遭遇する。この山行では数回出会ったが、なかなかいい写真を撮らしてはくれない。逃げはしないのだが、ポーズはとってくれない。
 高度を下げてゆくと樹木の高さがだんだん高くなり、樹林帯に変わってくる。第二展望台の標識があったので行ってみると宮之浦岳の姿が見えた。下の第一展望台からも見えるようだが、今回はここが最後の宮之浦岳山頂の眺めとなった。さらに下り、大きな杉が目立つようになると新高塚小屋は近い。15時04分、新高塚小屋に到着する。早い時間にもかかわらず、20人くらいはいたようだ。今日も早めに食事を済ませ眠りにつく。さらに宿泊者は増え、ぎゅうぎゅう詰めの状態ではないものの、ほぼ満員になった。
5月29日
 今日も朝早く起き、5時前にヘッドランプを点けて出発する。天気も問題ないようだ。早朝だと縄文杉やウィルソン株にはほとんど人がいないはずである。そんな期待を持って歩いて行く。途中、杉以外の巨木もあって、眺めたり写真を撮ったりのんびりと歩く。1時間ほどで、まだ新しい感じのする高塚小屋に到着する。帰宅後調べてみると、個人の善意の寄付で建て替えられていたようだ。壁材には防水加工された紙のパイプが使われ、他にも新たな技術が生かされた画期的な小屋とのことである。その時は縄文杉に会いたくて早々に下ったので、そこまでは気づかなかった。5分ほど下ると待望の縄文杉だ。縄文杉を見ながらのんびりと朝食をとる。我々2人だけの贅沢な一時だ。小屋にいたパーティが下ってきたので、ガイドさんにカメラのシャッターを押してもらう。
 縄文杉を堪能して大株歩道(森林軌道の分岐から縄文杉までの登山道。有名、無名の縄文杉が点在する。)を下る。夫婦杉、大王杉を眺めるが、他の観光地のような周りの枝払いや伐採が無いので写真写りはそれほど良くない。
 8時12分、ウィルソン株に到着する。これは約400年前に伐採された大杉の切り株で、発見者の名前から命名された。内部が空洞になっていて、十畳ほどの広さがある。天井の穴が場所によってはハート形に見える人気スポットだ。ここも数人しか人がいなかったので中に入って、貸し切り撮影会。そのうち、下から登ってきた人たちが続々到着する。かなりにぎやかになってきたので出発する。急な斜面はほとんど木道の階段になっていて、登ってくる人達との交差でかなり時間がかかる。
 9時00分、森林軌道(トロッコ道)に到着。ここにはトイレや水場があって、多くの人達でにぎわっていた。ここから荒川登山口まで、お散歩コースとして楽しみにしていたが、歩いてみると殆ど同じ景色で飽きてくる。最後は苦痛にさえなってくる。支沢が入ると大きく回り込んで橋を渡り、対岸を反対方向に戻るので、かなり時間がかかる。途中から辻峠を越えて白谷雲水峡のコースが変化があって良かったようだ。リスクとしては雨天の増水時は渡渉できないこともある。コースタイムは10分多いだけ。軌道脇には昔の建物跡や、学校跡などが残っているが、それほどの感激はない。遅い時間なので登る人はいないし、日帰りで縄文杉あたりから下ってくるには早い時間なので、ほとんど人に会わなかった。トンネルをくぐり、最後の橋を渡ると荒川登山口だ。
 11時48分、荒川登山口に到着する。バスは14時20分までないことは分かっていたが、静かな縄文杉、ウィルソン株を見るために、早い出発、早い到着となった。バス時刻まで2時間以上あるが、電話は通じないのでタクシーは呼べない。ところが、施設の管理人さんが「衛星電話で、タクシー呼びますか。」と声をかけてくれた。さらに、2人の人が到着し、割り勘OKとのことで、呼んでもらったタクシーに乗り込んで、山行終了となった。
 予定の初日こそ大雨だったが、入山から下山までの3日間、天気良し、花良し、さらに下山後のタクシーまで良しと、最後までついていた。下山後、翌日昼過ぎまでレンタカーでドライブし旅行登山を楽しんでから帰宅の途に就いた。(K.Ki)

概念図

国土地理院地図(電子国土web)で見る
トラック ルート=赤
※ 荒川登山口手前で電池切れのためデータが飛んでいます

より大きな地図で 2014.05.27-29_宮之浦岳 を表示
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