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No.4515
蔵王・熊野岳 1840.5m二等三角点峰
山行種別 無雪期一般
ざおう・くまのだけ 地形図 蔵王山

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山行期間 2011年6月20日(月)
コースタイム 蔵王ライザスキー場(11:58)→仙人橋(12:09)→中丸山(13:00)→熊野岳(13:58,14:09)→ロバの耳分岐(14:17)→ロバの耳岩(14:43,14:53)→お釜分岐(15:13)→五色岳(15:37)→馬の背(16:09)→御田の神(16:25,16:39)→蔵王ライザスキー場(17:08)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
ゲレンデから見る中丸山 仙人沢橋 滝見場からの仙人沢(奥につばめ滝)
山頂手前で木道になる 中丸山山頂は標識がなければ気付かず通り過ぎてしまいそう 仙人沢左又沢(砂防ダムが見える)
熊野岳のワシ岩 熊野岳山頂 ロバの耳への尾根筋
丸山沢(5月上旬あたりまでは滑られる) ロバの耳と手前の小ピーク 外輪のピークが五色岳
お釜 お釜へ下るガレ場 まだつぼみのコマクサ
ロバの耳岩の向こうに雁戸山 チングルマ 御田ノ神園地の真新しい案内板

行動記録
 梅雨前の20日に時間が取れたので、中央蔵王を歩いてみることにした。予定では10時過ぎには登り始めるつもりだったが、アクシデントやらなにやらあって結局12時近くになってしまった。
 平日ということもあって閑散とした蔵王ライザスキー場に車を止めさせてもらい登り始める。明日には東北も梅雨入りするらしいが、今日はカラッと晴れている。
 ゲレンデを横切り林の中の登山道に入る。少し登ると道は仙人沢に下る。大きな吊り橋がありこれが仙人橋だ。渡りながら下の沢を見ると尻がむずむずする。対岸に渡り、2年前にここで痛ましい事故が起きたことを思い出す。すぐ急登が始まり、気温がかなり上がっていることもあり汗が流れる。しばらくは若いブナ林の中を登っていく。
 やがて周囲が灌木になり頭上が開けてくると、登山道が木道になり中丸山のピークが見えてくる。その先には熊野岳から刈田岳など中央蔵王の稜線が見え、いつもの宮城県側からアプローチする蔵王とは違う眺めに、別な山に来たような新鮮な感じを受ける。
 登山道脇には南蔵王ほどではないが、イワカガミやツマトリソウ、ハクサンチドリなどが咲いている。シャクナゲはまだつぼみ。雪渓の周りにショウジョウバカマがまだ咲いていた。日に焼かれて暑いので、雪渓の雪を手に取り頭に乗せてみる。やがて地面が砂れき質になると熊野岳まではもう一息だ。辺りはイワカガミやミネズオウが多く、コマクサもあちこちに。
 熊野岳には2時間ほどで到着。スタートの遅れを少し挽回出来たようだ。一息ついていると、平日でも数人の登山者がやってくる。昼はとうに過ぎているが、昼食はロバの耳と決めて東に向かう。熊野岳からの平坦な地形を、穏やかな風を受け歩いているとピクニック気分になる。
 熊野岳避難小屋の脇を過ぎると分岐の道標がある。左は名号峰へ、真っ直ぐはロバの耳となるが、ロバの耳コースは「通行禁止」との看板がある。以前はよく歩かれていたらしいこのコースだが、しばらく前に通行禁止となったらしい。ここから先は自己責任(登山という行為自体がすべて自己責任とは思うが)と心得て進む。いつもとは違う角度から見るお釜や五色岳が新鮮に感じる。思いのほか踏み跡があり、ここを歩いている人がいることをうかがわせる。
 ロバの耳へと延びる尾根の急斜面を下るといったん鞍部になり、左には雪渓の残る丸山沢だ。砂れき状の土地にはつぼみを持ったコマクサが多く、踏まないよう注意しながら歩く。溶岩の小ピークを登り返した先がロバの耳だ。その先は切れ落ちているので、ロバの耳岩に登るには右下に見える尾根から登ってくるようだ。昼食を食べながらしばし眺めを楽しむ。下の方には先日入った野湯の上部になる岩が見えている。通行禁止がもったいない迫力ある景観だが、それもご時世でいたしかたないのか。
 2万5千分1地形図には表されているこのコースだが、国土地理院では今後2万5千分1地形図の更新は行わないという。代わりに電子データとして電子国土基本図に置き換えられネットで見ることが出来るが、そこではロバの耳コースは既に削除されている。今後は知る人ぞ知るコースとなり、やがてはそこにコースがあったということさえ忘れ去られてしまうのだろう。
 ロバの耳岩から引き返してまた急斜面を登り返し、左に折れてお釜へと急斜面を下ることになる。踏み跡が不明瞭なので注意したい。自分は右に寄りすぎてしまいガレ場のトラバースをするハメになってしまった。振子沢の源頭になる鞍部に下り、お釜の外輪を登り返すと五色岳。
 外輪のお釜側は浸食が激しいので注意が必要だ。自分にとってはお釜を挟んで向こうに見える馬の背や刈田岳が目新しい。外輪を回り込み濁川の源頭部に下りる。踏み跡を追って細い流れの濁川を渡ると、馬の背への急な登りになる。擬木とロープの柵を越えればそこは観光客のかっ歩するエリアとなる。午後も4時だというのに観光客が賑やかだ。
 馬の背を横断し、廃線リフトの下を歩いて御田の神へ。今年設置されたらしい木道を歩く。湿原保護の意味からも木道の設置は好ましいことだ。チングルマが満開で、東北地方固有種のヒナザクラやワタスゲも。
 この御田の神湿原は刈田駐車場からも近いので、手軽に湿原を散策出来る。夕方からの用事が気になってきたので帰りを急ぐ。登山道はほどなく蔵王ライザスキー場のゲレンデの中に入っていく。ゲレンデ途中にある、お清水の森には三十三観音の石仏群があるらしいが、それはまた次の機会にして駆け下り、人影のないレストハウスに到着。結局予定どおり歩いてしまった。欲張った内容のせいか、距離と標高差の割には少々疲れた。(K.K)

概念図



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