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No.4556
姥ヶ岳 1669.7m三等三角点峰
山行種別 無雪期一般
うばがだけ 地形図

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山行期間 2011年10月12日(水)
コースタイム ネイチャ−センター(8:32)→姥沢分岐(9:16)→施薬小屋(10:29,10:43)→金姥下分岐(11:29)→姥ヶ岳(11:44,11:50)→リフト上駅(12:05,12:10)→リフト下駅(12:25,12:35)→遊歩道入口(12:41)→姥沢分岐(13:10)→ネイチャーセンター(13:44)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
ネイチャーセンター前 案内板 支流を渡る
石段の道を登っていく 姥沢への分岐 陽が当たると木々が輝く
湯殿山が見えてくる 尾根の紅葉 やがて周囲は笹原に
装束場の施薬小屋 振り返ると湯殿山に施薬小屋 10日前は吹雪いたらしい
湯殿山より高くなった 金姥への急登 山頂への木道
姥ヶ岳山頂 牛首下の湿地帯 リフト上駅へと下る
リフトで下る 眩しいほど輝く森の中 大門海沼の紅葉
ヤマウルシ 標高を下げるとまだ緑のブナの木

行動記録
 今年の夏、小3の息子を1週間の子供キャンプに送り出した。私と違い?人見知りしない性格なので心配はしていなかったのだが、初めて会う小3から中3までの8人の子ども達との数々の体験は、忘れがたく貴重な思い出となったようだ。キャンプが終わって迎えに行った帰りの車中、仲間との別れが辛かったようで、ずっと押し黙ったまま目を赤くしていたのが印象的だった。そんな子どもキャンプのある日の活動に姥ヶ岳登山があった。ネイチャーセンター(山形県立自然博物館)から姥ヶ岳までは6km以上あり標高差も850m以上ほど。子ども達と引率者とで、楽しく登るはずだった。しかし、登山道の途中に何箇所かある石跳川の支流を渡るところで、息子は足を滑らせずぶ濡れになってしまった。体を冷やさないよう大事を取ってくれたのだろう、そこから息子だけが引率者のうち1名に付き添われ下山したのだという。その話を聞いて、なんとかリベンジさせてやりたいと思いながらも、早くも紅葉の時期になってしまった。そんなわけで小学校が秋休みの最終日の12日、何とかやりくりして時間を空け家族3人での姥ヶ岳登山に向かうことにした。息子はサッカー少年で毎週運動しているし、昨年不忘山にも登っているので体力的には大丈夫だろう。しかし、妻は日頃特に運動もしていないので渋っていたが、3人で登ってこそ意味があるとか何とかごまかして連れ出すことに成功。一路高速を月山へと向かった。
 私は何度か来たことのあるネイチャーセンター(以後センターと表記)だが、来るのはいつも雪のある時期ばかりで、こんな時期に来るのは初めて。センター前の駐車スペースに車を止める。開館準備をしていた職員らしき方が、姥沢からセンターまで下る道があるという。それは地図に記載されて無い道なので知らなかったのだが、その道を下れば周回が楽になる。これは良いことを教わったと思ったら、脇の案内看板にも描かれていた。準備をするとセンターのすぐ脇にある登山口から出発する。この石跳川沿いに登っていく道は、その昔湯殿山への参詣のための道であったという。そのためなのだろうか、道が石段で整備されているところが多い。今は自然博物園のコースとして、四季を通じて歩かれている。自然観察路としてコースも多いのだが、今日は姥沢登山が目的なので石跳川沿いに真っ直ぐ登っていく。黄葉したブナの原生林が美しい。ヤマウルシやナナカマドの赤も美しい。息子は昨年も不忘山に登っているので大丈夫と思うが、妻は普段まったく運動をしていないのでバテないか心配。装備や飲み物昼食などは全部私が担ぎ、妻のリュックには菓子程度にした。意識的にペースを抑えて登っていく。歩いていく途中で何やら香りがただよう場所があった。キノコの香りだ。しかし今日はキノコ採りではないので先へと進む。1時間ちょっとで、息子が足を滑らせた沢に到着。石跳川の小さい支流で、大したことのない沢だ。この程度ではやばやと下山したとは情けない。今日は必ずや姥ヶ岳山頂に立たせるぞと密かに決意する。
 やがて樹林帯を抜けて視界が広がると、左手に色とりどりに染まった湯殿山の尾根が見えてきて、美しさに思わず声が上がる。徐々に細くなる石跳川沿いに登っていくと、周囲にチシマザサの笹原が増えてくる。やがて湯殿山と姥ヶ岳の間の鞍部にある、装束場と呼ばれている場所に到着。ここからは三角形に形の良い湯殿山が見える。装束場とは、湯殿山本宮に参詣する前に、草鞋を履き替え衣装を改めたところなのでそう呼ばれているらしい。ここにある避難小屋は施薬小屋と呼ばれているが、平成7年頃まであった以前の小屋は、登山者に薬湯を売る個人所有の茶で「施薬小屋」と呼ばれていたことから、その後設置されたこの避難小屋も施薬小屋と呼ばれるようになったという。避難小屋は簡素な小屋だが、風を避けて休めるのはありがたい。中に入って休憩し、お握りとお茶で小腹を満たした。ここまで2人とも特に問題なく登ってこれたのでひと安心する。
 姥ヶ岳山頂までは、あと1時間20分だと励まして小屋を出る。月山山頂にかかる雲のせいで、右手に見える姥ヶ岳山頂も雲に見え隠れする。小屋周辺は灌木と笹原が広がる平坦地だが、この辺りの紅葉は盛りを過ぎ、少しずつ冬枯れに向かっている様子。今月2日は吹雪いて積雪もあったという。小屋を出てすぐは平坦だが、やがて登りになるとここまで元気で歩いてきた妻が疲れてきたという。バテられては困るので、ペースをさらに落としゆっくり歩くように促す。息子の方は元気なので問題なし。登山道は姥ヶ岳の北斜面をトラバースして登っていく。仙人沢をはさんで向こうに見える尾根は品倉尾根だ。鞍部の稜線を歩いている登山者が見えてきた。ひと登りすると姥ヶ岳と月山をつなぐ登山道にぶつかる。ここまで来れば姥ヶ岳山頂はあと一息。急斜面の石段を登り、金姥という姥ヶ岳のすぐ北にある1,688mのピーク下をトラバース。ほぼ水平に延びる木道を歩くと山頂(1,669.7m)に到着した。大げさだが息子のリベンジ達成。妻もなんとか登りきることが出来た。家族で達成感を味わう。
 眺めの良い姥ヶ岳山頂だが、今日は雲が多く遠くが霞んでいる。すぐ東側に見えるはずの月山の山頂は、雲の中で牛首から下が見える程度。遠望もあまりきかず、朝日連峰が少し見えたが鳥海山は眺められなかった。東側眼下に牛首下の湿地帯が広がり、姥沢ルートの木道を歩く登山者が小さく見える。姥ヶ岳にはリフトに乗れば、30分と歩かず山頂に立つことも出来る。リフト上駅方向から登ってくる軽装の人達は、おそらくリフトで登ってきたのだろう。山頂の記念画像を撮ると下山することにした。下山の時間短縮のため、下りの一部はリフトを利用することにした。リフト上駅から所要時間13分で、約1kmと標高差260mを運んでもらえる。料金は大人は560円、子ども390円だが、この日はなぜか子どもの分をサービスしてくれた
 リフト下駅で休憩してから姥沢に下ると、ちょっとわかりにくいがセンターへ下る道の入口があった。しばらくは急な下りで標高を下げると、あとは穏やかな道となり、眩しいほどのブナやミズナラの黄葉の中を歩いていく。明るいブナの森はなんとも気持ちが良い空間だ。やがて木々の間からセンターの屋根が見えてきた。最後まで元気な息子と、長い下りで膝が痛いという妻と無事ゴール。センターの中に入り下山報告をすると、子どもキャンプの登山で息子の下山に付き添ってくれたDさんがいて、リベンジの報告をすることができた。センター職員のDさんに、また来年も子どもキャンプにお出でといわれ、再会を期してセンターを後にした。
  後日談:登山後も息子は何ともなし。もちろん私もだが、意外と妻も大丈夫だった。少し筋肉痛になったぐらいで、それほどダメージはなかったようだ。体脂肪が減ったとか、また登りたいとか言っている。今回連れ出す前に、山に登りたくないと言ってたのは誰だったのか。さて次はどこに登ろうか。(K.K)

概念図

トラック 登り=赤  下り=青

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